恋愛

2014.10.19 UP

KinKi Kidsと私立恵比寿中学から考える恋愛の楽しさ


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「霜田さんは、愛されるより愛したい人ですからね」

僕の(こちらとは別の)連載の担当者で、プライベートでもよく行動をともにしている編集者のB氏が言った。

最初は、僕がKinKi Kids信者であることにひっかけただけの発言かと思ったが、どうやらそうではないらしく。その真意は「好きな人とつきあえた後よりも、つきあえるかどうかわからない期間の方が幸せに見える」ということだった。

 

確かにワケもわからず「あーいされるよっりっも あーいしたい マッジッでぇー」と歌っていた中高生の頃と比べると、“愛されたい”思春期から、年齢とともに“愛したい”側にシフトしてきていて、「早くこの想いを結実させようみたいな焦りはなくなってきた。

それを「余裕」と呼んでいいのかどうかわからないが、なんだか、「その、つきあうまでの時間も楽しいのではないか」という気をもてるようになってきた。マジで。

 

ところで、この夏、TBSが日曜劇場で面白い試みをやっていた。『おやじの背中』というタイトルつけられたそのドラマは、毎回違う脚本家が脚本を担当する。その、山田太一の担当回の中でこんな会話があった。

東出昌大が演じる息子は、会社をやめてコンビニでアルバイトをしている日々。そんな中、余貴美子演じる母親に「コンビニは?」と何気なく聞かれ、あの落ち着いたいい声でこう答える。

途中だよ

その、曖昧とも言える返答に母親はこう尋ねる。「途中って?」

「人生に途中があったっていいでしょ」

まだまだ理解できない母親は、息子に会社を辞めた理由を問い詰める。「嫌われたんだ。ある奴というか、奴らというか」と濁しながらも、なんとなく辞めた理由が明るみになってきたところで、息子はこう言う。

「辞めて自分を取り戻せたんだ。周りの顔色を見ないで、自分の判断で口を聞けたんだ。それがどんなにいい気持ちか、わかったんだ」

その息子の言葉を聞いて、ついに母親は優しく笑ってこう言う。「途中なら、それもいっか

 

ちなみに、僕は『おやじの背中』の中で2回だけ号泣しているのだが、その1回はここだ。

人生には途中がある

僕が専門分野としている就職活動なんて、その最たるもので、就職するという結末までの「途中」だ。そして、結末に見えたその就職でさえも、実は人生の「途中」だ。

結末ばかり追い求めていると、その「途中」が楽しめなくなる。

 

確かにいいことばかりではないけれど、この母親の優しい反応のように「途中だから」許されることも、楽しめることもあるのではないか。いや、むしろ、途中を楽しめるようにしないと、人生はただただ闇雲に結末に向かって走るだけになって、苦しくなってしまう。

もし、よく言うように人生がマラソンなのだとしても、ただ早く着くことを目標にするだけじゃなくて、沿道の景色や応援する人の顔を楽しめる人でありたい。

 

そう思うと、B氏の言うように、なんだか、つきあえてるわけじゃないけど、誰かを追い求めている僕のような「愛されるより愛しタイプ」の人間が幸せそうに見える感じもわかる気がしてきた……。

がっ、がっ! いやいや、今、いいふうに終わらせようとしてしまったが、なんか違うぞ! 確かに幸せそうに見えるかもしれないが、別に完全に満たされてるわけじゃないぞ! 何が、何が足りないんだ!?

そんな中、ももいろクローバーZを擁するスターダストのアイドルグループ・私立恵比寿中学のこんな歌詞が僕の脳裏によぎる。


頑張ってる途中 頑張ってる途中
頑張ってるとチュウしたくなるよ

【頑張ってる途中/私立恵比寿中学  作詞・作曲:池田貴史(レキシ)】

 

そう、そうなのだ。純粋に一方的に片思いしてるだけの恋愛関係においては、「途中」ではチュウができない。一応。結末にいけば、チュウができるけど……。

うーんでも、結末までいかなくても、途中でもチューはしたい! そろそろ30歳だから、途中でもチュウくらい許して!

でも、チュウしたらそれは結末!? じゃあ、チュウする5秒前くらいが、「途中」の中での最高峰だから一番幸せなの?

それ、広末涼子じゃん! 愛されるより愛したいMajiで!

 

Photo by Pinterest

霜田明寛

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