2013.09.21 UP
35歳。同窓会にやってこない学校時代の「クラスのマドンナ」は今!?
人が一定人数集まれば、それがどのような集団であっても、一部の極めて優秀な人と、大多数のふつうの人と、デキの悪い人にうまくバラけるもので、多くの女性は、学校時代に、すごく美人で、勉強もスポーツも出来て、男子からモテまくっていた女子を知っていると思います。
そういう“クラスのマドンナ”が、同窓会にやってこない! あの人は今!?
今回は、こういうお話をしてみたいと思います。もちろん、著者はあなたのクラスのことなど知らないので、精神科医の香山リカさんの著書『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書)に紹介されている、“極めて優秀な”女性たちについてお話をしましょう。
人もうらやむ芸大で、実は……
精神科医の香山リカさんは、芸大志望の人であれば、是非に入りたいというような、有名な芸大で、カウンセリングをしていたと言います。
極めてピアノがうまい女性が、毎年たくさん入学してきますが、そのなかで、有名なコンクールで入賞して、ソリストの職を得るのは、ほんの数人で、あとの大多数は、教職免許を得て地方の学校の音楽教師になったり、ホテルのラウンジやバーでピアノを演奏したり、あるいは音楽とはまったく縁のない世界に就職したりするそうです。
冒頭に書いたように、どんな集団であっても、3パターンくらいに分類されちゃうわけです。
で、“その他大勢”と言っても、彼女たちは、大学に入るまで、挫折知らずで、蝶よ花よと言われながら大きくなっているクラスのマドンナ、エリートです。
そういう人が、大学で初めて挫折を知ったら、どうなるのか? について、香山さんは著書のなかで語っています。
アル中・ギャンブラー・ホスト通いのオンパレード
その他大勢の何割かは、アル中になったり、ギャンブルに溺れて借金を作ったり、ホストクラブにハマったりするそうで、そういう人が“大勢おり”、“治療は困難を極めた”と香山さんは言っています。
香山さんの言うところの“大勢”が、何人を意味するのか、著書には書かれていませんが、香山さんは、奇想天外な事例をおもしろおかしく並べ立てて読者の射幸心を煽って本を売るタイプの先生ではないでしょうから、事実として、本当に多いんだと思います。
あなたのクラスの、同窓会にやってこないマドンナは、どこかで挫折を覚えて腐っているのか、等身大のじぶんを知って幸せに暮らしているのか……こんなところかもしれません。
今回ご紹介した事例は、多くの示唆に富んでいるので、ある特定の結論を示したくはないのですが、深い挫折を知り、混乱の淵から這い上がる過程において、人は時を知り、じぶんを知り、人の痛みを知るのかもしれません。
【参考】
『しがみつかない生き方』香山リカ(幻冬舎新書)
Photo by pinterest

ひとみしょう
(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)