2013.12.22 UP
「アラサー女性35歳。謙虚に生きる女性は美しい」【第2回】タトゥーを除去
「かんし」と打つと「冠詞」と変換されました。お金にもならない「言葉の世界のお話」を優雅にしたいところですが、今回のサブテーマは「監視」。
現在35歳の女性は、両親に「いい学校を卒業して、いい大学に行きなさい」と言われて大きくなった人も多いと思います。もっとも山一證券や日本長期信用銀行が2000年を前に破綻したので、高校を卒業する頃から「大手に就職するより、資格を取りなさい」と言われてきた女性もいるかもしれません。
20歳くらいまでは、親が子どもを監視していました。それなりの生活レベルのおうちであれば、いい学校に行かせ、いい成績をおさめることを両親が監視する。
親に隠れて学校の帰りにセックスをしていたら「この不良娘」と言って、親が子を監視する。
35歳の今、誰が誰を監視しあっているのか?
たとえば、縁のない人は縁がないので知らないかもしれませんが、いまタトゥーの除去手術がはやっていると言われています。
20歳くらいに入れたタトゥーを消してから結婚したいなどの理由で、はやっているそうです。
今の時代は、ネット上に「タトゥーを除去したいんだけど、どこのクリニックがいいですか?」などと気軽に書き込めます。
この書き込みに対するコメントに「除去するなら最初から刺青など入れるなよ」という書き込みが多く、こういう書き込みをしているのは、親の世代かと思いきや、そうではなく、おなじような年齢の人なんだそうです。
簡単に言えば、子が子を監視しているのです。いわゆるネット社会でしか暮らせない、特殊な方々が書き込んだだけだろという見方もあると思いますが、子が子を監視している。
監視されている側は「出る杭」となれば、生きづらいと感じるようで、それ以上の反論もなく、おそらく「若気の至りでやっちゃったことの代償って大きいのね」と、後悔の気持ちを人知れず抱え込んでいる。
狭小化されたロクでもないこの世界。
でも、世界って、誰か他人が勝手につくっているのではなく、これを読んでいるあなたも、書いているぼくも、世界をつくっている構成員のひとりなんですよね。
他人の監視にビクつきながら生きるくらいなら、介護という名のもとに親を監視(?)したほうがよっぽど楽しい(?)かもしれない。
2013年の狭小なロクでもない世界とは、他人のことをほうっておけない、幼稚な世界のこと。過保護に育った者が、過干渉しあい、社会のロクでもなさにさらに拍車がかかる。
そんなところから「降りて」しまうと、案外、心穏やかな生活が待っているのかもしれない。人生は長いので、降りたり乗ったりしながら、どうにかなるだろうねと思いながら、のんびりいったほうがいいのかもしれないですよね。
美魔女コンテストで優勝しても、その先の人生は長い。年金がもらえるようになるまで、あと何年あるか数えてみるといいと思う。
photo by seanmcgrath

ひとみしょう
(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)