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2013.08.27 UP

「リフレインが叫ばなくなった」アラフォー女性がふたたび「燃える恋」をする方法とは?


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この『ANGIE』の連載を開始してから、わりと多くのアラフォー女性に会います。会うのはたいてい取材目的なんですが、出会ってそうそう「はい、ではあなたの若いころの恋の失敗談を語ってください」なんて愚かなことはやらないわけで、たいていは、昼間から一緒にカラオケに行ったりして、心がほぐれてきた頃を見計らって、ちょこちょこっと取材をします。

 

で、アラフォー女性は、ほぼ絶対と言っていいくらい、カラオケでユーミンを歌います。多くの人がご存知のとおり、ユーミンの歌は華やかな曲であっても切ない歌詞であることが多く、たとえば『リフレインが叫んでいる』など、切なくて聴く者の涙を誘います(歌が上手ければ)。

 

『リフレインが叫んでいる』は88年に発売されたアルバム『Delight Slight Light KISS』のなかの1曲で、「どうして私たちは出会ったのだろう」とか「別れてしまうのなら、どうしてもっと優しくしなかったのだろう」というようなことが脳内でリフレインするという歌詞です。
今年40歳の女性であれば、発売当初は15~6歳ですから、よく聴いていた女性は聴いていたのでしょう。

 

『Delight Slight Light KISS』とは舌を入れないキスという意味のようで、「純愛」を世間に広めようという意図がユーミンにあったと言われています(というかマーケティングのもとに作られているので、純愛志向がその当時は強かったのだと思いますが)。
このアルバムが出たあと、世はバブル絶頂期を迎え(ユーミンのアルバムで言えば『天国のドア』だ)、結婚をしないでバリバリ仕事をするキャリアウーマン像や永遠の愛というテーマが流行り、そのあとは、ユーミンが民族音楽みたいな方向にシフトしたので(『HOZHO GOH(ホジョンゴ)』みたいな曲)、純愛のあとにどんな恋愛哲学が世間でヒットしたかについては、なにやらうやむやになっています。

 

アラフォー女性のなかで、若い頃の甘酸っぱい恋の思い出を今でも抱えている女性は、どれくらいいるのでしょうか。22歳のときに付き合った**君はとってもかっこよくてスキーもうまかったけど(その当時はスノボーではなくスキーが流行っていた)家柄が釣り合わなかったから結婚できなかったな……。こんな切ない想いをずっと抱えている女性は今でもいるのでしょうか?

 

アラフォーの今、ふたたび燃えるような恋をして、仕事も恋もキラキラと輝かせたいのであれば、いまさら流行らないかもしれないけど、切ない純愛をするしかないように思います。

 

だってアラフォー世代は、韻を踏むPOPで愉快な歌詞で大きくなってないからね。

今日はビックリ仰天!
行者がさっと来よってん!
ビッグに聞こえる経典(きょうてん)!

なんて韻を踏まれても、切なくともなんともないでしょう? 「そこ」に恋があるわけではなく、やっぱり切ない純愛こそが恋だと思うでしょう?

 

異文化に聞こえる歌を歌う若い男子と純愛をすると、

どうしてぼくたちは出会ったんだろう!
彼氏の名前は太郎!
きっとイケメンでよかったろう!

とか韻を踏まれても困ると思いますが、

 

年齢も持っている文化も、育ってきた環境も、年収も社会的立場も全然ちがう男性と純粋に恋に落ちてみる。そして小林明子の『恋に落ちて』を、好きになった彼の前で熱唱する。
一切の計算を排除した、こういう腹の座った?恋が、意外とアラフォーの心を燃やすのかもしれません。

 

いろんな「恋のテクニック」がネット上でまことしやかに語られている2013年だからこそ、こういうアンチテーゼ的な提言があってもよかろうと思って、あえて書いてみました。
♪どうでしょう? 恋は飛翔! 少々食傷! ……なんて、もうやめましょう。

 

Photo by:lemuelinchrist

ひとみ しょう

ひとみしょう

(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)

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