2022.04.04 UP
15分の入浴で集中力UP!温泉が日常に溶け込む街・別府で味わうONSEN WORK
コロナ禍で広がったリモートワークは、時間や場所にとらわれない働き方を一気に推し進めました。そこで注目を集めたのが、仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた「ワーケーション」です。
いつもの職場を離れ、仕事の合間にレジャーを楽しんだり、観光を楽しんだりすることで、気分をリフレッシュする…。ワーケーションには、非日常空間に身を置くことで、心と身体を充電させてくれるメリットがあります。
では、実際にワーケーションを体験すると、どんな気持ちや身体の変化があるのでしょう。
「温泉地でのワーケーションプログラムがあるらしい」という何とも魅惑的な響きに連れられて、都内から別府へと出かけることにしました。
温泉地で身体を整える「ウェルビーイング・ステイ」
参加したのは、BIGLOBEがプロデュースする「ONSEN WORK」です。
温泉地でリモートワークをすることで、「企業」のコミュニケーションを活発にし、「従業員」の心身の疲れをいやし、「温泉地」の地域活性をもたらす。そんな三方良しを実現する、新しいプログラムになっています。
宿泊地は、大分県別府市北浜にある「ホテルニューツルタ」。目の前には別府湾が広がり、ホテル近くには砂湯で有名な竹瓦温泉がある好立地です。
ONSEN WORKの特徴は、参画する企業のニーズに応じて様々なプログラムを用意しているところにあります。
身体にとっても心にとっても、人との関係性などの社会面においても、満たされた状態を目指そう。そんなコンセプトから、別府では「ウェルビーイング・ステイ」をテーマにした2泊3日のプログラムが実施されました。
初日は、日々のストレス度や肉体疲労度、血管年齢、歩行機能・柔軟性などのヘルスチェックからスタート。
自分の状態が数値で可視化され、「こんなにストレス数値が高い!」「運動不足で身体が硬いなぁ」など、参加者同士、わいわいと会話が生まれます。
身体と向き合い、自分の気づきを持って帰ることも、別府ONSEN WORKのテーマの一つ。
大分県内で活躍するパーソナルトレーナーによる「セミパーソナルボディコンディショニング」では、普段の姿勢のクセを指摘してもらい、仕事中や何気ない歩行中に意識すべき身体の使い方を教えてもらいました。
ほかにも、より心地いい快眠を促す「眠れるヨガ体験」、テレワーク中の凝った身体をほぐす「PARTY体操」、腹式呼吸を身につける「PARTY体操呼吸トレーニング」など、健康プログラムも充実。
おかげで、プログラム終了後のヘルスチェックでは、歩行機能も柔軟性も大きく改善しました。
こだわりの食で、身体を労わり地域を味わう
仕事に集中したいときには、ホテルから徒歩10分ほどの別府市内のコワーキングスペースへ。喫茶やバーなど100件以上も飲食店が連なる歓楽街を、散策しながら向かいます。
ONSEN WORKでは「食べながらSDGsと食育を学べる、新しい研修ランチ」として、八芳園のシェフによるランチBOXを提供。
八芳園が取り組むフードロス対策や、地域の学生と共同開発した地域ブランド品創出プロジェクトの様子を動画で学びながら、地域の食材をいかしたランチを味わいました。
健康な身体づくりには、食べたものの消化・吸収を促す「腸活」が大事。そんなこだわりが、一品一品の栄養素の選定にまで込められています。
美味しさはもちろん、身体を労わる時間が持てたなぁという充足感にも満たされていきました。
夜は、地域との交流も兼ねて、にぎわう北浜歓楽街へ。
東京からの移住者夫婦がオープンした火鍋専門店「火鍋 にしだ」では、大分県産の新鮮野菜やジビエを堪能。立ち飲みバー「Beppu Sake Stand 巡(じゅん)」では、地元の人との乾杯や雑談で盛り上がりました。
「温泉後のビールは最高!」と火照った笑顔を見せる地元の常連客の様子に、別府の豊かさを感じました。
15分の温泉ブレイクが心身のリフレッシュに
2泊3日の滞在中に、ホテル内の大浴場を含め5つの温泉を味わい尽くしました。
ホテルから徒歩2分の場所にある「竹瓦温泉」は明治初期の1879年からある市営の共同浴場です。人生初の砂湯体験で、熱い砂で全身を隙間なく包まれる、味わったことのない心地よさ。
そこから3分も歩けば、大正13年から続く町営の「寿温泉」もあります。
驚いたのは、200~300円で入れる公共浴場が町中に点在し、その多くが朝6時半から深夜まで営業していること。簡易な洗い場に湯船が一つ、というコンパクトな浴場が多いため、10~15分で入浴して帰ってくることができます。
仕事の合間に、まるでコーヒーを飲んでリフレッシュするかのように温泉に入れる環境は、思った以上に気分転換になり、仕事がはかどります。
短時間でさっと入浴できるため、仕事の時間が大幅に削られることもありません。「さあ、休んだから仕事をしよう」という切り替えのスイッチになり、集中力が自然に高まるのです。
2泊3日のプログラムを終えた頃には、初対面だった参加者同士、自然に会話が生まれて距離もぐっと近づいていました。
仕事もしながら、その地域にしかない味わいを満喫し、仲間との絆を深める。ワーケーションには、いろんな効能があると知った得難い経験となりました。
rumi
ライター・編集者