2016.07.29 UP

漢方で痩せる?漢方薬剤師が教えるダイエットの効果とは

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現在、漢方薬はダイエットに用いられることが多くなってきています。ドラッグストアにおいても、『ビスラットゴールド』、『ナイシトール』、『コッコアポ』など、様々な種類を目にしますね。

ですが、『この体質の人がなぜこの漢方薬を使っているの!?』と思うことがしばしばあります。

適切でない使用が、実際に下痢やのぼせ、頭痛などの予想外の副作用を引き起こしています。

正しく使えてないが為に起こる、『効かない』、『副作用が出た』とならない為にも、体質と薬のポイントをしっかり押さえて服用しましょう。

なぜ漢方がダイエットに注目されているのか?

安全性と効果のバランスが比較的良いためだと考えられます。

漢方薬は化学的な新しいものとは異なり、歴史がありますので、万が一の副作用もある程度わかっている、対策が取りやすいのです。新たに発見された物質や、合成された化合物は、まだまだ経験値が浅く、安全性に多少の疑問を持ちながら使用されているのが現状です。

日本の漢方薬にも昔は危険な成分がありましたが、かなり淘汰されてきましたので、安全なもののみ、現在に使用されています。

漢方で痩せるのか?

脂肪過多

便秘

浮腫

無汗症

尿量が少ない

ストレスによる過食

上記の症状が当てはまり、医師からもまだ薬が出されていない場合、漢方薬は有効です。

いわゆる未病の段階の肥満です。

 

反対に、

薬による副作用における肥満(ex. ステロイドによる食欲増進、中心性肥満など)

重大な基礎疾患による肥満(ex. 甲状腺機能異常などの内分泌性の疾患など)この様な方は、医師の観察の元、ダイエットを行う方が安全です。

 

また、血液検査など健康診断で何も問題もなく、健康的な体重の方が、モデル体型を目指し漢方薬を服用してもなかなか効果が表れないことが多いです。この様な方は、筋肉をつけ代謝を上げた方が引き締まりますので、冷えや血流の改善に用いられる漢方薬の方が、間接的ですが奏功する場合があります。

漢方薬でダイエット効果を感じられ易い方

夜勤が不規則にあり、浮腫んでいる方(ex. 看護士、助産士など)

生理前のストレスにより過食してしまう方(ex. S生理の前後で体重が大きく変わる方)

排便が毎日定期的にない方

実際に受け持った患者さんで、比較的効果を感じやすかった方の傾向です。

漢方薬の位置づけ

運動・食事・休養に気を付けた場合、肥満によって生じるリスクは下がります。

また漢方薬も薬ではありますが食事やサプリの延長上にあると考えられますので、リスクが下がると考えられます。

これらに気を付けていても進行する場合は、高脂血症の薬などが必要となります。

漢方薬が有効である理由

1.水分代謝が向上するため

小水の出が改善し、結果、ダイエットに繋がります。

浮腫みなどの水分代謝の悪化で体重が増加している場合、ビャクジュツ、ソウジュツ、タクシャ、ブクリョウ、チョレイといった漢方薬の成分が有効です。これらが胃や腎臓の水分代謝を改善し、余分な浮腫みを小水などにしてくれます。場合によっては血流改善の漢方薬も併用することで効果が増します。

東洋医学的にはこの水分代謝の悪い状態を水滞、水毒といいます。湿度の高い日本ではこのタイプが多いです。また、水分の取りすぎ、甘いものが好きな方もこの水滞になりやすいのでご注意ください。

このタイプの方は、舌に白いコケが付きやすいのも特徴です。

2.便通が改善されるため

定期的な排便習慣がなく、数日間便通もなく、身体に老廃物をため込む体質の方が、定期的に排泄できるようになるとダイエットに繋がります。

ダイオウ、センナ、ドクダミ、ケツメイシ、マシニン、トウニンなどがあります。

直接腸を刺激する漢方薬の成分センナ、ダイオウは、痛みや依存の心配があるので漢方を初めて使う方は用いないか、若しくはごく少量から始めるのが良いです。

例えばセンナですが、市販のお茶でも強く効きますのでご注意ください。慢性の頑固な便秘には用います。

ダイオウも腸によく効くのですが、こちらは他の成分と一緒に使用されることが多く、あまり単味では用いません。

実際の現場では、腸を刺激する漢方薬よりも、交感神経をリラックスさせる漢方薬で排便を促すことがしばしばあります。

3.リラックス効果が過食を防ぐため

女性は生理の前の高温期に数日間ほどイライラしたり、憂鬱になったり、また頭痛やだるさ訴えることがあります。これをPMSとよびますが、この時期に過食をしてしますことが多くあります。PMSの症状が強く毎月悩まされている方は、女性ホルモンのバランスを是正してくれるタイプの漢方薬を用います。

トウキ、センキュウ、ヤクモソウ、コウカなどが含まれている漢方薬を用います。

4.解毒や代謝を改善するため

発汗作用のある成分、マオウ、ケイヒ、ケイガイ、ショウキョウなどは肌における代謝を促し、汗をかかせ、解毒を補助してくれます。汗を普段からかきにくい方、肌の健康も気になる方のダイエットにこれらの成分が用いられます。血行促進により湿疹や皮膚炎が悪化することがありますので、医師、薬剤師に相談しながら用いた方が良いです。

症状別 |オススメ漢方薬

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

脂肪過多、かつ便秘、舌のコケが黄色い方は、まずこちらを。

皮膚の健康、のぼせにもよい。舌のコケはやや黄色い。

 防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)

水太り体質。脚が浮腫む、色白な方に。ただ汗はよく出る方に用いる。

尿量が増える。

大柴胡湯(だいさいことう)

ストレスによる過食、過敏性傾向もしくは便秘に。

高血圧、イライラにもよい。舌のコケはやや黄色い。

加味逍遥散(かみしょうようさん)

生理前の過食とイライラが強い方、疲れやすい方に良い。

生理後は何かとすっきりしている方に用いる。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

便秘がひどく、生理時の精神不安定が強い方に。腸の刺激が強いので注意する。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

血流が気になる方に。

冷えとのぼせが混在し、色素沈着をし、子宮内膜症や子宮筋腫の疑いがある方に。

舌の裏の静脈が黒く太い。

購入できる場所

すべて保険適応の漢方薬ですので病院で出していただけます。

ドラッグストアでも購入できます。

 

これらの漢方薬の注意点

体質に薬が合わないと副作用が出ます。

ひどい暑がりの方に温める漢方薬を使うとのぼせ、ふらつきが出ることがあります。

東洋医学では、体質を細かく分類し、診たてます。

性別、体格、寒熱、精神状態、気血水による分類などから『基本体質』をとらえ、薬を診たてますので、

一度、漢方薬の専門クリニック、専門薬局にてプロに自身の体質を教えてもらい、アドバイスをもらうといいでしょう。

漢方薬の服用期間の目安

半年ほどの服用が一般的です。

(しかし体調不良が表れた場合、その薬の継続を悩むと思いますので、買った薬局の薬剤師、処方してくれた医師、製薬会社のお客様窓口に相談をしてください。まれに、病気が治る過程で症状が強くあらわれる事が漢方ではありますが、自己判断で『良い兆候だ』と判断すると、副作用を見過ごしてしまいます。)

漢方のダイエットで注意すること

アメリカでは、ある一種類の漢方薬成分を多量に服用し、死亡事故が起きました。その成分はアメリカで2004年から販売が禁止されています。日本では『医薬品』として流通している成分のため一般の方が乱用しにくいようになっていますが、当時のアメリカでは医薬品ではなく『健康食品』として扱われており、適切な服用量に規制がありませんでした。乱用されてしまった結果、そのような事故が起こり、アメリカの食品医薬品局(FDA)は販売を禁止しました。

(日本語 厚生労働省 http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c04/16.html NCCIH 英語 原文 https://nccih.nih.gov/health/ephedra )

日本の薬は、用法容量を守って生じた副作用には救済制度があります。http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/general04.html )病院の薬に限らず、ドラッグストアで買う薬においてもです。用法容量を守らない服用にはこの制度は適応できません。薬の効きが悪い場合、自身で過量に使用するという危険をおかすより、医療従事者に他の薬剤を紹介してもらうのが安心です。

 

 

 

監修: 二宮 麗

資格: 薬剤師

漢方薬・生薬認定薬剤師・漢方スタイリスト

講師歴:栄中日文化センター

女性のためのこころとからだフェス(主催:名古屋リビング新聞社)

アンジー編集部

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