2016.03.20 UP
30代から最短でネイティブの英語を話す【英会話勉強法】
「英語はしゃべってなんぼ」「海外に行けばしゃべれるようになる」……それは20代までの若いコか、ある程度基礎力がある人に言えること。受験英語しか経験せず、それもとうの昔という全然しゃべれない30代にはもっと別の勉強法が必要です。
そこで今回は、私が試行錯誤の結果もっとも効率的だと実感した英会話勉強法を紹介します。ほとんどひとりでできるので、毎日続けることさえできれば成果は裏切りません。
メソッド1. まずは地道に単語。ポイントは”音で聴いて口に出す”
Photo by Nora
単語はやっぱり大事です。「受験勉強であんなに覚えたのに、英語は話せなかったじゃないか」と思うかもしれませんが、覚え方が違っていたのかも。
正しくは、単語本とその音声CDを用意し、単語の意味を覚えながら(スペルはそこそこでOK)、発音を聴いてモノマネするように同じように口に出す。これを繰り返します。
おすすめ単語本はアイシーピーの『DUO3.0』、本の内容を音声にした『DUO3.0/CD基礎用』・『DUO3.0/CD復習用』。ネイティブが会話に使う単語約1,500語と、それらの単語を1文に複数使った例文560本で構成されています。つまり無駄なく効率的。
私はまずこの方法で1日約100語、つまり約1500語(1冊)を2ヶ月間で4回繰り返しました(CD基礎用を使用)。人間の脳は4〜5回で記憶として定着させることができると言われているからです。一つ一つの単語に時間をかけても最初の1〜2回では覚えられないのでサクサクやるのがコツ。
3ヶ月目は例文560本を音声だけで(CD復習用を使用)毎日聴きます。はじめてから3ヶ月後くらいから、ネイティブがしゃべっている単語と意味がとらえられるようになり、伝えたい単語が頭にパッと浮かぶようになりました。
できれば覚えたと思った2〜3ヶ月後にダメ押しの5回目ということで例文を音声で聴き、忘れてしまった単語を復習すれば完璧。
メソッド2. 文法のイメージをつかむ
Photo by Nora
日本人が得意な文法ですが、日本の学校教育で教わってきた英語文法の解釈はネイティブの感覚とは違っています。文法を理解するにはイメージの共有が大事。イメージをつかめば覚えようとしなくても自然と頭に入り、応用がききます。
ネイティブがどういう状況を頭に描きながらしゃべっているかを完璧に解説している『一億人の英文法』(ナガセ)は必読。日本人が苦手な「過去、現在、未来」の時間軸、「can、should、must、may」のニュアンスの違い、前置詞が表現するイメージなどイラストを使った解説は目からウロコ。読み物としてもおもしろいですよ!
通しで全部読まなくてもOK。疑問に思った文法をそのつど確認するだけでも十分ためになります。
メソッド3. ひとりでひたすら音読
ベストセラーで知られるベレ出版の『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』と『みるみる英語力がアップする音読パッケージ』。これらはメソッド1、2で勉強した内容を実際に使えるようにするトレーニング教材です。
英会話はスポーツに似ています。コーチからレクチャーを受けてスイングの仕方を頭で理解しても、すぐにはできないのと同じ。英語も練習が必要です。
『瞬間英作文』は日本語の簡単な文章、例えば「あなたの家のそばにコンビニはありますか?」を音声で聴いて2秒以内で英語に変換して口に出して言うというトレーニング。時間をかけたり書いたりすれば簡単ですが、瞬時に変換するのは意外とできないもの。”日本語を聴く→2秒以内で英語で口に出す→正しい英語を聞く”。これをスムーズにできるまで繰り返します。
『音読パッケージ』は英語の文章を文節で区切りながら聴いてそれをその通りに音読する教材。英語特有のつながって聴こえる音がどこで切れるかがクリアになり、フレーズで理解できるようになります。
口の筋肉も英語の動きに慣れ、日本人が苦手な「r」や「th」もスムーズに出るように。これは「シャドーイング」とも呼ばれている勉強法。『音読パッケージ』は例文が難しすぎず、日本人が聴き取りにくいフレーズが効率よく使われているのでおすすめです。
この2つの教材は、テキストのはじめに詳細に書かれたマニュアル通りにやるのがポイント。私の場合、1日それぞれ最低30分ほぼ毎日続けました。筋トレのように毎日少しずつ成果が現れます。
メソッド4. オンライン英会話をはじめる
メソッド3までで基礎を作ってから実際に「外国人と話す」を始めます。基礎がないうちからやみくもに話しても効率的ではありません。私の場合は渡米して現地の語学学校に通いましたが、ネイティブの講師が英語で教えてくれる内容が何を説明しているのかわかりませんでした。質問しても答えの内容が理解できないことも。
また講師とマンツーマンで話せる時間は限られていて、自分と同じレベルのクラスメイトとしゃべるのがほとんど。日本にある英会話教室、海外の語学学校は正直効率が悪いと感じました。
そこで私はアメリカにいるにもかかわらず、スカイプでフィリピン人の先生としゃべる「レアジョブ」を始めました。1日50分しゃべって月々9,700円。講師はネイティブではありませんが欧米企業のカスタマーサービス業務経験者が多く、ネイティブに近い発音で、教え方の上手な講師もいます。
6ヶ月ほぼ毎日続けた後、ネイティブともストレスなくしゃべれるようになりました。
大事なのはマンツーマンで毎日話すこと、わからないことをわからないままにしないこと。もちろんネイティブに毎日マンツーマンで教えてもらうのが理想です。でも例えアメリカにいても、友人だとしても毎日マンツーマンで話して、いちいち間違いを正して教えてくれる人をそこそこの金額で探すのは大変です。その点料金が安く、講師の数が多い「レアジョブ」はおすすめできます。
30代から英会話を学ぶ場合、「ある日突然わかるようになった」はまずありません。ネイティブとしゃべることはもちろん大事ですが、それだけではとにかく時間がかかります。
今回紹介したメソッドは日本でひとりでできるものがほとんど。一見大変なようですが、これをまるで筋トレのようにコツコツ続けると着実に成果が出ます。忙しい30代にこそおすすめしたい勉強法です。
Nora
アメリカ在住フリーライター