ハピネス

2014.06.11 UP

「女性の視点で」八方美人さんは実は「エラそうなヤツ」!?


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先日、阿川佐和子さんがラジオ番組のなかで「阿川さん、女性の視点で取材をお願いします」と言われることに違和感を覚えると言っていました。

こういうWebサイトでも、メーカーの商品開発でもどこでも「女性の視点」というのは、もはや外せないかんじになっていて、女性はさぞや仕事がしやすいのだろうとぼくは思っていましたが、それに「待った」をかけたのが阿川さんでした。

 

私は女性を代表しているわけではない」というたぶんに謙虚さを含んだお答えが阿川さんのご主張で、「阿川の視点で取材してほしいと言われるならまだしも……」と続きます。

 

男って「男性の視点で取材してください」とは、ほとんど言われません。ほとんどというか、まったくないと言ったほうが正解にちかいくらい、言われません。

 

女性の視点で……阿川さんの視点で……。

このへんの問題になってくると、男女差などを遥か超えて、発注者が仕事を受けるひとをどこまで信頼しているのか? という問題も含まれてきます。たとえばぼくに記事を書いてほしいと依頼するひとが、ぼくのことを信頼してくださっていれば「ひとみさんの視点で書いてください」となり、さほど信頼されていないと「一般的なことを説得力をもって書いてください」というふうになります。

 

テレビのタレントさんで、独自のコメントを局から求められているひとも、出演するたびに独自の視点でコメントしないといけないので大変なようですが、「一般的なこと」を「説得力あるふうに書く」というのも大変です。とくにWebには「コンテンツSEO」と言われるように、「一般的なこと」を「説得力あるふうに書いてある」記事が溢れているわけで……。

 

なにを書くのか? とか、どう書くのか? あるいは誰を取材するのか? を決める過程のなかですでに「個人の主張」が出ます。いわゆる「編集権」というものは「個」の主張と切り離せないものです。「女性の視点で」とか「一般化して」とか、そういう「ぶわっとした」仕事が増えると、世の中がつまらなくなるだろうなあと思います。

 

今日もアンジーをお読みくださり、ありがとうございます。

「顔無し」的に暮らすと、角が立たないので暮らしやすいのかもしれませんが、取材するとか、ものを書くというのは、極めて個人的な営みであるので、「顔あり」になっちゃうんですよねえ。

 

Photo by Pinterest

ひとみ しょう

ひとみしょう

(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)

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