ライフスタイル

2013.08.26 UP

【第4回】幸せになりなさい。~うまく言葉にできないこと~


Urlaub auf der Insel Kreta, Griechenland 14. Juli bis 3. August 2007

人によって、どういう状況に置かれていることを幸せと思うか、さまざまだ。子どもの頃からずっと地方で暮らしていて、東京にさほどあこがれを抱いていない人は、西麻布の瀟洒なワンルームマンションに住んでいる女性のことを「あんなに人と車が多く、空気が悪い街で、ワンルームなんて狭いところに住んで、高い家賃を支払うなんて、とてもかわいそう。うちの家は和室が5部屋も余っているのに」と思っているかもしれない。

というか、現にそういうご意見を聞いたことがある。(人の価値観は48色の色鉛筆よりも多様だ)。

 

今回はたくさんある幸せの定義の1つ、「うまく言葉にできないこと」をたくさん持っている人のほうが幸せなんじゃないのか? ということをお話したいと思います。

 

うまく言葉にできないことにも、いろんな種類がある。

 

たとえば、別れた彼氏のことが、今でも好きだけど、でも再び付き合いたくはなく、「うまく言えないけど」素敵な思い出だったという場合の「うまく言葉にできない」。

 

あるいは「うまく言葉にできないけど」なんかあの人にはすごく感謝しているし、生涯感謝するだろうなという「うまく言葉にできない」。

 

あるいは「うまく言葉にできない」けれど、魚の煮付けって、このタイミングで砂糖と醤油とネギをこうやって「うにゃうにゃっと」入れたら美味しくできるんだよね……というような、本には掲載されていないじぶんだけの情報としての「うまく言葉にできない」。

 

ざっと、この3つの「うまく言葉にできない」ことをたくさん胸に抱えている人は、幸せなんだろうなと思います。

 

うまく言葉にできない理由は、おそらく「想いが先行している」からでしょう。人は初めに想いがあって、その想いを他者に伝えるために言葉というツールを使う。毎日やっているしゃべる、メールを送るという作業の背景には想い→変換→言葉という流れがある。

 

でも想いがあまりにも大きすぎた場合、心のなかで言葉に変換する装置がうまく作動せず、よって「うまく言葉にできない」。

 

たとえばプロの作詞家は、巨大な言葉変換装置を心のなかに持っているから、たいていどんな想いでも、他者と共有できる言葉に変換しちゃう。

 

言葉よりも想いを大事にしなさい。そして、うまく言葉にできないことをたくさん胸に抱えて、幸せになりなさい。

 

 

画像Wolfgang Staudt

ひとみ しょう

ひとみしょう

(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)

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