皆さんは更年期の症状、自覚していますか？

「年齢的に、そろそろ更年期の症状が来るかも」と恐れている人や、「更年期、つらい……」と苦しさに耐えている人、それぞれではないでしょうか。

筆者も「そろそろ？」「もしかしてこの症状は……」と、ヒヤヒヤしながら過ごしています。

誰もがいつかは迎える更年期。その更年期の実態を調査した結果とともに、婦人科医の丸山綾先生にお聞きしたお話を紹介します。

 

つらい更年期の症状で日常や社会生活に「支障をきたす」人は約6割

出典：ツムラ

株式会社ツムラが更年期の症状を自覚する40代～60代男女各100名を対象に行った更年期に関する調査によると、更年期症状を自覚する男女の85.0%が更年期症状の辛さを我慢していつも通り日常をやり過ごす「隠れ我慢」をしていることがわかりました。

具体的にどのような症状を我慢しているかを聞いた結果がこちら。

出典：ツムラ

男女ともに「疲れやすい」がトップですが、女性は「肩こり」「気分の落ち込み」という回答が続いています。

これを見て「え、それが更年期の症状なの？」と驚いた人もいるのでは。

筆者も「肩こりや気分の落ち込みは、そのときの体調や忙しさ、出来事に左右されるのでは」とびっくりした一方で、自分では気づいていない更年期の症状を「疲れ」や「体調の悪さ」で片づけてしまっている恐れもあると感じました。

出典：ツムラ

この更年期の症状、男女ともに約6割以上が日常生活や社会生活に「支障あり」と回答しています。

出典：ツムラ

ところが、更年期症状を自覚する男女200人と、過去に更年期症状を経験した男女200人に、更年期症状への対処について聞くと、更年期症状を自覚しながらも対処しない人も多く、特に男性は「どう調べれば良いかわからない」「この程度なら我慢できる」と対処しないことも多いことが明らかになりました。

出典：ツムラ

また、20代～60代男女各600人に更年期（時期）のイメージを尋ねたところ、更年期というと、どうしてもネガティブなイメージを持つ人が多いようです。

エイジングサインでもあるため、話題にしにくい、つらくても言いにくいと感じてしまうのではないでしょうか。

 

生活に支障をきたす更年期症状は「病気」

多くの人が我慢している更年期症状。職場や家族、友達にも、症状のつらさを相談しにくい人も多いのでは。

一方で、「誰も更年期がつらいなんて言わないのだから、私だって、苦しいけれど我慢していつも通りにしなくては」と思っている人も多そうです。

出典：ツムラ

更年期の症状について、霞が関ビル診療所に勤務する婦人科医の丸山綾先生にお話をうかがいました。

「女性の更年期症状はエイジング経過の一つで、誰にでも起こり得るものです」と丸山先生。

その症状の種類や程度は個人差が大きく、ほとんど気にならない人もいれば、日常生活に支障をきたす人もいるそうです。

「病気ではないから休んではいけないと我慢するケースもあれば、休みたくても休めず『隠れ我慢』せざるを得ない……というケースもあるでしょう。

こうした環境自体を改善すべきで、そのためには更年期症状も生活に支障をきたせば病気であることを個人も社会も正しく認識することが大切です」（丸山先生）

生活に支障をきたすほどの症状は「病気」だと言ってもらえると、「休んでいいんだ」と思えますね。

けれど、病院を受診するほどなのかと言われると、悩む人も多いのでは。

「症状に気づいてすぐに受診する人は少ないですね。市販薬などを試してみたものの効果がなく、最後の砦として医療機関を受診されるようで、『もっと早く受診すれば良かった』という声は非常に多いです」（丸山先生）

症状の程度によっては、サプリメントなどで効果が得られることもあるそうですが、1カ月続けて効果が実感できなければ医療機関を受診したほうが良いそうです。

 

無理をしない、させない環境作りへの一歩

そろそろ更年期症状が来そうだと感じている筆者は、年上の友人と会ったときに「どんな症状があった？」「どうやって対処した？」と質問して情報をもらうようにしています。

返答は本当に人それぞれ。けれどそうやって「生の声」を知っていれば、自分に更年期が訪れたときの参考になるはずです。

また、更年期なのではないかという不調を自覚している人は、周りの人々とまめに情報交換をしていれば「今日はちょっと辛いから、休ませて」「約束を延期していい？」と言いだしやすくもなるはず。

自分も無理をせず周りにも無理をさせない、そんな環境を作っていきたいですね。

 

出典／取材：ツムラ