ライフスタイル

2013.09.25 UP

「彼氏の機嫌が悪くなるから」飲み会に行かない女性と「もう戻れない」ラプンツェルの光と影とは?


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塔の中に閉じ込められていた少女が、とある男性に救い出される『ラプンツェル』の物語を初めて読んだとき、私はすでに高校生ぐらいだった気がします。

 

一見すると、悪いやつに閉じ込められていた少女が救われて、ハッピーエンドだったようなのですが、私は疑問に思いました。

「ラプンツェルって、ずっと塔の中にいても幸せだったんじゃないの?」と。

 

「知らない」というしあわせ

確かにラプンツェルのことを閉じ込めていたのは継母だったけれど、塔の中で彼女に意地悪していたようには見えなかった。動機はラプンチェルの魔法の髪が目的というやや不純な動機はあったものの、そのせいもあって、むしろ彼女のことをとても大事にしていた。

継母=悪というのがおとぎ話のセオリーなので、なんとかそういう設定で悪のイメージを植え付けようとしたのでしょうが、それでも私の目には、継母が悪いようには思えなかった。現代の世では、継母だから悪というイメージもありませんしね。

 

実際、ラプンツェルは、外の世界に出てみたら、自分のことを助けてくれた男に恋をしたわけですが、なんだかその男がチャラくて、疑心暗鬼になったりもしている。くじけそうになっていることも。

 

世の中、知らない方がいいこともある。知ってしまったことで、もう戻れなくなることがある。恋愛というのも、きっとその1つなんだろうなあと思うのです。ラプンツェルは、このあともきっと、色々な感情に振り回されながら生きていくのでしょう。

 

「彼氏の機嫌が悪くなるから」飲み会に行かない女性の光と影

最近は、この塔の中に自ら閉じ込めたがる、いわば「ラプンチェルになりたがる女性たち」がとても多いことに気が付きました。

 

彼女たちは、飲み会などに誘うと、「ごめーん、彼氏の機嫌が悪くなるからい行かなーい」などと言うのです。しかもなんだか、ちょっとだけ嬉しそうに。

「そんなこと言う彼氏なんて、一緒にいて息苦しくないの?」と聞くけど、さらっと「全然」なんて言われてしまうものだから、こちらとしては「ああ、そう……」としか答えられないけれども、私はちょっと面を食らいながらも、ああ、彼女はとても堅実なんだな、とも思うのです。

 

「私、閉じ込められて、こんな風に外にも出してもらえないなんて、彼氏にとっても大事にされてるんだわ」という実感を覚える。それが果たして本当に大事にされている基準になるかどうかはまた別のお話だけれど、とにかく本人はそう思うことができるのです。

 

塔にこもっていれば、他の人を好きになると可能性、ひいては浮気や二股いったような恋愛トラブルにつながることがないのです。それは幸せなことでしょう。

 

私の友人に、まだ若い新婚の女性がいるのですが、彼女が家にばかりいるので、私が、「まだ子どもを作るつもりがないなら、外に出て仕事でもすればいいのに」というと、彼女は少し顔を曇らせて、私に教えてくれました。

 

「だって、独身の方が楽しそうだなって思っちゃったらイヤだもん」と。

 

彼女の言葉を聞いて、ああ、結局のところ、みんな自分の幸せに自信がないのかもしれないな、と感じました。だから、あえて自分の世界に閉じこもり、外の世界を見ようとしない。

 

自ら進んでラプンツェルになって、塔の中で、塔の中にある幸せで満足しようとしている。

 

私のように、いつも幸せを探して迷走して失敗している人間からすると、つまらないと思ってしまう反面、うらやましいと思うこともあるのです。

 

さて、あなたは幸せのために、ラプンツェルになれますか?

 

Photo By jesus-at-art

メルヘン 可憐子

メルヘン可憐子

(コラムニスト/エッセイスト)

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