ハピネス

2014.05.05 UP

【元Apple製作者に聞く 9】アイデンティティーとは何だろう?


12404955944_e018b0f4c1

前回のインタビューでは、海外の健康保険事情をお伝えしつつ、日本においても転職や退職、起業の際に考えておいたほうがいいことについてお話をしました。

今回は、世界中どこではたらくとしても、絶対に避けて通れない「どこに住むか」というテーマでビアンカさんにお話をしていただきます。

 

独創的なブランケットの作者であるビアンカさん(デザイナー・テクノロジスト)は、「はたらくこと」と「じぶんがじぶんであること」と「住む場所」をどんなふうに考えていらっしゃるのでしょうか。

さっそく見ていきましょう。

 

ヨーロッパにずっと住み続けたい

ビアンカさん(以下B): 私の個人的な意見ですが、何が起こったとしても、ヨーロッパに住みたいです。永遠に!(笑)

アメリカには長い間いたので、理解していると思いますし、南米には住みたくはありません。家族とは近くにいたいとは思いますが。

 

聞き手Takako (以下T): そうですね、ブラジルに家族がいますものね。

 

B: はい、私の家族はほぼ全員ブラジルにいます。父母と親戚が少しイタリアにいますけれど。

それでも南米には住みたくないです。とても複雑すぎるので。基本的なインフラや社会的な仕組みに山積みの問題がありますし。アフリカも……。アジアは正直まだよく分かっていません。

 

T: ぜひアジアに旅行してくださいね。

 

B: はい。とくに中国には一度も行ったことがないので、とても行ってみたいです。

あと、本当にやってみたいことは3ヵ月くらい日本で働くことです。すごく素敵だろうと思うのです!

 

T: 大歓迎です。

 

旅がアイデンティティー

T: 住む場所はとても大事なのですね。

 

B: はい、私は小さい頃から両親に「3つのパスポートを持っているのだから好きな所に住みなさい」と言われて育ちました。

どこだとしても自分が幸せだと感じることができる場所に住むようにと。クリエイティブになれたり、自分が貢献できると感じたり、分かりませんがそんな場所です。

 

そして、「」が私のアイデンティティーです。さまざまなプロジェクトのために自己紹介文を書いているのですが、いつも一番初めに書く文がこれです。

旅がわたし。

 

T: 旅があなた?

 

B: (笑)

 

T: 止まらない感じですね。

 

B: 止まります(笑)。でも住む場所が大事ということなのです。

 

T: ということはある場所に住んでいて、でもたまに旅行したくなってうずうずしてくると、そういうことですか?

わたしは現実から自分を切って、どこかにふらっと出かけたいと思うことはよくあります。インスピレーションもほしくなりますし、別の世界を見てみたかったり。

 

B: 同感です。私にも、確かにそういった部分があると思います。

 

加えて、さまざまな異なる場所に住んでみたいという思いもあります。

なぜかは分かりませんが、私は自分の人生を通して、5年以上同じアパートに住んだことがありません。さらに一戸建ての家にも住んだことがないのです。

 

T: 一か所に住み続けることに慣れていないということ?

 

B: 一か所に住みたいとは思っています。でも、大学時代には6ヶ月ごとに住む場所を変えていました

 

T: あら(笑)

 

B: クレイジーですよ。

はじめに住んだ所でとってもアンハッピー(不幸せ)だったので、場所を変えれば幸せになれると思ったのです。でも違った。1回目はそうだったのですが、2回目以降は違いました。

 

それで、サンフランシスコでインターンシップを始めたとき、物件のリース契約書にサインしました。小さな部屋だったのですが、とても嬉しかったです。はじめての、自分がホームだと感じられる場所でした。

 

両親に私の電子ピアノを送ってもらって、自分の本も持ってきました。これはとても重要でした。

 

大学で勉強していたときには、勉強に必要な本やその時読んでいた本以外は自分が住んでいる家にありませんでした。昔の本は全て両親の家に残してきていて。

とても重かったのでこれらのものを移動するのは大変でしたが、やっと自分の家が本当の意味で家になりました。だから、本当に自分の家に住んでいると感じられたのは、本当にここ3年程度ですよ。

 

今回のインタビューは、いかがでしたか?

わたしは、幸せになるための「6ヶ月ごとのお引っ越し」に驚きました。

自分からこれだけ進んで引っ越しを頻繁にするって、身軽でないと大変な作業だと思います。

 

先日、1年間で6回も引っ越したという方に出会いました。彼女の場合は望んだ引っ越しではなかったようですが。

わたしの周りだけかもしれませんが、欧米では、頻繁に引っ越しが行われているように思います。

 

ポール・グレアムさんが『もの』(原題:Stuff)というエッセイでも言及していますが 、モノをあまり持たないこと、身軽でいることは良いことなのかなと思います(日本語訳はこちら)。

自分の居心地の良い空間を作りつつも、最低限のモノで抑えたい。そんな風に思いました。

次回は、幸せになるための生き方についてお話いただきます。

どうぞお楽しみに!

 

(写真:Biancaさん提供、バンドのメンバーと)

 

【取材協力】

Bianca Cheng Costanzo(ビアンカ・チェン・コスタンゾ)

ブラジル生まれのデザイナー、テクノロジスト。ブラジル、イタリア、米国の間を旅しながら幼少期を過ごす。最近、サンフランシスコからバルセロナに移住し、個人プロジェクトの企画・開発に取り組んでいる。以前はApple社でインタラクションデザイナーおよびソフトウエアのプロトタイパー(試作品の製作者)として、また MITメディアラボのタンジブル・メディア・グループで学部研究生として勤務していた。

Webページはこちら(英語)

Bloomブランケットの購入はこちら(英語)

※この「ビアンカ・チェン・コスタンゾさんへのインタビュー」の過去記事はこちらの一覧からお読みいただけます。

Takako

アプリで、ANGIEがもっと快適に。

  • お気に入り機能で便利に読める
  • プロライターによる最新情報が充実!
ページの先頭へ