ライフスタイル

2014.05.09 UP

「自社の商品の良さ」で悩む、声なき声の行方について


DCIM104GOPRO

相変わらずWebに掲載するコラムをたくさん書いていますが、最近「どんなふうに書くと、ヒットする記事になるのですか?」と、ひとに尋ねられるようになって非常に困っています。

ひとにものを教えられるほど、ぼくは立派な人間ではないので……と、答えるのを辞退することもありますが、わりと親しい編集者から答えを求められると、そんなふうに辞退すると角が立つので、なにかもっともらしいことを答えるようにしています。

 

「声なき声」に言葉を与えるといいというのが答えです。

たとえば広告記事を書く場合、クライアントは「自社の商品の良さ」を記事に書いてほしいと思っています。で、それは当然書きますが、それだけを書いたのでは、あまり読まれない。

 

このサプリメントを飲むと痩せるでしょうとか、このサービスに登録すると、年間でいくら得をしますとか、そういう宣伝文章はあまり読まれない。

そうではなくて、「商品が言いたそうにしているんだけど、言葉になっていないコト」にスポットを当てて、そこを文章にすると、わりと読まれる記事になる。

 

そのへんのことを多くのWeb編集者たちは「いい切り口がほしい」とか「ヒットする切り口を、ひとみさんお願いね!」とか、「切り口」と呼んでいます。

 

先日、お葬式に行ったときに、故人の遺影を見ながら「このひとは、なにを言いたかったのかな」と、ふと思いました。言いたくても言えなかったことを抱えたまま、ひとはあの世に旅立ちます。

 

旅立つ前にアジのなめろうを食べたかったとか、介護施設で一緒だったあのばあさんのことが好きだったとか、そういう「わりと日常的なこと」から「戦友の**君にひと言よろしくと伝えてほしい」という非日常的なことまで、さまざまなことを胸に抱えて、ひとは遠く旅に出ます。

 

ぼくたち生きているひとが、声なき声にもっと敏感であれば、世の中はもう少しハッピーで満ちるのかもしれません。

 

Photo by Pinterest

ひとみ しょう

ひとみしょう

(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)

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