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2013.09.10 UP

どこまで堕ちるか、女の人生!~絶望の先を見てみたくて~【第11話】


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大きなグラスを持っている人、小さなグラスを持っている人

こうして

「これからもよろしくね。いつか私だけでもお腹いっぱいになってね!」

「よろしくな、あと好きだぞ」

というやりとりと、和解のチューで仲直りした瞬間、公式に二股恋愛が幕を開けたわけですが、最近友達に会ってその話をするたびに、

「ルリちゃん、お願いだから幸せになってよ~」

と縋られるように言われるので、私はきょとんとすることになるのです。

 

幸せじゃない女。確かに世間は私をそう呼ぶ。でも、本当にそうでしょうか?

 

「私は幸せだよ、好きな人に好きっていってもらってこれ以上の幸せはないわ。ほら、私、しかも彼女だからね!」

と私が豪語すると、

「そんなに、やつれているのに?」

と返される。

「……」

確かに。そう言われると言い返せない。実際、嘔吐のしすぎでやつれているけど、でも私が言ったことも間違ってはいないんだ。

好きな人に好きだといってもらって、それ以上の幸せはないはず。

 

でもこの辛さの原因は、人の「もっともっと」と現状以上のものを求めてしまう性質に隠されているのです。

 

だから、たまにヒカリちゃんや他の女の子の存在が頭をよぎってきて、どうしようもなく苦しくなるときがあります。

そのたび、吐いたり眩暈がして倒れたり。

 

確かに、この状況はどう見ても幸せには見えないでしょうね。

 

みんなが私に「幸せになれ」というのは、お互い好きなのにも関わらず、彼から離れ、この苦しさから解放されろ、ということなのでしょうか。

 

でも、そうしたら待っているのは、また単調な日々。確かに傷つかないけれど、刺激もない。

きっと私は、そのうち満足できなくなる。

もし人がその状態を幸せだというのなら、私が求めているものはきっと幸せではないのだ、と思うのです。

 

「キミは、持ってるグラスが大きいんでしょ」と、件の二股の彼が言いました。

 

人はそれぞれグラスを持っていて、そのグラスに水がいっぱい満たされると、幸せだと感じる。でもそのグラスの大きさは人それぞれ違っていて、キミのグラスはすごく大きいんだろうね。そして中にいれる水の質も重視する。だからキミがカンタンに落とせるような男からもらった水ではキミは満たされない。つまり幸せだと感じる基準がすごく高いということだ。俺はちょっとぐらいならキミに注いであげられるけど、ただ、そのグラスが大きいと辛いな……」

 

てめー自惚れんなよ!

しかも軽くいうけど、そんなカンタンに私が落とせる男なんていたら、とっくにお前から離れてるっつーの!

 

と、ブチ切れかかったものの、少なからず私にとってはそこらへんの男よりも、この二股男の方が「価値がある」と判断しているからこうして付き合っているわけで、すると、彼のいうことも完全に否定できないのが苦しいところなのです。

 

最近私の周りでは結婚フィーバーだけれど、新郎を見るたび「ゲッ。こんな旦那だったらわたし一生独身でいいかも……」とか、新婦を見るたび「ここまでウェディングドレスの似合わない女を嫁にして大丈夫なのだろうか……」などと思ってしまうことがある。

 

余計なお世話な上に失礼千万な話なのだが、ああいう結婚する人同士は、お互いグラスが小さいのだなあと思う。でもそれって、皮肉でもなく、とても幸せなことだと私は思っている。

 

実際彼らは、自分たちがまるで世界一幸せ者かのような顔で微笑んでいるし、それを見ると、愛さえあればなんでもいいのかなあとまで錯覚してしまう。

うらやましいなあ、と素直に思います。

だからグラスなんて、小さくていいんですよね、本当は。

 

大きいと、ろくに幸せなんて感じられないのですから。だから私は、なかなか他人から見ると幸せな恋愛をしているようには見えないのかもしれませんね。

 

Photo By Robert Couse-Baker

メルヘン 可憐子

メルヘン可憐子

(コラムニスト/エッセイスト)

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