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2022.10.14 UP

アトピー性皮膚炎患者さんのQOLを上げるヒント満載!最新の治療法も学べるオンラインワークショップ開催

厚生労働省によると、日本におけるアトピー性皮膚炎の患者さんは51.3万人いると推計されています。

症状悪化により、精神的な安定・睡眠・日常生活などへの影響が大きく、現在の治療で患者さん自身の目標が十分に達成されていないと感じることも多いのだとか。

そんなアトピー性皮膚炎患者さんが、なりたい自分を見つけ、より良い将来に向かってもらうためのオンラインワークショップが日本イーライリリー株式会社主催、日本最大級のアトピー性皮膚炎患者さん向けアプリ「アトピヨ」を運営するアトピヨ合同会社協力の元、開催されました。

 

目標設定ツール「マンダラチャート」でなりたい自分を明確化

ワークショップには北海道・東北エリアのアトピー性皮膚炎患者さん5名と、アドバイザーとして、医療法人社団廣仁会札幌皮膚科クリニック院長・医療法人社団廣仁会理事長 安部 正敏先生とアトピヨ合同会社の代表Ryotaro Akoさんが参加。

有名アスリートも活用している目標設定ツール「マンダラチャート」を参加者が事前に作成し、なりたい自分や送りたい生活について考え、患者さん一人一人がより良い生活を送るために何が必要なのかを可視化。

まずはこの作成した「マンダラチャート」を患者さんそれぞれが発表する場が設けられました。

患者さん共通のお悩みとして、「かゆみ」が挙げられ、これによって熟睡できなかったり、人とのコミュニケーションや仕事に集中できなかったり、日常生活にかなりの支障が出ていることがわかりました。

また、女性患者さんの共通のお悩みとしては、メイクやファッションが思うように楽しめないことが挙げられ、患者さん同士で共感し合う場面も。

新しい治療法を知りたい、なるべく少ない薬で治療したいという希望がある患者さんも多くいました。

 

「新しいお薬や治療法も出ているので、辛い気持ちをストレートに医師に伝えてもらいたいですね。また、アトピーの患者さんは汗をかいた方が乾燥が少なくなり良いという傾向になってきているので、ぜひ運動も楽しんでもらいたいです」(安部先生)

運動や筋トレをすることで不眠が改善されることもあるのでぜひ試してもらいたいと思います。また、新薬を使う際に高額療養費制度を使える場合もあるので、調べてみてください」(Akoさん)

 

患者さん同士で目標を設定することで治療に対して前向きな気持ちに

他の患者さんの発表やアドバイザーの意見を踏まえて、参加者の皆さんは最終的なマンダラチャートを仕上げ、再び発表されました。

・色々な治療法があることを知ったので今後それを試していきたい
・塗り薬しか使用していないので飲み薬も試したい
・スポーツをしてみようと思った

など、治療や日常生活に対して前向きな気持ちになれた参加者さんが多数いらっしゃいました。

「アトピーで眠れない日が1日でもあると重症と言えるので、その状況を医師に話してほしいです。そうすればコミュニケーションも取れ、より良い治療につながっていくと思います」

と安部先生。Akoさんは、

「このマンダラチャートでのワークショップをきっかけに、前向きな治療に取り組んでもらえたらうれしいです」

とメッセージを送りました。

 

アトピー性皮膚炎の最新治療&医師と上手くコミュニケーションを取るヒント

その後、「アトピー性皮膚炎の最新治療と医師とのコミュニケーション」をテーマにした安部先生による講演も行われました。

アトピー性皮膚炎は乾燥と免疫、両方の治療をする必要があるそう。

まず乾燥・ドライスキン対策として保湿剤を使用することが重要。さらに汗をかくと皮膚に水分が増え、乾燥を防ぐことができるので運動も大切だとか。

その際、汗をかいたままにするとかゆみが出てしまうことがあるため、シャワーを浴びる+保湿剤を塗ることがおすすめだそうです。

 

また免疫の方は外用薬と光治療と内服に加え、最近では生物学的製剤の注射という新しい治療法も出てきているのだとか。

「これまでのアトピー治療は対症療法が中心でしたが、最近はより具体的に作用する薬や注射が出てきていて、アトピーの本質性に迫る治療ができるように劇的に変わってきています」と安部先生。

また、最近では協働的意思決定が推奨されていて、医師と患者でコミュニケーションを取りながら治療方針を決定することができるような流れになってきているそう。

安部先生に、良い先生や自分に合っている先生の見極め方を尋ねたところ、

「相性の良い先生に出会うまで、ドクターショッピングをいくらしてもいいと思います。自分がしゃべりやすいな、と感じたらそれが自分にとっての良い先生。フィーリングもあるのでその辺りを大切にしてもらいたいですね」

との回答をいただきました。

 

なかなか治療が思うように進まない…という人はぜひ一度マンダラチャートでの目標設定ワークを試してみてはいかがでしょうか。

森田文菜

Ayana Morita

スタイリスト/ライター

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