ハピネス

2014.06.18 UP

「海外の街並みは美しい」理由のひとつをルポでご紹介!


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先日初めてであった女性に建築が好きだと話したところ、数日後に彼女が働いている建築家のアトリエに招待していただくことになりました。日本でもプロジェクトの実績があるとても有名な建築家のアトリエなので、今回ぜひご紹介しようと思います。

 

わたしは建築に関して特に深い造詣があるというわけでもなく、20歳の頃にスペインの大学の講義で建築の歴史をちょっぴりかじったくらいでなのですが、その授業は大のお気に入りでそれ以来建物を見歩くようになりました。

何がそんなに良かったかというと、文化背景も分からないような異国の建築物をスライドを通して勉強するのではなく、その街にあるローカルな建築物まで足を運んでそこで先生が説明してくださったことでした。

 

ザラザラした壁の触感や、建物内にこもる独特のニオイ、泣き叫ぶ子供の声の広がりから伝わる音響の良さなど、さまざまな感覚を通して建築物を体感できたことを、とても贅沢な経験だと感じました。

 

建築の醍醐味はその建築を目の前にしたときやその中に身を置いたときにどう感じるか、という限りなく個人的な体験ではないかと思います。

また、誰でも手軽に情報にアクセスできる時代においては、個人的な体験や自分の感性を開発することに意味があるのではないかと感じています。

 

今回は、バルセロナ出身の現代建築家、Ricardo Bofill(リカルド・ボフィル)氏の建築事務所、Ricardo Bofill Taller de Arquitectura(リカルド・ボフィル建築アトリエ)と、彼の建築事務所が担当した建築物をご紹介します。

日本で実際に見ることができる彼の建築物も後ほど紹介しますので、建築に少しでも興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

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Ricardo Bofill Taller de Arquitectura(リカルド・ボフィル建築アトリエ)のチームは今から50年以上昔の1963年に結成されました。

アトリエで働くスタッフチームは1963年の当時からユニークで、まず20カ国以上の国籍を持つ人たちの集まりであること、そして職業も建築家のみならず、都市計画立案者、グラフィックデザイナーから工業デザイナーまで様々です。

異なるバックグラウンドを持ったプロフェッショナルが集まれば斬新なアイデアも産まれやすそうだと感じます。

 

このチームが現在働いているアトリエが、1975年に完成したこちらの建物です。

緑に覆われた現在の建物からは少し想像がつかないかもしれませんが、もともとここは完全に廃墟化していたセメント工場でした。

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Walden 7という集合住宅プロジェクト(上の赤いの建築物)を終えたとき、その支払いを現金ではなくちょうど隣にあったこのセメント工場を譲り受けるという条件にしたそうです。

1975年に工場の半分程をボフィル氏が建築アトリエ兼彼の住まいとして改築して今に至ります。

 

スペインは1975年までフランコ政権という独裁政権下にありました。ボフィル氏も以前は共産主義者であったため投獄されたこともあるそうです。

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丸みを帯びた塔が連立していますが、ここにはもともとセメントが入っていました。

改築後はまるでもともとひとつのビルであったかのように、内側はフロアごとにつながっています。

 

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建物の中にはオープンスペースがあり、螺旋階段になっていました。

雨が降っても降水量が少ないため、階段が使いにくくなることもないとのこと。日本の梅雨や台風にはきっと耐えられないだろうと思います。建築はその土地ごとの気候を感じさせてくれます。

 

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こちらは米国のダラスの都市計画です。どこをデザインしたかというと緑色の緑地部分です。

車社会のアメリカでは道路はなくてはならないもの。しかし、道路が増えると住み心地は悪化してしまいます。

騒音や排気ガスからこの地域を守り住みやすくするために右上の住宅街と川沿いの建物の間の緑地地区をデザインしたそうです。

 

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こちらがオフィス内の様子です。建築事務所は図面を広げるスペースを確保しないといけないので、机もとても大きいです。

 

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こちらは応接間です。ミーティングなどに使用するようなのですが、間と呼ぶのが相応しいのか、とても広いスペースです。

セメント工場の名残がはっきり分かり、そこがまた素敵です

 

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窓の外の竹林はボフィル氏が日本で建築プロジェクトを行った時に影響を受けて植えたそうです。また、彼の自宅には日本を訪れたあとサウナ室も作られたそうです。

 

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ずしりとした作りの建物からシダ系植物が垂れ下がる感じが宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』を彷彿とさせます。

 

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さて、ここで質問です。

日本にあるこちらの建物、何だか分かりますか?

東京の銀座にある赤いビルといえば……?

 

正解は、資生堂パーラーです。

銀座に行くことがあれば、ぜひ中にも入ってみてください。あまり知られていないと思いますが、このデザイン、実はスペインで練られていたのです!

ボフィル氏の作品は赤が多用されていると感じますが、資生堂パーラーもしかりです。

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少し見にくいですが、第二問です。神奈川県にあるこちらの建物は何だか分かりますか?

 

正解は川崎ラゾーナです。

ラゾーナ(La Zona)のZonaはスペイン語読みでは「ソナ」で、地域という意味です。

この他にも、日本でボフェル氏のアトリエが手がけた建築物は渋谷のユナイテッド・アローズのフラグショップなどがあります。

 

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こちらはバルセロナの海岸沿いにあるランドマーク的な「Wホテル」(五つ星)です。

曲線と、ホテルの窓に反射する空や海の青がとても素敵な建物です。一度でいいからこんなホテルに泊まって朝日を眺めてみたいものだと、遠目に羨ましく眺めています。ちなみにこの建物も内部は真っ赤だそうです。

 

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ボルフィル氏の建築事務所はWホテル以外にもバルセロナの空港のターミナル1とターミナル2のデザインも担当しました。

彼の事務所がデザインする建物は時間が経っても劣化を感じさせないそうです。単に耐朽性が高いだけでなく、綺麗に長持ちすることは建築の重要なポイントだと感じます。

 

バルセロナの空港に降り立つ機会があれば、あわせて建物もご覧ください!

オフィシャルページはこちら

 

Photo by 筆者

Takako

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