恋愛

2014.02.26 UP

高級ディナーはむしろ邪魔!? コーヒー1杯に抑えろ!


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食べないと……時間来ちゃうな」(ふぞろいの林檎たち 第4話 より)

バブル期に猛威をふるった(らしい)『東京いい店ヤレる店』が復刊、その他にもデートのためのお店を紹介する本や番組が、2014年にもなって、まだまだ溢れています。

が、この本のタイトルにもあらわれているように「いい店に連れていって相手をおとす」のは、あくまで男側目線の話。断言しますが、女子にとって、本当の恋をするためには、これらのいいお店や、おいしい料理はむしろ邪魔です。

 

今回のコトバは、名作ドラマ『ふぞろいの林檎たち』で、恋の序盤、時任三郎演じる岩田が、手塚理美演じる陽子にいう言葉です。街なかのよくある喫茶店で食事をしているときのヒトコマ。

周りの目を気にして一流の会社に行くよりは、自分は小さい会社でもやりたい仕事がしたい、という価値観の岩田に陽子は共鳴。「私もそうだわ」と岩田の考え方の部分から、どんどん好きになっていく陽子。熱弁を振るう岩田に、陽子は心を奪われ、その間、テーブルの上にあるピラフをほとんど食べずに、時が過ぎていきます。昼休みという限られた時間に会っていため、岩田が気遣って言うのが冒頭のセリフです。

 

人間には五感があるといいますが、恋愛の感覚だけは、この五感に含まれない、第六感、恋の触覚=恋愛触覚がはたらいている、と勝手に定義しています。本当に恋におちている瞬間というのは、おうおうにして食欲がありません。これは、恋愛触覚だけ敏感になっているがゆえ、そこに神経が集中して、味覚がマヒ気味になっているのです。

 

恋愛触覚が敏感になっているのは、恋の感情を楽しむための最大のチャンス。恋愛初期にしか味わえない感覚を味わう好機です。

恋を楽しむ、とはまさにこのこと。だから、そのためには、他の感覚を刺激してしまうようなおいしい料理や、キレイな夜景なんて、むしろ邪魔。恋愛触覚を邪魔しない程度に、コーヒー1杯くらいあれば充分なのです。

 

逆に言えば、コーヒー1杯だけでも、一緒にいて楽しいと感じる相手は、恋愛相手として本物。きっと、長く続く相手になるはずです。俵万智さんの短歌にもこんなものが。

君と食む三百円のあなごずし そのおいしさを恋とこそ知れ

 

その食事にかかっている値段の額幸福度は、決して比例しないものなんですね。むしろ三百円のあなごずしでもをおいしいと感じられる、この感覚こそ本当の恋なのです。

 

また、本当の恋をしたいなら、お酒なんかに頼るのはもってのほか。唯一、敏感にしておくべき、恋愛触覚までマヒしてしまいます。イイお店でイイお酒やイイ夜景を見ながら一緒にいて、好きになってしまうように感じるのは、錯覚です。

それは、相手のことが好きなのではなく、“そういうお店に連れてきてもらっている自分”が好きなだけ。お酒に酔って、雰囲気に酔って、自分に酔う。それで、相手に酔っていると勘違いしてしまうだけなのです。

 

仮にチェーンのコーヒー店でも、学食でも社食でも、いや、むしろそういう場所のほうが、長続きする本当の恋は生まれやすいのです。

それでも、高級店に行きたいときは、“つきあいで行かなきゃいけないんだけど、食事くらい美味しくないと一緒にいるその時間に何の価値も見いだせないような、羽振りの良さしかいいところのないようなオッサン”にでも連れて行ってもらいましょう。

 

さて、最後にもうひとつ。

女子が男子をおとすには、「安い店でもいいから一緒にいたい」サインを出すことは、「とにかくあなたと一緒にいたい」感を出せるのでよいアピールになります。

ある年のクリスマスの夜・22時過ぎ頃。僕がひとりで恵比寿を歩いていると、偶然、知り合いのアラサー女性に会いました。ちょっと盛り上がり、どこかで飲みましょうか的な流れに。

ただ、僕の中では、「明日早いしな」と「突然とはいえ、クリスマスに恵比寿だし、いい店探さなきゃかな」という2種類の消極的な気持ちが出現し始めたのも事実。が、その若干めんどくさげな雰囲気を察したのか、彼女は、目の前にある雑居ビルの居酒屋を指さしてこう言ったのです。

そこの東方見聞録でいいから、一緒に飲みたいです

 

はい、今日の恋に効くコトバ、2つ目! これには心揺さぶられましたよね。つまり、これは言い換えると、東方見聞録というマイナス(見聞録のみなさんごめんなさい。あくまで一般女子の一般的なクリスマスデートという基準にてらしてのマイナスです。マルコ・ポーロまで遡って土下座します)を補ってまで、あなたといることには価値がある、と言われているような気がして、舞い上がりましたよね。

まあ、後日、その人には夫がいたことが判明するんですけどね。あぶねー。あぶねー。そんな簡単に、金(キン)は掴めないものですね。マルコ・ポーロの時代から。

 

Photo by Pinterest

霜田明寛

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