2015.11.18 UP
化粧品には適材適所の使い方が!「浸透」と「肌なじみ」の違い
化粧品に含まれる美容成分。雑誌やネットの記事を見ると、「肌に浸透すればするほど効果がある」と書いてあるけれど、それって本当なのでしょうか。
実は化粧品には、肌表面にとどまって効果を発揮するものと、角質層まで浸透することで効果を発揮するものがあるのです。今回は、化粧品の浸透に関する真実をご紹介します。
化粧品には適材適所の使い方がある!
【肌に浸透しないほうが良いもの】
・日焼け止め
紫外線を遮断するものなので、中に浸透してしまっては意味がありません。
表面にとどまり、肌を覆ってこそ効果を発揮できると言えます。
・乳液やクリーム
油分の入った乳液やクリームには、本来肌のうるおい成分が逃げるのを防ぐという働きがあります。
そのため肌には浸透せず、肌表面に留まっているほうが効果的なのです。
・コラーゲンやヒアルロン酸配合の美容
「コラーゲンやヒアルロン酸は肌に浸透するもの」 と思っている人も多いと思います。しかしコラーゲンやヒアルロン酸自体は、分子が大きすぎて肌に塗っただけでは浸透しないのです。
特にコラーゲンはアミノ酸が20種も連なった大きなタンパク質なので、肌に浸透することはありません。
しかし浸透しないからこそ、肌表面で潤いを守るという働きがあるのです。
【肌に浸透した方が良いもの】
・化粧水
洗顔後のまっさらな肌につける化粧水。これこそ肌に浸透することで、肌に潤いを与えてくれるという働きがあります。
今のように寒い季節は手のひらで温めてからつけると、より浸透しやすくなりますよ。
・医薬部外品の美白系化粧品
医薬部外品化粧品とは、化粧品の働きに加えて穏やかな薬理作用のある成分が配合されている商品のこと。
医薬品のように即効性はありませんが、長期間使い続けることで効果が得ることができます。
そのため、じっくりと浸透して作用し続けてこそ効果を発揮すると言えます。
実は浸透するのは角質層まで
「肌の奥まで浸透」いう表現をよく目にすると思いますが、それはあくまで肌表面にある角質層までのことを言います。
実は化粧品が働きかけることができるのは、表皮の一部である角質層までなのです。
角質層は0.02ミリという薄さですが、肌を外的要因から守るバリア機能が備わっている重要な部分。この角質層が正常な状態か否かで肌の印象は左右されると言っても過言ではないほど、重要な機能を果たしているのです。
「浸透」と「肌なじみ」の違いは?
では「肌なじみが良い」と美容の記事によく書いてあるけれど、それと浸透するのとは違うの? と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
「浸透」と「肌なじみ」は全くの別物です。
浸透は先ほど説明したとおり、角質層まで入るということ。対して肌なじみというのは、あくまでもつけ心地のことです。
肌なじみが良いものは浸透しているような錯覚に陥るのですが、本当に浸透しているかどうかはまた別なのです。
このように化粧品には、その商品ごとに効果を最大限に発揮する使い方があります。
化粧品の適材適所を理解し、うまく使い分けることで誰もが羨む美肌を手に入れましょう!
佐治 真澄
ビューティライター