2016.08.30 UP

幹細胞コスメは効かない?肌をきれいにする美容法「幹細胞治療」とは?

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幹細胞や、IPS細胞、胚性ES細胞・・・。現在、さまざまな万能細胞が研究されていますね。しかし、私たちにははたして縁のある事なのでしょうか。重病でもない一般人の私たちが、その万能細胞の恩恵など受けることができるのか。

そこで注目したいのが、美容分野。クリニックで、ご家庭で、幹細胞を使用した化粧品や点滴が注目を受けています。どんな商品で、どんな期待ができるのか。今回はそんな美容と幹細胞の最新情報をお届けします。

そもそも幹細胞とは?

色々な組織に変身することのできる万能の細胞の事をいいます。私たち人間も、この幹細胞が分裂して変身して目や皮膚、神経や心臓が出来上がりました。そのような様々な組織に今後なれる可能性を秘めているのが幹細胞なのです。大人になってもこの幹細胞のおかげで傷が治ったり、新しい赤血球が出来たりします。幹細胞は大変に頭が良く、傷や不足を見つけ、それらを修復するために分化、変身します。その働きが、現在、美容の分野、とりわけ肌に注目されているのです。肌の傷を治す、肌の張りを取り戻す、といったように。

 

肌の若さは何で決まる?

ずばり潤いです。肌表面の潤いも大切ですが、それとともに現在はインナードライと呼ばれる肌の内側の乾燥が叫ばれています。ストレス、UV、不規則な生活、エアコン、間違ったスキンケア、洗いすぎるなど、これらが習慣になると肌は水分と油脂のバランスを保てず、てかり肌、毛穴の開き、しわ、かゆみなどを引き起こしてしまいます。これを防ぐために肌の内側を潤すことが必要です。

そもそも皮膚にはコラーゲンやヒアルロン酸などの水分を保持する成分があるのですが、20歳という若さで曲がり角を迎え、減少していくと言われています。コラーゲンやヒアルロン酸を飲む、食べる、塗るという事はあまり期待ができませんので、クリニックで直接注射をした方が効果的かと思います。また、そこで注目されているのが、『間葉系幹細胞』です。

 

幹細胞は肌に良いの?

幹細胞は確かに肌に良いのです。しかし、まだ未知な事も多いです。
ある製薬会社の実験では、『間葉系幹細胞』という幹細胞の一種が、肌に存在する『繊維芽細胞』を活性化し、ヒアルロン酸、コラーゲンが産生され、また、コラーゲンを壊す働きを抑制する効果があると分かりました。
今までは、コラーゲンは飲んでも肌には届かない、注射で入れないと意味がない、などと言われてきましたが、この『間葉系幹細胞』は皮膚のコラーゲン、ヒアルロン酸を作る細胞を直接刺激するので、肌自らがコラーゲン、ヒアルロン酸を増やしてくれるわけです。
コラーゲンとヒアルロン酸は年齢とともに失われ、乾燥肌、しわのある肌を作ってしまいます。そこで注射などでこの『間葉系幹細胞』を注入する方法に注目が集まっています。現在はいくつかの美容クリニックで受けることができます。

 

幹細胞美容・治療のQ&A

とりわけ注目されている『間葉系幹細胞』は、今までは筋肉や脂肪、骨や皮膚になると考えられてきましたが、さらに神経や肝臓の細胞が作られるという研究結果も報告されています。お肌の健康のために受けた点滴が、思わぬ場所で思わぬ修復をすることがあるかもしれないのです。クリニックで施術を受ける際は、よく説明を聞いたうえで受けた方が良いですね。

 

幹細胞は自分の細胞から作るの?

半分正解で、半分間違いです。
先ほど出てきた『間葉系幹細胞』の注射や点滴は、自身の脂肪組織をとって、そこから分離、場合によって培養して増やします。そしてそれを、注射で身体の中に入れます。自身の身体由来のものなので拒否反応が少ないと考えられています。
クリニック以外で購入できる市販の化粧品などには、リンゴやアルガンなどの植物由来の成分が含有されています。

 

幹細胞を塗るの?注射するの?

クリニックで受ける幹細胞治療は、筋肉注射や静脈注射などの注射です。また、クリニックの場合は自分の脂肪組織を使うのですが、行ったその日にすぐできるわけではなく、まずは脂肪を取り、病院で分離や培養を何日かけて行い、後日改めて来院して注入します。
市販のリンゴなどを用いた植物性の幹細胞コスメや化粧品は塗るタイプです。

 

動物性のものもあるの?

市販の幹細胞化粧水は植物性です。クリニックでは動物性、ご自身の脂肪由来の幹細胞治療です。

 

植物性なんて効くの?

不明でした。植物性の幹細胞が、私たち動物に用いられている研究が見つからず、その効果のほどは不明です。

 

市販の幹細胞コスメは効かない?

残念ながら、現在日本で市販されている幹細胞コスメの効果は、幹細胞の働きというよりもその他の成分によるところの方が大きいように思われます。理由は、植物の幹細胞と動物の幹細胞に互換性がある、という研究結果が見つからなかったからです。海外の製品を探したら、もしかすると動物由来、ヒト由来の幹細胞コスメが見つかるかもしれません。動物由来の幹細胞コスメならば期待はできます。さらに言うならば、細胞が含まれていますので、温度管理、容器の遮光性なども気を付けて保管する必要がありますね。

 

幹細胞って他の治療に使える?

使えます。
例えば角膜です。仮に片方の目の角膜がすべてダメになってしまっても、もう片方の無傷の角膜にある幹細胞を取ることができれば、ダメになってしまった方の角膜を再建することができます。また、骨髄中の幹細胞を、重症な動脈硬化の患者さんに注射をしたところ良い血管が再建されたという報告もあります。この様に幹細胞は傷や病気を「修復する力を持っています。他にもアルツハイマー病などの神経の治療、毛髪の再生、やけどをした皮膚の再生、歯の再生などが研究されています。

 

何か副作用はあるの?

少なくなるように研究されている途中です。
iPS細胞の研究において、当初は新しい組織のがん化が発表されました。しかし最近、がん抑制遺伝子とがん遺伝子の関係が研究され、iPS細胞でもその技術を応用して、がんになりにくい再生医療が期待されています。
クリニックにおける幹細胞治療の副作用は、施設の技術による様です。幹細胞との因果関係は不明ではありますが死亡事故も起きていますので、経験のある施設、説明をきちんと行ってくれるクリニックがいいでしょう。

 

間葉系幹細胞治療の費用はいくらかかるの?

施設によっても異なりますが60~150万円程度でした。
さまざまな施設がこの幹細胞治療を美肌に応用していますが、過去の実績や、医師の研究論文、培養方法や保管方法などがより詳細に記載されている施設を選びましょう。また、マイナス点である副作用の説明がきちんと書いてある施設の方が信頼できますね。

 

間葉系幹細胞治療はどこで受けられるの?

自由診療を行っている美容クリニックなどで受けることが出来ます。
例えば東京でしたら『表参道ヘレネクリニック』や、『アヴェニューセルクリニック』などです。

間葉系幹細胞の治療は、現在はまだ保険適応外ですので、値段も一律ではなく、クリニックよって様々です。また、内容にも若干の違いが有り、自身の脂肪細胞から間葉系細胞を取り出すだけなのか、はたまたその間葉系幹細胞をクリニック内で培養して増やすのか、の違いがあります。

 

まとめ

 

クリニックでは自身の脂肪組織を使って、幹細胞を抽出、培養して、身体の中に戻すので拒否反応が起こりにくいだろうと感じます。

また、注射の方法次第では、肌だけではなく、他の持病にも働くのではないでしょうか。培養は場合によっては3週間程度かかるので、今すぐにどうにかしたい場合には向かず、焦らずゆっくりきれいになりたい人に良いかと思います。

しかし、まだ未知な事も多く、まれに事故があるようなので、経験の多い施設を選びたいところです。お家で使える幹細胞コスメに関しては、どうやらクリニックレベルのものはなく、植物性の幹細胞を使用しているようです。

詳細は研究段階なのか、あまり記載が見つかりませんでした。今後、自宅でも自己の幹細胞が入った化粧水ができたら一番いいだろうと感じましたが、どうやら倫理と利権との壁が厚く立ちはだかっている様子で、もう少し先になりそうです。

 

 

 

監修 二宮麗
資格:薬剤師
漢方薬・生薬認定薬剤師
漢方スタイリスト
講師歴:栄中日文化センター
女性のためのこころとからだフェス(主催:名古屋リビング新聞社)

アンジー編集部

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