ハピネス

2016.08.15 UP

いのちを生かす料理。多くの人を救った佐藤初女さんの料理とは?


青森県弘前市の山の麓にある「森のイスキア」。森のイスキアとは「大自然の中に、心病める人の憩いの場を作りたい」という思いから、佐藤初女さんが始められた宿泊施設です。大自然に囲まれた環境で温泉に入ったり、おいしい手料理を食べてのんびりと過ごすことができます。

何かに迷ったり、癒されたいときに、心のこもったおいしい手料理や穏やかに話を聞いてくれる佐藤さんのもとにはたくさんの人が訪れました。多くの人に愛され頼りにされていた初女さんですが、残念なことに2016年2月に乳がんのため他界。

著書も多く、たくさんの人の支えとなってきた初女さんの訃報に、Twitterでもご冥福を祈るメッセージがたくさん寄せられています。 多くの人を救った初女さんの食に対する考え方とは、どんなものだったのでしょうか。

 

初女さんの活動:食はすべての基本です

Photo by Pinterest

佐藤初女さんは、「食を通して心や体を元気にしてもらいたい」という思いでボランティアや講演活動を行っていました。1983年からは、自宅を開放して悩みを抱える人の話を聞き、手料理をふるまう活動を開始。

その後、弘前市に「森のイスキア」を開設します。 初女さんは相談に来た人のために心をこめて食事を作り、無理に話を聞こうとせずに一緒にご飯を食べて、静かに寄り添ったのです。 「食は心と体を育む」……心のこもったおいしいご飯を食べると、心も満たされます。また、食は暮らしの中心であり基本であるともおっしゃっています。この基本をおろそかにすると家族がばらばらになったり、調子が狂ってしまうことにつながるのかもしれません。

 

初女さんの料理:食材の「いのち」を生かすように料理を作っているんです

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いのちを生かす料理

冷凍食品やレトルト食品など、レンジでチンする食事ばかりになっていませんか? 初女さんは著書で、そのような食事では元気が出ないと語っています。 食事というのは食材の「いのち」をいただくということ。牛や豚、魚、野菜に宿るいのちを大事に扱って料理としていただくことで、私たちは元気がもらえるのだそう。

 

まずは新鮮な食材選びから

まずは、新鮮な食材から食事を作るということが大切です。それは食材に感謝して食事をいただくことにもつながります。食材を買うときに、安いというだけで買ってませんか? 新鮮で質の良い食材を買うように心がけてみましょう。 たとえば魚なら全体がピンと張っていて、目の澄んだもの。ナスやトマトなら、へたがピンとしているものが新鮮です。

ほかにもさまざまな野菜や肉、果物それぞれに見分け方のポイントがあるので、少しずつ新鮮なものが分かるように慣れていきましょう。

レシピを確認して買い物に行くという方が多いと思いますが、食材選びから始めてみるのもアリです。新鮮でおいしそうな食材を見つけたら、その食材をどうおいしく料理できるか考えてみましょう。そうしていると、食材の良し悪しを見抜く目や料理の腕がどんどん上がっていくそうです。

 

料理のときは自分の感覚を大事にする

食材を水につけておく時間やゆでる時間についても、料理本やレシピに頼りすぎないことが大切。途中で味を確かめたり、ゆで具合を確認したりして、自分の感覚を大事にするとおいしい料理が作れるのだそう。

野菜も、時季や大きさによって状態はさまざまです。「そろそろおいしそうになってきた」「野菜が気持ち良さそうになってきた」など、その食材をおいしく食べられるタイミングを見極められるよう、料理のカンを磨いていきましょう。

 

常備菜で心に余裕を持つ

すべての料理を一から作ろうとすると、時間も労力もかかり大変です。数日保存できる常備菜を作っておけば、あとはご飯を炊いてメインを作るだけと、作業がだいぶラクになります。 時間に追われるように料理をすると食材の扱いも雑になり、心をこめた料理が作れません。いつも余裕を持って料理ができるように、こうした工夫も大切です。

 

初女さんのふんわりおむすびレシピ

Photo by Pinterest

龍村仁監督の映画『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番』では、初女さんのおむすびを食べて自殺を思いとどまった男性のエピソードが登場します。 初女さんは「おにぎり」でなく、人と人の心を結ぶという意味をこめて「おむすび」とよんでいるそう。そんな初女さんの、おいしそうなおむすびのレシピをご紹介します。

 

材料(5つ分)

・お米 2合 ・水 ・塩 ・梅干し

 

作り方

1. まず小鉢にお米をふわっと入れて、ぬれ布巾で拭いた木のまな板の上にひっくり返して並べます。こうするとおむすびの大きさが均等になり、ご飯の熱も程よく逃がすことができます。

2. ご飯の中央にくぼみを作り、種を除いておいた梅干しをくぼみに入れていきます。

3. 手に水をつけますが、水をつけるのは始めの1回のみで、次からは塩だけをつけます。指先に塩を少しつけて手のひら全体に広げます。

4. 梅干しを包みこむように、両手を合わせてそっとまとめます。力を入れすぎずにふんわりとむすびます。

5. のりは1つにつき、1枚を4等分にしたものを2枚使います。角をずらして、のりでご飯全体を包みこむようにします。 おむすびをむすぶときのコツは、「お米の一粒一粒が呼吸できるよう、空間を感じるようにやさしくむすぶ」ことだそうです。

 

心のこもった手料理

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新鮮な食材に感謝して心をこめて料理を作り、いただく。普段の生活に追われているとつい忘れがちになってしまうことですね。 初女さんの手料理を食べることはもう叶いませんが、初女さんの料理についての考えや教えはずっと後世まで伝えられていくことでしょう。

 

誰かのために、自分のために、心のこもった料理を作ってみてくださいね!

参考:『「いのち」を養う食』 佐藤初女著/講談社刊

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