恋愛

2014.11.12 UP

タクシーは幸福感がゼロ!? 本当に好きな人に会うならこれ!


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君の家のほうに 流れ星が落ちた

僕はハミガキやめて 電車に飛び乗る

今頃君は 流れ星くだいて

湯舟に浮かべて 僕を待ってる

【THE BOOM 『中央線』 詞:宮沢和史】

 

この連載『恋に効くコトバ』では前回、『恋は途中が楽しい』『つきあうまでの時間も楽しい』『結末ばかり追い求めていると、その「途中」が楽しめなくなる』みたいな話を書きました。

 

すると、読んで下さった人から、僕という非リア充の自己肯定だと思われたのか、「え、じゃあつきあっちゃったら、楽しくないの?」という、まあ至極真っ当な、でも、確実に恋が結実した目線からの質問を頂きましたので、その答えを書かせて頂きます。

 

「途中」こそが恋の醍醐味

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恋が結実しても、その中に『途中』は存在します。

その、最たるものが、好きな人に会いに行く時間です。

その“会いに行く”時間を美しく切り取っている詩の、極私的ベスト3が、冒頭に上げたTHE BOOMの『中央線』と、以下の2つです。

 

今日も一日暑いようです バイクのヘルメット

重荷になります

それでも僕は君に会いにはるばる行きます

ゴーゴーとぶっとばして行きます

環7車道4車線どんどん走れば

【19『ガソリン』 詞:岡平健治】

 

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よろこびをよろこびのまま よろこび抜けるように

今日はちょっと梅ヶ丘まで きみに会いに行く

【THEラブ人間『ちょっと梅ヶ丘まで』 詞:金田康平】

 

もちろん、会ってからも幸せな時間が待っているはずなのですが、この3曲に描写されているのは、会いに行くまでの高揚感。

これぞ、恋が結実した後もやってくる『途中』です。

 

●●に乗ったら恋は台無し!?

それは、相手が待っている時間さえも、流れ星を砕いて湯船に浮かべるような時間と想像できるような、幸せに溢れている“途中”なのです。

しかし、この“会いに行く途中”を台無しにするアイテムがあります。それが、タクシーです。

 

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まず、この3曲に描かれる風景にタクシーの香りは皆無です。

『中央線』で描かれるのはもちろん電車で会いに行く風景ですし、『ガソリン』もバイク、そして最後はもう勝手な想像ですが、小田急線の梅ヶ丘駅(世田谷区)に行くには、THEラブ人間の本拠地が下北沢であることから考えても、電車か自転車であり、少なくともタクシーではないハズなのです。

 

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そもそも、梅ヶ丘にはタクシーは合いません。

梅ヶ丘に限らず、この3曲は、中央線に環七と、東京でありながら、人が住んでいる生活感のある風景をバックに歌われていて、六本木や西麻布でブイブイ言わせてる奴や、丸の内OLに会いに行く歌ではないのもポイントです。

 

会う瞬間を最高に楽しむ方法

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なぜ、タクシーを使ってはいけないのか。

この“会いに行く途中”の高揚感を感じ、会えた瞬間を楽しむためには、汗をかかなければならないからです。

 

たとえば『チャリで好きな人に会いに行く途中に、後ろから車にクラクションを理不尽に鳴らされたけど、いつもと違って全然いらだたなかった瞬間』とか、『少しでも早く会いたくて、駅の階段を駆け上がって、電車に乗り込めると同時にドアが閉まった瞬間』とか。

 

そういう、“幸せな苦労”が、“途中”にはあるのです。

 

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苦労というのもおこがましいですね。

そりゃ、誰かに会いに行くって、冷静な言い方をすると、時間もお金もかかるわけで、負荷はかかっているワケです。でも、その負荷をまったくマイナスのものに感じない瞬間が、むしろ幸福に感じる瞬間が、やっぱり恋なのではないかと思うのです。

 

 「幸せな苦労」がある恋は長続きする?

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はたから見れば負荷に見えるものが、本人にとっては“幸せな苦労”に感じられる。むしろ、そう思える相手としか、長続きする恋はできないのではないでしょうか。

だから、逆に言えば、大好きな人と会えるのにラクしようなんて、考えがズルい。それは楽しみだけ味わおうとする、相手にも誠実ではない行為。

だからこそ、タクシーという大人の横入りカードを使って、ラクに会ってはいけないのです。

 

19の『ガソリン』は、特にその苦労度合いが顕著で、曲は以下のように終わります。

 

交通費もままならない さいふの中もカラッポで

君んちまで 片道360円 そのお金が重なってどんどんどんど

重なって僕は今にも泣き出しそうです

だから今僕はバイクに乗ってます

だから今僕は「たま子」に乗ってます

コードを鳴らして歌うよ 君のためにFGC

 

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泣き出しそうな大変な中でも、バイクに名前をつけるくらいのユーモアは持ちながら、君に会いに行く。

あげられるものはお金のかからないものだけど、君のための曲を届ける。

 

お陰様で10回目を迎えたこの連載。今後も、まだ見ぬみなさんの“君”のために、ユーモアを交えながら、僕もコトバを連ねていきたいと思います。

 

Photo by Pinterest

霜田明寛

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