2016.06.05 UP
【死ぬまでに行きたい】聖地巡礼のハワイ旅で「幸運」をパワーチャージしませんか?
誰をも笑顔にするしあわせの場所。それが、ALOHAの精神が息づく永遠の楽園、ハワイ。
ALOHAの「A」は忍耐。「L」は調和。「O」は素直さ。「H」は控えめな態度。「A」はやさしさをあらわしているのだそう。
今日はALOHAのしあわせのメッセージとともに、まだ明かされていない秘境のパワースポットや、とっておきの聖地へと皆さまをご案内します。
美味しいハワイアンフードをいただいて、ワイキキでショッピングもいいけれど、ほんの少し足をのばしてみれば、今まで見たこともない素晴らしい景色と出会うことができます。
ぜひこの夏はハワイアンスピリットを感じる旅へ出かけませんか?
【まずは一呼吸】花々に抱かれたハワイのビューティーシーズン
6月、7月と、ハワイは花の季節を迎えます。シャワーツリー、プルメリア、ハイビスカス。初夏の光を受けて輝く花々は、南国のエネルギーを秘めた自然からの贈り物。プルメリアの花に顔を近づけると、心とろかす甘い香り。それはまるで天然の香水です。
ALOHAの「L」は「ロカヒ」。私たちが花に触れるときでさえ、そこに自然との結びつき、ちいさな「調和」が生まれるのです。
髪にプルメリアの花を飾って波音をBGMにビーチを歩けば、ココロもカラダもすべてから解き放たれて、自然と呼吸がゆっくりになっていくのを感じられるでしょう。
ALOHAの「A」、「アホヌイ」という言葉は、「大きな息」という意味。呼吸を取り戻すと、喜びの感覚で心と体が満たされていきますよ。
オアフの旅は「聖なる海」からはじめよう
「病を除去する」という意味を持つ「カヴェヘヴェヘ」と名づけられた海。過去におかした罪が病となる、そう考えた古代のハワイアンたち。病を癒すパワーに満ちた場所です。
ホテルハレクラニとアウトリガー・リーフ・オン・ザ・ビーチの間の海が、カヴェヘヴェヘと呼ばれています。マノアの滝が注ぐこの海は、真水が流れているため、サンゴが育たず、海の色も、他のビーチとすこし違うんですよ。
いにしえの時代、ハワイではこの聖なる海で心と体を清め、罪の懺悔をしたそうです。カヴェヘヴェヘの海は、ひんやりとした感じがします。
心の中のよどみ、負の感情、これまでついたちいさな嘘も、水に流して。わたしのハワイの旅はいつも、この海からはじまります。
ALOHAの「O」は「オルオル」。相手を受け入れる「素直さ」をあらわすといわれる言葉ですが、その正反対にある「敵意」から生まれる怒りは、心身の健康を大きく左右することをポリネシア人はよく知っています。
心やさしく情け深い生活こそが長生きの秘訣。天気のよい日の夕暮れは海へ行きましょう。カヴェヘヴェヘのサンセットは息をのむ美しさです。
ハワイの出雲大社でLOVEと不屈のココロを授かる!
ハワイオアフ島に、縁結びで有名な「出雲大社」があることはご存じですか?
1906年、広島県の神職であった宮王初代宮司によって、日系移民のために創建されました。現在宮司をつとめる天野宮司は、某テレビ番組でその楽しいお人柄が話題となり「天野宮司に会いたい!」と年々、観光客の参拝も増えています。
昨年、私も雑誌の取材で神社を訪れました。
カラフルなサンドレスに身を包んだ女性たちが祈りをささげると、シャワーツリーの花がいっせいに風に舞い、まるで桜吹雪のようでした。「よく、いらっしゃいましたね」と、神さまから祝福のフラワーシャワーのプレゼント。
そんな女性たちのお目当ては、「LOVE」と刺繍されたお守りです。すべて日本の出雲大社の手作り。朝の祈祷でお守りに御魂(みたま)をうつしてから、ハワイへ送られます。もちろんその後、ハワイで祈祷が行われ、私たちのもとへ。ですから、ダブルのしあわせパワーが込められているんですよ! お土産にもいいですね。
ハワイの出雲大社は、過酷な歴史を生き抜いてきました。日本がオアフ島を奇襲攻撃した直後、宮王宮司は逮捕され、神社も無残な姿に。それでもあきらめず、長い時間をかけて現在の地に神社を再建。ハワイで祈りの心を伝え続けました。
そして終戦から26年後、宮司様は長年の社会奉仕の功績に対し、ハワイ州議会満場の拍手によって表彰を受けたのです。宮司様の生き様は、どんな困難にも屈せず、何度でも生き返り、人々のしあわせのためにお働きをされる「おおくにぬしのみこと」と重なるものがありますね。
ALOHAの「H」は「ハアハア」。意味は「おごり高ぶったりしない」だそう。傲慢さはご先祖さまや神さまへの侮辱につながります。どんなときも忍耐し、自慢せず、慎ましやかに生きようというメッセージ。
おおくにぬしのみことを祀るハワイ出雲大社は、「縁結び」はもちろんのこと、「忍耐力」と「不屈の精神」を与えてくれるに違いありません。日本とハワイのスピリットを感じる場所です。
聖地巡礼でパワーチャージ!古代ハワイアンの聖地へ
最後に皆さまを、古代ハワイアンの祈りが息づくオアフ最西端の岬「カエナ」と、聖なる洞窟「カネアナ」へお連れしましょう。
オアフ島は、正式には車で一周することはできません。何度も道路工事を試みたものの、そのたびに天変地異がおこり、カエナに続く道の工事は休止を余儀なくされました。
だからこそカエナは、今も古代の姿をとどめています。亡くなった魂は洞窟で修業をして、夕日とともにカエナのレイナという高い岩場からジャンプをして、魂の故郷へ帰ると信じられています。
まずは、カネアナ洞窟へ。
約15万年前に海水の浸食によってできた聖なる洞窟には、サメの女神「ナナウエ」が住むという伝説が残されています。外から見ると中の様子をうかがい知ることはできません。
洞窟に入った瞬間、時が止まった気がしました。神事が行われていたという洞窟の奥行きは約150メートルほど。
洞窟から外を振り返ると、緑と空がまるで絵画のよう。いかがですか?
カネアナ洞窟は、まさに自然の神さまがつくった彫刻です。
いよいよオアフ最西端のカエナ岬へ。往復、約2時間~3時間のトレッキング。赤茶けた海沿いの一本道をひたすら歩きます。へいたんな道なので、ゆっくり歩けば息が切れることもありません。
暑さに弱い私は、朝いちばんで出発。日射しをさえぎるものは何もないので、帽子持参。水分もこまめにとりましょう。
道の途中、サボテンの花を見つけました。暑さのせいか、ダルダルなご様子。
調香師の友人がサボテンの香りをかいだ瞬間、あまりの臭さに顔をしかめるというハプニングも(笑)
どこまでも青い空と海が続きます。
聖地の潮風はココロとカラダにしみわたり、息を吸い込むたび、細胞レベルで生まれ変わるような感覚を味わいました。
保護地区の中で暮らすアホウドリ、天然記念物に指定されているハワイアンモンクシールをながめ、岬へと向かいます。途中、外国人のファミリーに遭遇。「ALOHA!」と笑顔でご挨拶。
赤茶けた道がいつのまにか、真っ白な道へと変わりました。目にも鮮やかな南国の緑。
鮮やかな緑に抱かれた道をぬけると、オアフ最西端。そこは別世界でした。
青い海に真っ白なサンゴ。天上の光をうけて輝く海はどこまでもおだやか。小さな魚たちが目の前をゆうゆうと泳いでいきます。
振り返ると、右手にマカハ、左手にノースショアの風景が。ワイキキでは決して味わえない贅沢なひととき。
私が訪れた日、女性がひとり、岩場にもたれ涙を流していました。カエナは、魂が故郷へと旅立つ場所。さまざまな思いを抱えた人がいらっしゃるのでしょう。私にとっても、大切な人とのお別れの旅でした。
ALOHAの最後の「A」は「アカハイ」。ポリネシアでは「与えること」がもっとも価値あることとされています。やさしさに満ちた行いをすれば、かならずそれは自分のもとへかえってくる。
二度と会えない人へ祈りをささげながら、彼女からもらったたくさんのやさしさを周りの人へおくることで、そのやさしさが彼女のもとへかえっていきますように、と祈りました。オアフ最果ての海は、はるか彼方にある天国へとつながっているのです。
ハワイアンリラックスのおまじない
みなぎるパワーを感じるハワイの旅。お楽しみいただけましたか? 心に風が吹くのを感じた皆さんは、きっとハワイの大自然、神々に呼ばれているでしょう。
最後に、私の愛読書『ハワイアン・リラックス』から、呼吸をつかまえる方法をご紹介します。
まず、静かな空間に座ってください。窓を開けて風を招き入れてもいいでしょう。
そよ風、波音、雨上がりの虹。皆さんが心地よいと感じるものをイメージしてください。
鼻から息を吸い込み、ゆっくり呼吸を。
心が落ち着いたら、ちいさな声で「アロ」とつぶやいてください。
「アロ」は分かち合うことです。
そして「ハ」を発音しながら、ゆっくりと息を吐きだします。
不浄なものは、呼吸とともにすべて手放しましょう。
心臓の鼓動を感じて。
それは、あなたの深いところで刻まれる命のリズムです。
最後にゆっくりと立ち上がって、体を思いっきり伸ばします。
これが、ハワイアンリラックス。
「永遠の楽園」ハワイがあなたを待っています。
【参考】『ハワイアン・リラックス 生きる喜びの処方箋』ポール・ピアソール 河出書房新社
三浦奈々依(みうらななえ)
神社仏閣ライター・フリーアナウンサー・カラーセラピスト