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2014.05.11 UP

あなたになら言える秘密のこと。~大きな声で語られない「人生の」すごく大切なこと~


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スタンフォード大学で、実験がおこなわれました。

どういう実験かというと、片方のグループが看守になって、もう片方のグループが囚人になる、というものです。

実験開始から2日で看守のグループは看守然となり、囚人になったグループをいじめた(この言い方はよくないかもしれませんが)。

 

これに似たことが、イラクに行っているアメリカ人兵士の間で起きました。囚人になったイラク人を虐待したり、イラク人の背中に足を置き、ピースマークを作って笑いながら写真を撮ったりしたのです。

 

さて、映画の話をします。『あなたになら言える秘密のこと』という題で、『死ぬまでにしたい10のこと』に主演したサラ・ポーリーが出ている映画です。

イザベル・コイシェという女性監督がメガホンを取り、サラの演技が光りを与えています。サラの役名はハンナです。

 

軌道に乗っているスペイン映画で、全編に英語が使われています。2007年に公開されました。

彼女の相手役は、オスカー俳優のティム・ロビンスです。ティムはジョゼフという役です。

海底油田堀削所で火事が起こり、ジョゼフが大火傷を負い、偶然という形で看護師の資格を持つハンナが来ます。ジョゼフは火傷によって一時的に目が見えなくなり、ハンナは耳が不自由で補聴器をつけています。

光を失った男と音を失った女の淡々とした看護生活が始まります。

 

ハンナって、暗いんです。もう、どうしようもなく暗い。ただ、この暗さには何らかの理由があるんだな、と映画を見ていればわかります。

ほとんどベッドに寝た切りのジョセフが、自分の妻が浮気した話や、その相手が自殺したことなどを話します。ハンナはそんな人たちに徐々に心を開いていきます。

 

そして、服を脱いでジョゼフに背中をさわらせます。そこには、無数の傷跡がある。ボスニア内戦中に民族浄化という狂気によって、心身ともに消えない傷を負った女性が、ハンナだったのです。

 

背の高いティム・ロビンスがハンナに会いに来るところなんか、最高なんですよね。

ええっ?! ジョセフったら、こんなところまで私を迎えに来てくれたの?」とピョンピョン跳ねて、抱きつくと思います。だけど、ハンナはそんなことはしない。映画の続きは、書きませんので、ぜひ、観ていただきたいと思います。

 

それで、最初のスタンフォード大学での実験の話です。たった2日で看守役の人たちは、囚人役の人たちに罰を与えました。

囚人役の人たちは、何も悪いことはしていない。それなのに、罰した。この実験をはじめて何日目かに、まわりの人たちが実験をやめるように教授に言ったそうです。

 

ボスニア内戦なんて、私たちには遠い国のこと。それでも、忘れたらまた同じことが起きるかもしれない。スタンフォード大学の実験には、そのことが隠されています。

声には出さないけれど、心の奥の奥まで傷ついた女性たちがいることを、葬り去ってはいけない、と思いました。

 

Photo by Pinterest

かわの ももこ

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