趣味

2014.05.09 UP

ニャにはともあれもネコがすべて!Cat is Everything!~ネコ大好き!愛すべき猫たちがいるアート~


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(Photo by vmburkhardt.tumblr.com)

人類の歩んできた長い歴史の中に、欠かすことのできないパートナーがいます。時に穀物をネズミから守り、時に神様になり、時にベッドを共にしてくれる、愛すべき存在……それは猫!

 

猫の神秘的かつ可愛らしい姿には、ご先祖様から現代の私たちまで、絶えず魅了されてやみません。

 

そんな猫に対する愛情は、歴代のアーティストだって同じこと。海外のアートニュースサイトでも、たびたび猫とアートについて取り上げています。

そこで今回は、アートと猫との深くて意外な関係について、バンバンご紹介していきます。

 

神様、ハンター、恋人、悪者。たくさんの顔を持つ猫たち

アートの中で表現されるネコには、様々な役割が課せられ、それは時代や国によって様々に変化していきます。

その変化、猫にとっては実に山あり谷あり、なのです。

 

猫は6000年以上前のエジプトですでにペットとして飼われ、4000年前には壁画に描かれています。

その時、彼らは生まれながらのハンターと考えられ、神聖化が進み、やがて神様として祭られるようになります。古代ローマでもハンティング能力の高さをたたえられ、モザイク絵画に登場しています。

 

こちらは、古代エジプトで崇められた猫の神様、バステト神です。

basteto

(Photo by wikipedia)

しかし時代が変わると、猫は中世ヨーロッパで異教や悪魔のような扱いをされ、悪者として表現されるようになります。いまでも悪名高い魔女狩りが始まったのも、この頃です。

 

この猫のネガティヴイメージ化が分かる一番の例が、『最後の晩餐』の中で裏切り者のユダの足元に丸くなって寝ている黒猫の描写です。

キリストを裏切ったユダはこいつだ! とほのめかすために、異教徒や悪魔の象徴として、猫が描かれているのです。

 

食卓の反対側に一人だけ座っている男が裏切り者のユダヤ。その足元には……。

最後の晩餐

(Photo by http://soriana.iza-yoi.net/gatto_nel_quadro.html)

 

こんな感じで有能なハンターから神様、裏切り者まで経験した猫ですが、ルネサンスでついに報われる時がやってきます。

学者たちによって、「猫」と「異教徒」、「病気」などの関係が迷信だったと証明され、アーティストたちがこぞって猫の魅力に素直に惹かれていくのです。

 

超有名なレオナルド・ダ・ヴィンチも猫の魅力には逆らえず、「どんな小さな猫の標本ですら、傑作だ」と称えていたくらい。

それからしばらくして、オランダなどでは、猫は暖炉やテーブルの下に描かれるようになり、彼らは「幸せな家庭」や「くつろぎ」、「怠惰」の象徴となり、愛玩=ペットの意味が濃くなっていくのです。

 

こちらの作品タイトルはズバリそのもので、『怠ける家政婦』。その横で食べ物を盗む猫がいます。

怠ける家政婦

(Photo by wikipedia)

やっと復活したかに思えた猫の名誉……しかし今度はどういう訳だか「好色」や「誘惑」などを表す「セックスシンボル」へと変化していきます。これまで平和な台所や食卓に居た猫たちは、淫靡な貴婦人たちの寝室へとその居場所を移していくのです。

 

そこで猫は、男女の秘密を覗くもの、または貴婦人の恋人そのものとして描かれます。

ハンター→神様→異教徒→家族→セックスの象徴とは、何という変化……いえ、進化なのでしょうか。

 

朝の身支度でストッキングを履く貴婦人と、その横でくつろぐ猫。こちらがわを見つめているのは、覗きの共犯者を探しているからかも……?

貴婦人

 (Photo by wikipedia)

そして人類は猫なしにはいられなくなった。

猫が貴婦人の間でセックスの隠喩として表現された一方で、フランス革命の際には市民や弱者に「自由」のヒーローとしても愛されていました

そしてさらに現代に近づくと猫の表現はもっと多様化され、印象派では子供と一緒に描かれることで無邪気な印象になり、また、猫の柔らかで曲線的な身体はアールヌーボーなどのデザインにも生かされました。

 

その一方で、野性や神秘性を失わない動物としての表現や、覗きやセックスを象徴する表現も失われてはいませんし、特に現代、日本で発展している猫鍋などをはじめとする“萌え”としての猫アートは、プロアマ問わず留まるところを知りません。

 

それほどに猫の魅力と歴史は、深くて濃ゆいものなのです。

 

こちらは、日本が生んだ奇跡、猫鍋!

nekonabe

 

いつまでも魅力が尽きない、愛すべき猫たち。アーティストだけでなく、私たちだって、猫のいない人生は物足りないに違いない!

皆さんも、お気に入りの猫アートを探してはみませんか? きっと、骨抜きになるどころじゃすみませんよ(笑)。

 

【参考】

Art News “Goddess, Hunter, Consort, Thief” BY Sarah P. Hanson

nishico

nishico

(学芸員、美術評論)

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