2014.02.17 UP
世界で話題の「死ぬ前にしたいこと」ボードとは?
物が溢れている日本では、ファッションにグルメにエンターテイメントに、新しい情報が次々と与えられ、気付けば欲しいものだらけで頭がいっぱい(煩悩のカタマリ)になることもしばしば。
でも……たったひとつ「死ぬ前にしたいこと」を挙げるとしたら、何を思い浮かべますか?
Before I die I want to…
いま、アメリカのルイジアナ州ニューオーリンズに住む女性、キャンディ・チャンさんが始めたプロジェクトが話題になっています。
現在では30もの言語で60カ国、400カ所以上に設置されているという「死ぬまでにしたいこと」ボード。「Before I die I want to…」その先につづく言葉を、通りすがりの人たちに書き記してもらおうという試みです。
プロジェクト発案のきっかけ
チャンさんが市内の空き家に「Before I die…」とタイトルを付けた大きなボードを設置したことから始まったプロジェクト。学生時代からアートやデザインを学び、都市計画に携わっているチャンさん、この取り組みを始めたきっかけは、親しい友人の「死」と直面したことにあるそうです。
とてつもない悲しみの中で初めて向き合った、いつか自分自身も迎えるであろう「人生の終わり」。あわただしい毎日の中では、限りある命に深く思考を巡らすこともむずかしく、また他人の死さえ喧騒のなかに埋もれていくのが常です。
「死ぬ前にしたいこと」ボードは、そんな日々のなかで、ちょっとだけ立ち止まって考える時間を与えてくれます。
一番多く書き記された願いとは
どのボードも、余白まで言葉がびっしり。片思いしている相手への気持ち、家族や恋人への感謝、友人との絆に対する喜び、一生かけて叶えたい夢など、たくさんの想いで溢れています。
これらの言葉を一冊の本にまとめたいと考えたチャンさんの話によると、一番多かったのは「愛したい、愛されたい」と切実に願う声だったとか。
このプロジェクトに込められたチャンさんのメッセージは、大きく2つあります。
人生は、儚く、脆く、短いものである
「死」を意識することがあなたを強くし、あなたの人生を明確にする
欲張りになっている心をいったん整理してみる。ボードが目の前にあったら……と想像するだけでも、いま自分が何をしたいのか、そして何を優先すべきか、見えてきそうですね。
※参考
Before I die…ホームページはこちら
Candy Chang ホームページはこちら

MIKA Hirai
(エディター/ライター/トラベルキュレーター)