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2023.04.06 UP

生理やPMSなどの辛さを我慢しない!大学内に相談窓口を提供する試みが開始


女性なら大なり小なり抱える生理やPMSの不調。「毎月のことだから」「人にいうのもなんだから」と我慢している人、結構いるのではないでしょうか。

しかし、その不調が実は深刻な病の症状だったら。逆にちょっとした対処法で軽減できるものだったらとしたら…?

「病院」「婦人科」と聞くと二の足を踏んでしまうかもしれませんが、気軽に立ち寄れる「相談窓口」ならどうでしょうか。

先日、女子大学生に向け、そんな窓口を提供する取り組みが始まったとの発表があり、取材しました。

 

井桁弘恵さん「病院へ行くハードルは高い」

発表会にはモデル・俳優として活躍する井桁弘恵さんが登場。

数年前に早稲田大学を卒業した井桁さん。地元福岡から上京した当初に不調を感じていたものの、環境の変化によるストレスだろうと思っていたそう。

「どんな検査をされるのか?先生は女性なのか?と不安ですし、使えるお金も限られている中で病院へ行くハードルは高かったですね」とのこと。

井桁さんのように多くの大学生にとって病院、特に婦人科はかなりハードルの高い場所です。

でももし気軽に立ち寄れる相談スペースが学内にあり、さまざまな不調に対して無料で適切なアドバイスをもらえたら、安心して利用できますよね。

 

実際に受けられる相談を疑似体験

発表会では、霞ヶ関ビル診療所の婦人科医・丸山綾先生が映像で登場。実際に井桁さんが相談をする疑似体験をしました。

出された相談は、

「生理前・生理中のメンタルの変化はなぜ起こるの?対処法は?」
「心身ともに不調を抱えながら仕事(学業)をするときに、少しでも快適に過ごす方法は?」
「20代から健康に向き合う大切さは?」

など。これらに対し、丸山先生が丁寧に、そしてわかりやすく回答されていました。

先生いわく「不調を和らげるコツはあるけれど、人それぞれで違うので、専門家に聞いてもらえると本人にあった方法を提案できる」とのこと。

井桁さんが「イライラの原因がわからず自分でも戸惑うことがあります。体の機能として自然に起こり得ることだと知るだけで、心との向き合い方も変わってきますね」と言っていたように、知ることで軽減される不調もあります

また「情報があふれている世の中だからこそ、わかりやすい言葉で伝えてもらえるのは心強いです」ともおっしゃっていました。

直接話せるからこそ、ネットから自分で探すのとは違う情報が手に入るのですね。

 

彼氏や周囲にも知ってもらうことが当たり前になるように

「どんな人に窓口に来てほしいか」との問いに、丸山先生は

「我慢に我慢を重ねてどうしようもなくなって初めて病院を受診することがほとんど。そうなる前に敷居の高くない相談窓口に、まずは話だけでいいので来てほしい」

と回答。さらに、

生理が辛い人は、月に1回病気にかかっているようなもの。歳を重ねて病気をしている人より、毎月辛い思いをしているかもしれません。でも知識を持つことでできることがあることを知ってほしい」

とのメッセージを送りました。

 

取り組みの主体となる、漢方で知られる株式会社ツムラ コーポレート・コミュニケーション室長 犬飼律子さんも、

「痛みは人それぞれということを社会が認識すると、言いやすくなると思うのです。この活動が相互理解に役立ち、不調を言いにくい環境をなくしていけたらと思います

と、知ることや知ろうとすることの重要性を伝えました。

 

現状85%以上の女子大生は「我慢」して大学やアルバイトへ

ツムラが2022年に15歳〜35歳の男女10,000人を対象に行った「生理やPMSに関する大学生の不調実態調査」では、7割以上の人が「不調がある」と回答しました。

さらに生理やPMSいずれかの不調があると回答していた1,000人の女子大生に対し深掘り調査を行ったところ、実に85.7%の人が「我慢したことがある」と回答

我慢して何をしたかというと「学校へ行った」「授業を受けた」「アルバイトへ行った」「友達と遊びに行った」「サークル、部活に行った」のだとか。

辛くても日常生活を送ろうとしているのですね。

実際に6割以上の人が「誰かに相談したい」と思っていても、実際には「解決しなさそう」「(相談相手に)気を遣わせてしまいそう」などの理由で相談に至らないようです。

では、どうすれば相談しやすくなるのでしょうか。

調査結果から出てきたキーワードは「無料」「信頼」「専門」。つまりは「信頼できる専門家に無料で相談したい!」ということが明らかとなりました。

それを実現しようというのが今回の「ヘルスサポート」です。

「Care」と「College」をつなげて「Carellege Action」と名付けられた取り組みでは、「いつもの大学を、いつでも頼れる場所へ。」という思いをこめて、大学生が心身の不調や悩みに対して、我慢に代わる選択肢を取れるよう、大学と連携して環境づくりをサポートしていくそうです。

 

すべての大学生が不調を我慢せず心地よく健やかに毎日が過ごせるといいですよね。

 

取材/出典:ツムラ Carellege Actionツムラ #OneMoreChoice プロジェクト

大倉奈津子

大倉奈津子

音楽雑誌、求人誌、ビジネス誌などの編集、日本語教師を経て、ANGIE編集部へ。自身のソロライフ経験が誰かのお役に立てると信じているワーママ編集者です。

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