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2023.08.30 UP

転職の理由は「現職場への不満」or「キャリアアップ」? 日本は他国と転職への意識が違うことがあきらかに!

今の職場や仕事が好きであれ嫌いであれ、誰しも一度は転職を考えたことがあるでしょう。もしかしたら、「もう何度も転職経験がある」という人もいるのでは。

しかし、世界的に不安定な情勢の中、転職先を探すのにもかなりのエネルギーが必要なはず。スキルや人脈、経験に、運も必要ですよね。

そんな苦難を乗り越えて転職をする人の、主な理由は何なのでしょうか?

今回は、Indeed Japan株式会社が5カ国(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、韓国)で行った「転職」に関する意識調査*をご紹介します。

日本と他の4カ国では転職への意識や考え方が大きく違うことがわかる、興味深い結果でした!

*対象:20~50代の正社員(無期雇用/フルタイム就業者)男女計8,848名

 

勤務先に対する日本人の満足度の低さが浮き彫りに

「職場の上司がウザくてさ〜」「今の職場がブラックすぎてしんどい…」

などという職場の愚痴を、友だちと言い合ったことがあるという人は多いのではないでしょうか。

実際に調査では、「勤務先に満足しているか」という質問に対して、「満足」と答えた日本人は4割程度でした。

ちなみにアメリカは8割超で日本の2倍以上、他4ヵ国も7割以上が「満足」と回答しており、他の4カ国と大きな差があることが明らかになりました。

日本人は勤務先に不満を持っている人が多いんですね……。

では、日本人は納得のいく勤務先を求めて転職を繰り返しているのかというと、そういうわけでもありません。

日本の転職経験者の割合は59.7%。多いと感じる人もいるかもしれませんが、イギリスは92.7%、アメリカは90.1%、ドイツは84.2%、韓国は75.8%で、日本は最下位なんです。

前述の調査結果と合わせると、日本は勤務先に不満を持ちつつも、我慢をしているという人が多いとも言えますね。

 

転職にポジティブなイメージを持つ日本人

一方で日本人は、転職自体にはポジティブなイメージを抱いているようです。

「転職のイメージ」を聞いた質問において、日本では「新しいことにチャレンジできる」(36.6%)が1位、次いで「職場環境を変えられる」(36.1%)、「自身のスキルアップや経験を積むことができる」(34.7%)との結果に。

転職に前向きなイメージを持っている人が多い様子が明らかとなりました。これは他4カ国でも同様で、5 カ国共通でポジティブなイメージが上位に挙がっています。

また、「転職に期待すること」という質問でも、日本人は3人に1人以上(34.9%)が「やりがいを感じたい」と回答しています。

「今の職場に不満がある、転職してやりがいのある仕事をしたいけど、実行するのはハードルが高い」

そんな私たち日本人のジレンマが、調査結果に表れているようですね。

 

転職のプロが語る「これからの日本の転職はどう変わるか」

転職に憧れるけれど実行するのは躊躇するという日本人。これからの転職事情はどのように変化していくのでしょうか。

Indeed Japan株式会社 マーケティング本部 シニアディレクター、田尻祥一さんのコメントをご紹介します。

日本と他国で、転職経験や考え方に差がある理由

日本では「今ある不満を解消する」ための手段として転職が行われている傾向にあり、自らキャリア形成を意識し、希望する未来のための選択肢として転職をする人がまだ少ない状況です。

これには日本型雇用が大きく影響していると考えられます。

アメリカをはじめジョブ型雇用をベースに、自身で自律的にキャリアを描き、転職によって柔軟に自分に合った働き方や仕事を選択していく習慣が根付いている国と、長らく終身雇用の慣習が続いてきた日本とでは社会構造上の違いがあると言えます。(田尻さん)

転職に前向きな人も多く、転職は今後増えていくと思われる

しかし一方で、日本人が転職に期待することやイメージへの質問を見ると、「新しいことにチャレンジできる」、「スキルアップや経験を積むことができる」など、前向きな回答が上位を占めています。

現状の転職理由としては職場への不満が多い一方で、これからの転職に対する期待としては、自分の仕事や働き方の新たな選択肢やキャリアの可能性が広がると前向きに捉えている人も多いと考えられます。

人々の仕事に対する価値観やライフスタイルが多様化する中、今後、新たな仕事や働き方、人生を見つけるために転職を選択する人も増えてくるでしょう。(田尻さん)

 

会社のために働き、昇進を重ねて給料をアップし、退職金で老後を過ごす……そんな日本の終身雇用制も終わりを迎えつつあると言われています。

もし、「このスキルを伸ばしたい」「これをやってみたい」という仕事が見つかったら、転職という選択が将来のためになるかもしれませんね。

 

出典/参考:Indeed

Rie Kanno

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