恋愛

2014.03.03 UP

セックスと愛情「カラダの相性がいい?」それって愛だろ。

LINEで送る
Share on Facebook

lgf01a201304191800

カラダの相性うんぬんとよく言いますが、ハテ、相性って何だろう? と思ったことはありませんか?

「あ、いいかも」という動物的な直感や、もろもろの一致、モノのサイズや角度、進行手順、展開順序、それにかける時間、いろんな点が一致するのが「相性がいい」ということでしょうか。

そんな即物的な一致もそうでしょう。

だけどたいていは、「この人とのセックスは超キモチイイが、いいから離れられない」そう言いますよね。……うん、みんなが言う相性ってヤツね?

それってもしかしたら「この人が好き」=「好きだからこの人とするセックスは超キモチイイ」=「キモチイイし好きだし離れられたくない」=だから相性がいい! となっているような気がします。いや、それでいいんですよ。

 

そこで今回は、いつも「○○クンとはイチバン相性がいいと思うの」などと日ごろから言っているR恵さんにお話をうかがいました。R恵さんは30代前半のワーキングウーマンです。

 

──で、○○クンはテクニシャンなの?

「うーん。そうなのかな。気持ちいいし、ツボがあう気がするんだよね」

 

──どんな人?

「まるで芸能人。ステキなの。で、Sなのよね。普段でも強引なトコもあるけど」

 

──面食いだっけ?R恵さんって。

「そうなのかもしれない……本命の彼は普通の顔だし、ね……?」

 

──ああ、セフレの彼なんだ。好きなの?

「まあ……好きなのかなあ。あんまり優しくない人だけどカッコいいから会いたいの。でもわかんない。相性がただイイだけ、かな」

 

ははーん。私は分かったのですよ。こりゃ、欲望大好きと勝手に思ってる「エア相性」だな、と。

本命の彼にはないルックスの良さ。S全開のセックスという非日常感。陰で悪いことをしている背徳感。この人のテクニック、もしかしたらたいしたことないかも。そんな疑惑すらすべて帳消しにしちゃう、ルックスがどストライクの罪よ。

 

たしかに超好みの顔の人とセックスしたら燃えますよ。異常に燃えます。燃えて盛り上がってまたしたい! と思う。その欲望。知らず知らずのうちに「相性がいい!」とこの欲望を変換しているのです。「相性がいいからしたいの。それは本能でしょ。悪い?」といい訳を探している。

そう思ったのですが、実はそれって微妙に違う! 欲望ではなかったのです。愛情だったのです。ルックス超好みは愛情。R恵さん、あなたこの彼、愛してるんですよ。単なる欲望ではありませんでした。

 

なぜなら女性にとって、性はすべて愛情とセット。

愛は愛、セックスはセックスと切り離して考えることができないのです。世間一般でも言われていますよね。

「あの彼、セックスだけはいいんだよねぇ」なんて言う女性。たまにいらっしゃいますが、それって絶対ナイ。

かっこつけているだけか、何かそう言わなければならない理由──とても好きだけど自分が優位に立ちたい。「ツン」だからそんな言い方になっちゃう、ホントは大好きなのだけど、言いたくない。そんな深い理由があるからだと思っています。

 

だって、好きじゃなきゃセックスしたくないもん。してもいい、って思うときは愛している相手(どストライクの顔ふくむ)なんですよ。性だけの面でわたしたち繋がってるの~なんてないない。ありえない。

R恵さんはセフレの彼への愛情に気づいていないのか、わかってて「相性がいい」なんて下世話な台詞で気持ちをセーブしているのかそれは分かりません。

相性がいい。それはおまじないの言葉です。離れないでね。離れないわよ、の。

 

私がいままでの人生の中で経験した中でたったひとり、「これが相性ってヤツか!」と強く感じた方がいます。

その方は、べつにルックスがいいとか、超好みとかではありませんでした。でも見つめあった瞬間、何かが走ったんです。強い電流のような。こういう相手とはそうそう出会えないのではないか。

 

しかしその後、よく考えたのです。確かにこういう人のことを相性がいい、と言うのかもしれない。でもこの人のことは愛していない……。だから相性がいいって言いたくない……。そんな葛藤があったことを思い出しました。

 

だからなんか相性がいい、だけで語られるのはいやなんですよね。なんだかハスッパな気がして。愛が感じられない言い回しですしね。「相性がどうのじゃなくて、好きだからセックスしたい」のほうがずっといい。

 

でもふたりきりの時に彼に「私たち相性がいいね」というのはアリかも。それはおまじないですから。

 

こんな目に君をあわせる人間はぼくのほかにはありはしないよ  ※ 穂村弘 『ラインマーカーズ』(小学館)2003

「こんな目に」という負の言葉を正の方向に使うなんて。そこが、短歌のおもしろいところでもあります。

やっぱ愛だね、愛なのさ。

 

phot by  PHOMONA

たえなかすず

たえなか すず

(歌人/ライター/コラムニスト)

≫このライターの記事を読む

LINEで送る
Share on Facebook

アプリで、ANGIEがもっと快適に。

  • お気に入り機能で便利に読める
  • プロライターによる最新情報が充実!
ページの先頭へ