2013.08.30 UP
どこまで堕ちるか、女の人生!~絶望の先を見てみたくて~【第2話】
夜の新宿。ギャップのある男にご用心!でも何よりナンパにご用心!
はじめてその二股男と会ったのは夜の新宿。
あれは確か震災の直後で、いつもはネオンで照らされている繁華街がやたら暗かった。でも街はいつものように相変わらずの喧騒に包まれていて、不謹慎ですが、それがなんだかキャンプファイヤーが始まる前かのようなワクワク感があったのです。
だから私も、いつもはナンパなんてスルーするのに、つい応じてしまったのです。ああ、なんて馬鹿。
ちなみに、「ナンパされてるのを自慢してんじゃねー!」などと言われそうなので先に言っておきますが、別に可愛くなくてもナンパはされますよ。
・オシャレなのに靴底がボロボロ・指の爪がボロボロ(見栄っ張りだけど、細かいことまで気が回らない)
・オシャなのにカバンが安っぽい(見栄っ張りだから服は買うけど、カバンのような高価なものを買うお金が貯められない)
・オシャレでないわけではないのだが、たとえば清楚系のワンピースなのに金髪などと、全体的にちぐはぐしている。(自分を客観的に見れない)
この辺の特徴のある女性は、「ツメが甘いから見た目ほめときゃすぐやれる」と判断されて、よくナンパされちゃうらしいですね。
友達のナンパ師が言っていましたし、そのときの私もこれに当てはまっていました。 だから、ナンパされたくなった女性の皆様は、これらのことを実践してみましょう。
あまりおススメしませんけどね。
しかし……なんとなくナンパする人って、わたしの中では「女に飢えてる=結構ブサイク」のイメージがあったのですが、その彼は違った。
私よりも女の子みたいな綺麗な顔に、話しかけられたとたん、思わず二度見しちゃったよね。
パッと見ではアリですよアリ!
いくつになったって、所詮はイケメンに弱いバカな女ですからね。ふふん。
でもじっくり見て却下。
ツンツンの金髪。全身まっくろで、銀のアクセサリーでがジャラジャラ。やだ、キミってば、なにそのドクロのシャツ……! それ、びじゅあるけいとかいうの??
そんなんだから、まあ、第一印象で決めるとしたら、「無し」でしたね。
だって私は、黒髪短髪で爽やかな、細身のスーツの似合う男が好きなのよ。きみ、イケメンなのに惜しいわね。
そんな上から目線丸出しで話してみたのだけれど、そのアブナイ服装の割に、意外と悪い印象はなかった。話し方とか、ノリとか。
それに、てっきりその見た目から、水商売の男の子かと思っていたのだけれど、彼はなんとゲームを作っているデザイナーだということも教えてくれたのです。
ゲームですよゲーム! このゲーマーである私の大好きなゲームを作っているなんて!
しかもそこが、私が昔から大好きだった有名な名作を作っているメーカーだったものだから、思わず興奮してしまいました。
「○○の新作はいつ出るの!?」「あのプロデューサーに会ったことある!?」なんて。
ああみなさん、男のギャップにはご用心。
あと、自分が好きなものだからっていって飛びつくのは動物と一緒ですよ、これもまた注意。
……ってなによりもその前にナンパとかされてんじゃねー! って話なんですけどね。
でも結局のところ、悲しきかな、「単におめーがイケメンに弱かっただけじゃねーか!」と言われてしまったら、返す言葉もないのです。
>>どこまで堕ちるか、女の人生!~絶望の先を見てみたくて~【第3話】
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メルヘン可憐子
(コラムニスト/エッセイスト)