2020.09.07 UP
「鉄分」が夏バテ対策のカギ!摂取不足を手軽に補う方法とは
暑くてどこにも出かけたくない! せっかく自粛が解除されても、そんな嘆きが日本各所で聞かれた今年の夏。
厳しい残暑に、すっかり気力を奪われてしまっている方も少なくないでしょう。
気温が高くなる日は、まだまだ熱中症や夏バテに注意が必要です。
予防対策には水分と塩分補給が欠かせませんが、近年の研究から注目されているのが“疲労回復ミネラル「鉄分」”です。
実は日本人が熱中症や夏バテになる大きな原因には、鉄分不足が関係しているかもしれません。
鉄分不足が熱中症や夏バテを引き起こす!?
熱中症は身体の血流機能が低下し、体内の体温が急上昇した状態で、汗をかいて脱水症状に陥る症状です。
また、夏バテも熱中症と同じく血流の停滞が影響しています。
血液の大切な働きは、酸素を全身に運び細胞を活性化させること。酸素は体内に吸収された鉄と結びつき、ヘモグロビンとして全身に運ばれることから、鉄が不足すると細胞が酸素不足になり疲れやすくなります。
ミネラル成分である鉄は汗としても排出されてしまうため、過剰な発汗は鉄分不足と血流の停滞を招き、熱中症や夏バテの原因になるのです。
鉄分を摂ると心理的ストレスが軽減!?
日本体育大学体育学部の杉田正明教授の研究によれば、鉄分を継続して摂取することで疲労回復効果があることが明らかになっています。
また、大妻女子大家政学部の川口美喜子教授の調査によれば、1日3.6mgの鉄分を1か月摂取することで、日常生活における心理的ストレスが軽減される可能性があることもわかっています。
鉄3.6mgは1日に日本人が不足している鉄分量ですが、この不足分を毎日摂取し続けるだけで夏場も疲れにくくなったり、心理的なストレスが軽くなったりするなら試してみたくなりますよね。
鉄分不足のサインを見逃すな!
鉄分は体内で作れない成分です。そのため、食事などで摂取することが大切です。
しかし、鉄分不足の症状はゆっくりと進行するので自分では不足していることに気づきにくいのが問題です。
鉄分不足のサインとして、次のような症状を見逃さないようにしましょう。
細胞分裂が早い部位に表れるサイン
- 爪の下の皮膚が白い、爪が白い
- 爪がもろくなって割れやすくなったり、反り返ったりする
- 髪の毛の質が悪くなり、もろく、弱くなる
- 抜け毛、切れ毛が多い
行動や不定愁訴となって表れるサイン
- 朝、起きるのがとてもつらい
- 疲れやすい、体がだるい、やる気がでない
- 動悸、息切れがひどい
- よくあくびが出る
残暑も油断禁物
暑い季節は発汗量が多い分、鉄分損失量も増えるので、女性は3.6mgを目安に摂取するようにしましょう。
鉄分を多く含む食材は、植物性で非ヘム鉄を多く含むホウレンソウや干しひじき、動物性で吸収率が高いヘム鉄を含むレバーやアサリなどが代表的です。
ヘム鉄に比べて吸収率の低い非ヘム鉄もたんぱく質とビタミンCとを同時摂取することで吸収率が増加するので、メニュー作りで意識したいポイントです。
さらに、鉄製の調理器具を使うと、調理中に鉄分が溶けだして鉄の摂取量を自然に増やすことができます。
とはいえ、毎日栄養バランスを考えて自炊するのは簡単ではありませんよね。そんな方には、以下のようなコンビニでも買える鉄分飲料や食品を活用するのがおすすめ。
「うめソルティ」
定番の熱中症対策飲料が、今年は新たに“鉄分”を配合してリニューアル発売されています。
「1日の鉄分」
1食分(50g)で1日分の鉄分6.8mg、8種のビタミンの1日必要量の3分の1、食物繊維が摂取できるヨーグルト味のグラノーラです。
今年は厳しい暑さに加えて、コロナ禍の影響で身体だけでなく心の健康も不安定になりがちです。
積極的に鉄分を摂取して、身体も心も健やかに整えましょう。
平 理以子
美容ライター/恋愛コラムライター/海外(バリ島)ライター