2016.09.01 UP
【五感を磨く】愛と幸せをいっぱい感じる「本能」が研ぎ澄まされる「5つの絶景」
なんとなく心がお疲れ気味だったり、どこかブルーな気持ちを抱えていませんか? 夏から秋へと季節がめぐるこの時季は、心の不調が出やすいといわれています。しばし、写真で自然を旅しましょう。3分の癒し旅。自然にすっぽりと抱かれる時間が、人生に「愛」と「幸せ」を引き寄せます。
どうして? と首をかしげた皆さん。「恋愛」は頭でなく本能でするもの。「幸せ」は探すものでなく感じるもの。私たち人間が持っている本能といわれる五感。「見る」「聞く」「嗅ぐ」「味わう」「触る」。自然に抱かれるひととき、私たちの五感はフル稼働します。美しい景色を見て、鳥のさえずりや木々を吹き渡る風の声を聞き、美味しい空気を体いっぱい味わい、水に触れその冷たさを感じる。五感を磨くと、自分にとって必要なものを自然と体でキャッチすることができるようになります。
「肌があう」「声がすてき」「指がきれい」「危険な匂いがする」「この人は信頼できる」。五感こそが「愛」と「幸せ」を引き寄せる磁石。今すぐ、五感という本能を磨く旅に出かけましょう。美しい景色を見て、文章から、風の声、花の香り、新鮮な空気、水の感触を感じてください。
天と地が生み出す美しい絵画
8月の季語に「水鏡(みずかがみ)」という言葉があります。空や樹木が、湖などの水面に美しく映し出されるさまを「水鏡」といいます。ジーッと見つめていると、いったいどちらが本物なのかわからなくなりますね。
水鏡を通してあらわれるふたつの美しい世界。その昔、人々は水面に自らの姿をうつし、鏡の代わりとしていました。祭具として用いられた鏡は、真実、未来をも映し出すと信じられていたのだそうです。
恋や仕事において、どちらを選択したらよいのか迷っている皆さん、自然が生み出す水鏡を眺めにいきませんか? 心静かに水面に映る景色を見つめる無の時間の中で、ふと「この道を選択しよう!」「この人と生きていこう」と心が決まるかもしれません。
「ひとりぼっちだな」と感じたら森へ
「次世代に引き継ぐべき人類の遺産」として日本初の世界遺産に登録された、青森県の白神山地を取材したときのこと。「重い病を患い、白神山地にいらした男性が、真ん中が腐って空洞になっても、外側の皮だけで立っているブナの木を見て、ブナだって皮1枚で生きているんだからへこたれるもんか! って病気と闘って、すっかりお元気になられてね」と、白神山地・森の案内人、齊藤富士子さんが話してくださいました。
縄文の命脈を今につなぐブナの森は、疲れた心と体をよみがえらせます。森の中で、そのかぐわしい香りを体いっぱい吸い込みたくて、自然と呼吸が深くなり、細胞のひとつひとつがよみがえっていくような気がしました。
「ひとりぼっちだな」「苦しいな」と感じたときは、いにしえの森へ出かけましょう。人も動物も木々も、命あるものはすべてつながっています。私たち人間も大いなる自然の一部。地球は私たち人間の家族です。何百年、何千年という長い時を生き抜いてきた森の息吹を吸い込んで、新しい自分に目覚めませんか?
滝で人生をリセット&リスタート
癒しの代名詞ともいわれるマイナスイオン。滝はマイナスイオンの宝庫です。マイナスイオンを体に取り入れることによって、細胞の機能が活発になるといわれています。疲れがとれたり、心が安定したり、体の抵抗力がアップしたりと、さまざまな効果が得られることが近年の研究でわかってきました。
もう必要のない思いは、滝壺の中へポンと流してしまいましょう。不安、ずるずると引きずっている思い、ジェラシー、よこしまな心。自分にとって不要なものとは、さようなら。「水に流す」という言葉通り、流れゆく水には心の中のわだかまりやよどみをきれいさっぱり洗い流してくれる力があります。
すべてをさらりと水に流して、人生をリセット&リスタート。新たな流れを求めている皆さんは、ぜひ滝へ。
花々で大地の力をチャージ
「フラワーセラピー」という言葉を耳にしたことはありますか? 花はそれぞれに癒しの力を持っているといわれています。自然界に咲き乱れる花は、お花屋さんの切り花のような華やかさはありませんが、その土地土地のエネルギーに育まれ、それぞれに美しい花を咲かせます。
森の中を歩いていると、街中では見たこともない可憐な花に出会うことも。花に触れ、香りを楽しんで。花々に宿った母なる大地の力をチャージしましょう。やさしい心が戻ってきます。
眠っていた本能を目覚めさせた青
美しい自然と触れ合う癒しのひととき。2013年、ずっといきたいと願っていた白神山地の青池を訪れました。夕さりのときを迎えた雨上がりの森。観光客がいなくなった静かな小道を進むと、目の前に群青に近い、青の世界が広がっていました。自然が生み出した天然の青。池に浮かぶ葉がまるで夜空に浮かぶ星のように輝き、池の底に横たわる木々はまるでスヤスヤと眠っているかのようでした。
悲しいわけではないのに、涙がこぼれました。あの瞬間、心と体のすべてで「青」を感じていたのだと思います。まさに、眠っていた私の本能が目覚めた瞬間。頭で考えれば考えるほど、自分が望むものからかけ離れてしまうもの。
大切なのは自分の感覚を信じ、本能に従うこと。「本能」こそが、すべての扉を開く鍵です。自然に抱かれ五感という本能を磨いて、最良のパートナーと出会い、幸せな人生を歩みましょう。
(画像・Atunori Kikuchi)
三浦奈々依(みうらななえ)
神社仏閣ライター・フリーアナウンサー・カラーセラピスト