ハピネス

2014.01.03 UP

親の目をまっすぐ見れない娘たち


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ここのところずっと(ありがたいことに)ライターさんからの応募があって、いろんな人の履歴書や職務経歴書を見ていました。プロだから採用して素人だから採用しないということはないので、履歴書も職務経歴書もちらっとしか目を通しておらず(書いた記事がすべてだから)、どなたがどんなご経歴の持ち主か覚えていないのですが、「帰ってくること」って大事だなあと思いました。

 

人によっては、わりと波乱万丈な人生を送っています。ご経歴をさらっと見るだけで「こりゃあ、親御さんは相当に娘のことを心配しただろうな」と、容易に察することができるような人もいます。

 

個人的な思いを言わせていただくなら、20代のうちはむちゃくちゃなことをしてもいいと思っています。むちゃくちゃなことをしようと思ってそうしているわけではなく、おそらく「そうするしかなかった」。で、結果として、履歴書を書いたらむちゃくちゃな20代であったように見えるということだろうと思いますが、まあむちゃくちゃなことをやっても全然いいと思います。

ありきたりな言い方ですが、そうしないとわからない人の気持ちの痛みや喜びがたしかにこの世には存在するから。わりと決まりきったレールの上を歩くだけでは感じることのできないこころの機微があるから。

 

で、問題は、むちゃくちゃなことをして「帰ってくること」。もといた場所にただいま」と帰ってくることだと思います。

 

この寒空の下、公園に青いブルーシートを張って寝泊まりしているおじちゃんがいます。先日、公園に行ったら、いました。夏だけそこにいるのかと思いきや、真冬の今もいました。

おじちゃんの隣には、よく太った柴犬のような老犬が長いロープでつながれていて、老犬はおじちゃんのことが好きなのか、じっとおじちゃんの太ももにもたれかかるようにして座っていました。

 

おじちゃんにもきっと愛する人がいると思います。もしかしたら愛さないと「いけない」人がいるのかもしれない。でも、なにかの事情があって、そこに「ただいま」と言って帰れないんだと思います。

 

もっとも、旅をしない人にとっては、なにが「ただいま」なのか、チンプンカンプンかもしれませんが、むちゃくちゃなことをして「ただいま」と帰ってくる人と、それをなにもなかったかのように受け入れる人がいて、はじめてひとつのステキな人格が生まれるのではないかと、人様の履歴書を見るともなしに見ながら思いました。

 

「ただいま」って言ったら、「おかえり」も言わないで「手を洗ってらっしゃい。はやくしないとスープが冷めるからね」なんて言われた日にはちょっと泣けてきますよね。

ひとみ しょう

ひとみしょう

(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)

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