ハピネス

2016.09.02 UP

流行についていくこと、心から楽しんでいる?流行依存の心理<前編>


“ちょい病み依存”の正体を解き明かすこの連載。今回も引き続き「流行依存」についてです。

ファッションは心の状態を如実に表してしまうもの。ということは、もちろん“ショッピング”だって心の状態を表します。

さて、今回は「あなたの洋服選びは心理的に大丈夫?」ということに迫っていきたいと思います。

 

流行に乗りすぎるのは危険信号?

ファッション雑誌が売れなくなって久しいですが、みなさんは、洋服を買うときに何を基準にしていますか? 10代から20代前半の女性は今、雑誌でファッションアイテムや流行をチェックするのではなく、ブログやSNSの写真が情報源の中心になっているようです。

さて、この間こんな方がいました。

 

「洋服を買いにいくとき、デパートにいくじゃないですか。自分の年代にあうフロアにいくと、どの店にいっても“これがトレンドですよ”っていうのが分かりやすく置いてあるので、そこで買えば問題ないじゃないですか。だから、最近雑誌とかってわざわざみないんですよね」

 

つまり、彼女は「ここで買えば流行に乗り遅れることがないから大丈夫」「周囲から浮かない」という認めてもらえる安心感をベースに買い物をしているということです。

オシャレが好きで流行アイテムを取り入れている人もいれば、彼女のように流行アイテムを取り入れている人もいます。しかし、彼女のケースがいき過ぎると、「このフロアにないものは買っちゃいけない」というような状態になってしまうこともあります。

 

みんな横並びが大好き!という日本人意識

彼女のように「周りから浮かないこと」を注力する傾向は日本人に少なくありません。

ちょっとオシャレなくらいがちょうどよく、オシャレすぎると「おされ野郎」などといってバカにするような空気もあります。テレビでもオシャレな芸人さんが、いじられるのもよくみますね。

オシャレな人って素敵だなと心のどこかで認めていても、なぜかおちょくりたくなってしまうちょっぴり意地悪な気持ちは誰もが持っているものです。特に日本人には多いかもしれません。それは、「みんな一緒で良い」という文化に根付いているからです。例えば会議などで話し合いをしても、海外だと違う意見のまま終わることも多くあるのですが、日本では統一した答えを出したり、どっちが正しいかを決めたがる傾向があります。

流行やファッションということでいえば、「オシャレに憧れはある」「でもみんなと一緒が良い」「浮きたくないけれど、人より少し優位に立ちたい」といういくつかの思いを心の中に抱えているわけです。すると、とてもオシャレな人をみたときに、妬みや嫉妬の感情が生まれ、オシャレという点で優位に立っている人を、仲間はずれにして見下すようなことが生まれます。これは、自分を自由に表現できない人が取りがちな行動です。

個性を認める文化がある海外とは違い、“横並び”をヨシとするのが日本の文化です。そのため、流行は海外でもあるものですが、ここまでみんながこぞって同じものを買うのは日本独特のものです。例えば、テレビなどで「チアシードが良い」というとスーパーの食品売り場にチアシードが並ぶといった状態はもはや風物詩ともいえるでしょう。

ファッションアイテムでも、同じことがいえます。「ローラがつけているからオシャレにみる丸いサングラス」や「水原希子が着ているから格好良くみえるキャラもののスウエット」などがありますね。一般人が身につけたら似合わなかったり、ちょっとダサくみてしまうようなものでも、オシャレなローラが身につけているから、これを買えばオシャレなはず……ということで、自分も買ってしまう。これは、正常な判断ではありません。

 

流行依存に陥りやすい人とは?

「流行っているこのブランドだから買う」「流行っているこのバッグだから買う」というように、自分に似合うかどうかや好みかどうかで判断するのではなく、流行っているかどうかで服選びをしている場合は、すでに流行依存といえるでしょう。

どういう人が流行に頼ってしまうかというと、不安度が高く情緒の安定していない人や自信がない人です。自分のセンスや感覚に自信を持てず、多数派の意見をそのまま取り入れてしまうのです。

同じように端からみたら「オシャレな人だな」という人でも、もしかしたら「オシャレが好きで楽しんでいる人」と「流行から取り残されるのがイヤでキメキメな人」に分けられるかもしれません。

流行を上手に取り入れながら自分の個性を出しているオシャレな人は、健全に流行とおつきあいしているといえますが、ショップのショーウィンドウでマネキンが着ているものを「全部ください」とトータルコーディネートで購入して着ているオシャレな人は、流行やオシャレを楽しんでおらず「つらい!」とさえ思っているかもしれません。

他人にどうみられているかを気にして、自分というキャラクターをつかめずにいる人は、自分がブレていたり、もしくは自分がない状態。とりあえず流行っているものを着て、「変だよ」といわれてないコミュニティで安心しているのです。流行っているものを身につけておけば「それ、なんか変じゃない?」といわれたとしても、「え? 知らないの? これ、今流行っているんだよ」と人の優位に立つことができます。

これは逆にいえば、もし自分の個性や好みで選んだものを「それ、なんか変じゃない?」といわれたら、心が折れてしまうということ。

もし、自分の好みで選んで「変だよ」といわれても「そうかー。でも、私これ好きなんだよね」くらいで、傷つく必要はまったくないのですけどね。

 

ショッピングにいったとき、「本当にこの服が着たくて買うのか」「この服を着たとき、ワクワクするかどうか」をよく考えて服を選んでみてくださいね!

 

山名裕子

メンタルオフィス「やまなmental care office」代表臨床心理士。

大学にて心理療法の心得と技術を学び、2013年に臨床心理士の資格を取得する。主に認知行動療法によってカウンセリングをすすめ、心の専門家としてメディア出演をはじめ幅広く活動中。

nakayama

アプリで、ANGIEがもっと快適に。

  • お気に入り機能で便利に読める
  • プロライターによる最新情報が充実!
ページの先頭へ