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2013.09.08 UP

どこまで堕ちるか、女の人生!~絶望の先を見てみたくて~【第9話】


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堕ちる、堕ちる、堕ちていく

 

いけないいけないと思いつつ、私の目は、再びメールに釘づけだった。

幸せになれないことなんて分かっていたのに。

 

―まなみ、あかね、さおり

女の子の名前がついたフォルダがたくさん。

……あ、私だけデフォルト名。専用フォルダもない……

 

あ……この子のメール、顔文字、ついてる。

私は久しく、彼から送られてくるチャットに、顔文字なんて見ていないのに……。

 

とはいえ、ほとんどが何年も前にメールが途絶えているコたちでした。

「ナンパしてたくらいだし、昔ヤンチャだっただけかあ」ほっとしたのは束の間。

 

ここ最近まで、メールしているコがいたのです。仮に彼女の名前を「ヒカリちゃん」としましょう。

―このヒカリちゃんって子、もうずーっと何年もメールしてる。あ、先週この子と会ってるし。

あいつ、本職で忙しいっていってたのになあ。

 

―しかもこの子の家に泊まってる。私んちのこと遠いって言ってたくせに、この子んち、私の実家に近いじゃん。

 

そのすべての事実が、「さとるりよ、キミの優先順位は低いんだぞ」といっているように見える。

 

いろんな感情が波のように襲ってきたけど、でもなによりも「なんだあ。忙しいとかいいながら、やることはやってんのね」という、裏切られたという意識が強くて、悲しかったけれど、幻滅して、そのままケータイを閉じた。

そのままフェイドアウトしたかったけど、悔しかったから、一言文句を言ってやりたかった。

……というのはただの言い訳で、フェイドアウトしたくても、結局のところ私にはできなかったんですよね。だってもう、とっくに堕ちてしまっていたから。

なんとかして彼を振り向かせたかったのでしょう。こんな今更になってもね。

 

「君は彼女じゃないんだから、関係ないでしょ」そういわれたら終わりだけど、それでも私はなじってみた。

 

「こっちは忙しいのにちゃっかり女の子と遊んでるなんてずるい。ちゃんとプロジェクトに身入れてよ」とか言っちゃって、

素直に「私とも遊んでよ」とは言えなかった。だって、ずっと意地張ってきたからね!

 

すると彼は、「あの子とは別れる。彼女は君だよ」といった。

あら、いつの間にか私、彼女に昇格?

どうやら私はこの瞬間、彼女になったらしかった。 ちょっと、嬉しい。それが向こうのご機嫌取りの作戦だと分かっていても

嬉しかった。

 

けれど私は、そんなにすぐヒカリちゃんと切るとは思えなかった。でも彼はこう言った。「切るよ。今はそんなことをしてる場合じゃない」

ああ、そうだよね。あなたは忙しいもの。そんなことしてる場合じゃないね。「じゃあ信じるね」と私は答えた。

 

でも信じられなかった。淡白なことを言っているくせに、あなたのIDには未だにぜーんぶ0714が入ってる。それ、ヒカリちゃんの誕生日だね。

疑わしいけど、でも私は信じるといってしまった。

女に二言はないのだ!

 

……しかし、そんな私のたくましくも強い意志は虚しく、あっさりと裏切られることになりました。

 

メルヘン 可憐子

メルヘン可憐子

(コラムニスト/エッセイスト)

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