2022.03.30 UP
この春開始!不妊治療、保険適用範囲の拡大から考える妊娠・出産
妊娠、出産を希望しているにも関わらず、一定期間妊娠の兆候が見られない際に行われる「不妊治療」。
しかし、体への負担はもちろん、経済的な負担も大きくなるため気軽に踏み出せない人が多いのが現状です。
そんな不妊治療に対して、経済面で明るい情報が入ってきました。これまで一部保険適用がされてきた不妊治療が、2022年度から保険適用の範囲が大きく広がるのです。
2022年4月から開始。不妊治療の保険適用範囲が拡大
具体的な保険適用の範囲はこちら。
出典:不妊治療に関する支援について(厚生労働省)
これまでは男女ともに不妊症の原因疾患があるものに対してのみ適用されてきた保険が、原因不明の不妊や治療が奏功しないものに対しても適用が認められるようになりました。
治療を重ね、期間が長くなるほど経済的な負担が増える不妊治療ですが、保険適用の範囲が広がることによって、今後「子どもをもちたい」と願う人たちの負担が減ることが期待されます。
不妊治療の経済的負担軽減について。妊活セミナー開催
今春の不妊治療の保険適用に向けて開催されたのが、産経新聞社主催の妊活セミナー。不妊治療に悩む方々に向け、新制度について、厚生労働省の原澤朋史氏(写真右)から詳しい説明が行われました。
まもなく開始される、不妊治療に対する保険適用範囲の拡大について現場の声を語ったのは、六本木レディースクリニック院長の小松保則氏。
「自由診療という枠組みの中で、患者さんのためにエビデンスの高いものや、自院の傾向から『こういうのが良いのでは』と提案するなど、日進月歩しながら進んできたのが不妊治療です。
今回の保険適用範囲の拡大が、一人でも多くの人の良い結果に繋がると良いなと願っています」(小松氏)
不妊治療経験者、フリーアナウンサーの登坂淳一氏が登壇!
続いて行われたのは、小松氏と元・NHKアナウンサーで現在はフリーアナウンサー、俳優としても活躍中の登坂淳一氏によるトークセッション。
昨年、1年以上の不妊治療を経て第1子を授かった登坂氏は、自身の体験を交えて不妊治療について語りました。
登坂氏が不妊治療を開始したのは、自身が49歳、妻40歳の時。実際に始めてみると、まず難しかったのがクリニック選びで、「たくさんの病院の中から何を基準に選んだら良いのかとても迷いました」と、当時を振り返ります。
そんなクリニック選びについて、現役産婦人科医である小松氏がアドバイス。
「ネットで調べる人が多いと思いますが、実際に足を運んで担当医とのフィーリングを確認するのがおすすめです。
求める治療内容や治療計画を相談できるかどうか。また掲げているコンセプト、治療の幅、妊娠率、口コミも参考にすると良いと思います」(小松氏)
登坂氏は、「妊娠までの道のりは平坦ではなかったと思いますが、気になったことや心掛けたことはありますか?」という質問に対して、自身の経験を次のように語りました。
「お金と時間があればいつまででもできますが、多くの人は現実的には余裕がありません。うちも、なるべく最短で間をおかずに行いました。
また、先生に『一番大事なのは夫婦で一緒にやることです』と言われたんです。
妻が2回流産し、4回目の妊娠で成功したこともあり、今どんな治療をしているのかなど、妻と同じようなレベルで理解、共感することが大事だと身をもって感じました」(登坂氏)
最後に、登坂氏は不妊治療について次のように語りました。
「子どもをもちたい年代、それぞれのタイミングがあると思いますが、お互いに意見が一致した時が良いタイミングだと思います。
不妊治療はどちらかに任せっきりにならないよう、一緒に取り組んでいくという気持ちで粘り強く行うことが大事です。僕たちも、大変な治療した時は美味しいものを食べるなど、お互いの気持ちが前向きになるようにしながら進めました。
僕は保険適用がまだない時に不妊治療をしましたが、『経済的な理由でやめる』ということがなくなるよう、保険で補えることで少しでも治療が広まればと思っています」(登坂氏)
不妊治療には時間や精神的な負担がありますが、夫婦で支え合っていくことが大事だと話してくれた登坂氏。
今回広がった保険適用が、不妊治療を行う方々の負担軽減に少しでも繋がると良いですね。
出典/取材:【無料オンラインセミナー】妊活セミナー~不妊治療最前線~
※無料でアーカイブが視聴できます(配信期間:3月30日0:00~5月30日23:59)
大西 マリコ
美容ライター/西洋占星術家