ライフスタイル

2013.10.04 UP

メルヘンの森に住むお姫さまたちの憂鬱 ~壊れていく自分と一筋のあかり~


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あなたは迷っていませんか?

インターネットを見ていると、「彼女がメンヘラだ」「親友がメンヘラなのかもしれない」などといった相談を目にすることがあります。それも、わりと頻繁に。メンヘラとは2ちゃんねるの「メンタルヘルス板(心の健康を扱っている掲示板)」に由来してできたネットスラングで、「心に病気を抱えた人」といったようなニュアンスを持つ言葉です。

極度の恋愛依存や、束縛行為、自傷行為など、周りから見て奇異に見える行動をする人がいると、すぐにこの言葉を出して、からかいたがる人がいます。ちなみに、この「メンヘラ」という言葉は、ここではこれ以降は使いません。私も好きな言葉ではありませんので。

 

誰もが抱える心の闇とは?

で、いったいどう表現しようか迷ったのですが……ここで以前、私はとある男性からこう言われたのを思い出したのです。「ルリちゃんって、メルヘンの住人なの?」と。彼の言いたいことはすぐに分かりました。メンヘラ、メンヘル、メルヘン。なかなか上手い表現だと思ったので、ここで使わせてもらうことにします。

女性に多いこの手の症状。精神病患者ではないことが多いから、迂闊に口にすると「本当に病気で悩んでいる人に失礼だ!」などと言われてしまいます。最近でもある芸能人がツイッターでその言葉を出したことで、波紋を呼んでいましたね。

けれど、病名がつかないからといって、彼女たちが「病名がつく人に比べて深刻ではない」とか、「本当に苦しんでいるわけではない」と決め付けるのは、私は少し違うのではないかなあと思うのです。

たとえ病名がつかなかったとしても、彼女たちは確かに、心に闇を抱えているのです。そしてその闇と葛藤している。もがき、あがき、苦しんでいる。

 

メルヘンの森に住むお姫さまの憂鬱とは?

なぜ彼女たちは苦しいのでしょうか?実はその答えはただひとつ。「決して手に入れられないものを手に入れようとしているから」なのです。まさに彼女たちは、メルヘン―虚構―の世界で迷ってしまったお姫さまたちなのです。

「メルヘンの国の住人」などと呼ばれてしまった経験があることからお察しのとおり、私にも同じように心に闇があるのだと思います。だから、世の中に仮にそう呼ばれる人がいるとするなら、私も紛れもなくそのひとりに加えられるでしょう。

確かに私は痩せてもいないし、手首を切った経験もないし、いくら出ないからといって1時間に100回もの電話は鳴らさない。暗い音楽も暗い色も好きじゃないし、黒髪ロングで、前髪を切り揃ているわけではない。(これらはインターネット上において、“彼女たち”の特徴として挙げられていたのだ。行動面はともかく、容姿の特徴は偏見なのではないかと思うのだが)。

 

一筋の灯りを探して

どちらかといえば私は太っているほうだし、自分のことを傷つけるくらいなら、人を傷つけるタイプの人間だし(最低だけど)、電話はこっちから適当に何度かコールして折り返しを待つタイプ。テンションの高い音楽ばかり聴くし、メイクも服装も派手なものを好む。ここ10年近く、就職活動のときを除いて黒髪にしたこともない。

でも彼女たちをよく見てみるると、闇を抱えたときに起こす言動が違うだけで、考えていることや目的は彼女たちとまったく同じであることに、あるときふと気付いたのです。私もそのひとり。ですからここでは、私自身もメルヘンの世界の住人であることを認め、そこから一歩踏み込んで、わたしと彼女たち―つまり「私たち」―に眠る心の闇と向き合っていこうと思うのです。

願わくは、私たちの心の闇に、一筋でいい、光が射し込むように。そう願って止まないのです。次項に続きます。

 

Photo By Ironmountain01

メルヘン 可憐子

メルヘン可憐子

(コラムニスト/エッセイスト)

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