ライフスタイル

2014.03.10 UP

〜家族の背中がある風景~ 私を幸せにするアイテム


写真『幸せ1000アイテム_家族の背中がある風景_かけがえのないもの』

たまに家族で海に行きます。バリ島のサヌールビーチは、午後になると潮がひけて1kmほども遠浅になることがあります。

波もなく澄んだ水辺で、夫と子どもたちが遊んでいる姿を、後ろから眺めるのが定番です。

 

私は自分の家族ができて、初めて「かけがえのないもの」というものがわかりました。「掛け替え」と書くそうですが、恥ずかしながら「欠け替え」だと思っていました。欠けたら、替えのないもの。

 

自分の命が何よりも大切だと思っていたけれど、私のようにエゴの強い人間でもあるんですね、それ以上に大切なものって。自分よりも大切だと思える存在ができたことに驚きつつも、素直に嬉しいし幸せだと思います。

 

波打ち際に腰を下ろして、パシャパシャと波をたたく夫と子どもたちの姿に、そこに居てくれることを本当に感謝しました。

そして、思いました、あの日のこと。

まだ春とは呼べない寒い3月の海辺で、私たちのように遊ぶ家族はいたのかなとか、見守る母親がいたのだろうかとか。ビーチと呼ぶには寒すぎる季節だっただろうけれど、いたんじゃないかな、あの場にもそんな家族が。

 

今年も3.11がきました。

あの日、かけがえのないものをなくしたみなさん、今、どうしていますか。

そこにはもう、かけがえのない人たちはいないのですね。近づいて触ることもできなければ、駆け寄ってくることもない。不幸だ……と、みなさんは、思っているでしょうか。

 

私がみなさんで、みなさんが私だったかもしれない。人生なんて、いつどこで何がどうなるのか、誰にもわからないのですから。

だからこそ、たとえ一瞬でも、かけがえのないものが傍にいたことを、ずっと覚えていたいと思います。誰かを自分よりも大切だと思った心は尊い。

自分よりも大切なものが見つからないことの方が、もっと悲しい。かけがえのない人が今、隣にいようがいまいが、誰かをそんなふうに思えたなら、きっと幸せものなのです。

 

Photo by 著者

平 理以子

平 理以子

美容ライター/恋愛コラムライター/海外(バリ島)ライター

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