ハピネス

2014.05.05 UP

【元Apple製作者に聞く 8】学歴があってもなくても困る事


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バルセロナを拠点に活動している著者が、同地のデザイナーであり技術者(テクノロジスト)であるビアンカさんに「はたらくこと」についてインタビューしています。

前回までのインタビューでは、ビアンカさんがマサチューセッツ工科大学や辞めたり、Apple社を辞めたり……と、ちょっとうらやましい(?)感じもありましたが、今回は仕事を辞めたときのリスクについてお話をしていただきました。

さっそく見ていきましょう。

 

アメリカで仕事を辞めるという決断

聞き手Takako (以下T): 仕事を辞めたときにはその結果どうなるかということは考えていましたか? アメリカの場合、仕事と保険が連携しているし、仕事を辞めるということはとても大きな決断だと思うのです。

 

ビアンカさん(以下B): そうですね、その点については実際よく考えました。

 

アメリカでビジネスをしたくないと思ったのも一部はそれが理由ですね。サンフランシスコの生活費もかなりかかりますし。サンフランシスコが好きで生活したいと思っていましたが。

 

でも、私はイタリア人ということもあり(イタリアのパスポートも持っている)、ヨーロッパのどこにでも住むことができるオプションがあって、ラッキーでした。

ヨーロッパは社会保障制度があって、わたしのことをケアしてくれますし。といっても私は月42ユーロ(6千円ほど)のプライベートの健康保険に自分で加入していますが。

 

T: 私もそのくらいの値段の健康保険に入っています。安くていいですよね。

 

B: そうなのです。アメリカでは考えられませんね。

 

T: どこかで聞いたのですが、アメリカで保険に加入していない人が歯を治そうとしたらキューバにいかなければならないとか。こういう話は本当なのでしょうか?

 

B: 私の両親が経験あるので分かります。大学の時、両親もアメリカに住んでいて、父が仕事を失ったのです。

両親は「COBRA(コブラ)」と呼ばれる健康プランに加入していました。新しくできた政府の健康プランで、それまでアメリカには健康プランがありませんでした。

 

想像できますか?

もし会社に雇われていなければ、あなたには何もありません。

毎月何千ドル(何十万円も)ものお金が飛んでいくのですから。信じられないでしょ?

 

T: すごい金額ですね。

 

B: 私の父は今イタリアにいるのでもう大丈夫ですが、これがアメリカでビジネスをしないひとつ目の理由です。

 

それから、私はとても長い間、ヨーロッパに住む自分を想像していました。ここにいるのが好きですし。ここのライフスタイルが好きです。

私のパートナーもスウェーデン出身ですから、スウェーデンにも住んでみたいと思います。

もちろん、彼がいなかったとしてもヨーロッパは好きですよ。

 

今回のインタビュー、いかがでしたか?

海外の保険事情のお話です。日本の読者のために注釈を加える必要があるかと思い、今回はインタビュー部分は短めにして、著者が注釈を加えたいと思います。

 

国民皆保険がある日本からは少し想像しにくいかと思いますが、アメリカには仕事を辞める/失うことによる、このような深刻な二次的問題もあります。

アメリカに国民皆保険がないことはマイケル・ムーア監督の映画『シッコ』(2007年)でも問題視されていますが、実際にアメリカで失業して保険関係で困ったという方のお話を直接聞いたことがなかったので、とても深刻な問題だということを改めて認識しました。

 

会社を辞めて起業をする時には、そのリスクも前もって理解して決断することはとても大事だと思います。特に、自分の健康あっての労働であり、人生です。自分の身体は大切にしたいと思います。

 

次回はビアンカさんのヨーロッパへの想いについてレポートします。

どうぞお楽しみに!

 

(写真:Biancaさん提供、東京の丸の内線より)

 

【取材協力】

Bianca Cheng Costanzo(ビアンカ・チェン・コスタンゾ)

ブラジル生まれのデザイナー、テクノロジスト。ブラジル、イタリア、米国の間を旅しながら幼少期を過ごす。最近、サンフランシスコからバルセロナに移住し、個人プロジェクトの企画・開発に取り組んでいる。以前はApple社でインタラクションデザイナーおよびソフトウエアのプロトタイパー(試作品の製作者)として、また MITメディアラボのタンジブル・メディア・グループで学部研究生として勤務していた。

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※この「ビアンカ・チェン・コスタンゾさんへのインタビュー」の過去記事はこちらの一覧からお読みいただけます。

Takako

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