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2016.12.26 UP

もうすぐ新年。大晦日を堪能するための心得【12月27〜31日】


12月27~31日第六十五候「麋角解つる(さわしか の つの おつる)」。大鹿の角が落ちる時季のことを、七十二候ではこう呼びます。

さわしかとは日本に生息している鹿ではなく、ヘラジカや大鹿のことを指すのだとか。さわしかが大きな角を落とすこの時季、私たちは新年を迎える準備に追われます。

今年も残すところ、あとわずか。今回は一年の節目である大晦日を、より深く味わうための心得をご紹介します。すべてに、大切な意味が込められているんですよ。

 

七十二候とは?

時間に追われて生きることに疲れたら、ひと休みしませんか? 流れゆく季節の「気配」や「きざし」を感じて、自然とつながりましょう。自然はすべての人に贈られた「宝物」。季節を感じる暮らしは、あなたの心を癒し、元気にしてくれるでしょう。

季節は「春夏秋冬」の4つだけではありません。日本には旧暦で72もの豊かな季節があります。およそ15日ごとに「立夏(りっか)」「小満(しょうまん)」と、季節の名前がつけられた「二十四節気」。それをさらに5日ごとに区切ったのが「七十二候」です。

「蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)」「蚯蚓出ずる(みみずいずる)」……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声がありますよ。

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晦日とは?

「晦日(みそか)」とは、月の最後の日のこと。月が欠けて見えなくなった状態のことをさし、晦日のほか、「つきごもり(月隠)」から転じて「つごもり」とも呼ばれています。また「大晦日(おおみそか)」は、一年の最後の月の最終日であることから、「特別」という意味を込めて「大」を冠して、「大晦日」となったそうです。

月明かりのない真っ暗な闇夜を打ち破って昇る朝日、その年初めて昇る朝日すなわち「初日(はつひ)」を見るため、一晩中起きているのが本来の年越しとされています。

初日はまさに、新しい一年の象徴とも言えます。昔の人は新しい一年の幸せを願い、毎年のように初日を拝んできたのですね。

 

年越し蕎麦は運気を上げる?

年越し蕎麦については諸説ありますが、いちばんよく知られているのは「細く長く」にあやかり、健康長寿、家運長命を願うというものです。年越そばの歴史は意外と若く、江戸時代ごろから食べられていたそうです。

年越し蕎麦をいただくのは31日の夕食時、もしくは除夜の鐘を聞きながらいただくのが一般的といわれています。変わったものとしては、福島県の会津地方では、元旦(1月1日)に食べる風習があるのだとか。

食べると運が向く、といわれる年越し蕎麦は別名「運気蕎麦」とも呼ばれたそうで、今年の終わりにはぜひ年越し蕎麦をいただいて、2017年の運気を高めましょう。

 

除夜の鐘で迎える新たな一年

除夜の鐘は、大晦日の夜から新年にまたがって撞きます。その回数は合計108つ。人には108つの煩悩があるといわれ、欲望や心のよどみといった煩悩を、ひとつひとつ祓うために鐘を撞くそうです。

あの「ゴ~~ン」という、お腹の底に響き渡る鐘の音が、すべてを浄(きよ)めてくれるのですね。本来は除夜の鐘にも決まりがあるそうで、107回目までは前年のうちに、そして最後の一回は年をまたいで、新年になってから撞くのが正式な撞き方なのだとか。

除夜の鐘が鳴り響く中、今年はたちまち去年となり、新たな一年がやってくるのです。除夜の鐘を撞く際は一礼し、心を込めて撞きましょう。

この一年を振り返って心に浮かぶ悲しみや後悔、腹が立ったことなどなど、全て感謝の心で手放して鐘の音とともにやってくる新たな一年を、晴れやかな心で迎えましょう。

 

今年一年、連載「心なごむ昔ながらのスローライフ」をお読みいただきまして、ありがとうございました。空を見上げ、道端に咲く一輪の花に心をかけるほんの短い時間が、心の栄養補給になると感じています。

皆さんが自然を通じて、すこしでも元気になったり、癒されますよう願いを込めて、来年も記事を書かせていただきます。どうぞ、幸せな新年をお迎えください。

【参考】『くらしを楽しむ七十二候』広田千悦子/泰文堂、『日本の歳時記』/小学館

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三浦奈々依(みうらななえ)

三浦奈々依(みうらななえ)

神社仏閣ライター・フリーアナウンサー・カラーセラピスト

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