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2013.09.05 UP

どこまで堕ちるか、女の人生!~絶望の先を見てみたくて~【第6話】


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ちょっと寂しくて、ちょっと心地よい『落ちた先』

 

こんな記事を書いているくらいだから、気づいた時から私の頭のネジは1本とれていた。そう……あれはもうずっと前。

 

私だって一応女ですから、今までにいくつか恋愛はしてきました。

 

恋人はみーんな、優しくて誠実で「可憐子ちゃん愛してるよ。大好きだよ。一生一緒だよ。本当だよ」といいながら、わたしにあれこれ手を伸ばしてくれる人でした。

 

飲み会で遅くなったら迎えにきてくれる、料理をつくって待っていてくれる、洗濯してくれる、なんでもしてくれる、わたしにぞっこんで、やや過保護気味な彼。黒髪短髪さわやか系で、細身のスーツが似合う彼。

 

ね、みんなも好きでしょ? こういう人。そう、私も大好きだったの、そういう人。

守られている、愛されているという安心感があった。あるときは、婚約みたいなことまでしてた。

 

でも優しい人は弱かった。

耐えられないとわかると、あっという間に離れていった。

それも、突然。

 

「えっ。別れる? えーっと、私のこと、永遠に愛してるって言ってたよね? しかも今朝まで……」

「すまん可憐子。仕事が重くなってきたんだ。別れてくれ」

 

ふぅ~ん……。誠実なふりして、あなたが口にしていた愛やら永遠やらってずいぶん軽かったんだね。

 

 

冷ややかな気持ちになりつつも、さすがにショックでした。

なにしろ婚約めいたことまでしていたわけですから、その彼と別れたあとの私は、さすがにズ~ンと落ちて、しばらくは引きこもっていました。

でも吹っ切れたら、今度はすごく元気になっちゃったんです。

しかしその反動で、ちょっと頭のネジがとれた人になってしまったわけですね。おそらくトラウマのせいでしょう。

 

でもそのトラウマは、案外私を楽しくさせてくれたのです。「男なんていらないわ~」なんて茶化して、「私ってぜ~んぜんモテないの~」なんて自虐ネタを披露しながら生きるのは悪くありませんでした。(ネタでもなんでもなく、実際モテないんだけどさ)

 

そのときは本当にひとりで生きていけると信じていたし、男なんていらないと本気で思っていた。

 

そんなときに彗星のごとくあらわれた金髪のゲームデザイナーくん。

私が昔から大好きだったゲームに出てくる主人公にそっくりの見た目で、まるでその世界から抜け出してきたような彼は、私にとってはまさにヒーローだった。

 

たとえセフレとよばれても、尊敬できる人を好きになれたことはとても嬉しかった。

愛してるとか、一生一緒だよ、なんてそんな言葉はいらない。

 

どうせ守れないことを言うくらいなら、言わない男の方がよほど誠実に思えた。多少の寂しいぐらいの方が、私の心を穏やかにしてくれた。

 

だからこの時点で私は完全に「落ちて」はいたけど、まだ「堕ちて」はいなかったんです。

このふたつの違いは、のちに分かることになります。

(つづく)

Photo By D.Ph

メルヘン 可憐子

メルヘン可憐子

(コラムニスト/エッセイスト)

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