ハピネス

2014.05.29 UP

どこまでがブラック企業?終わらせ方から逆算して働き方を決める

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先日、ブラック企業に勤めているひとの相談にのっているNPO法人の代表がラジオに出演していました。『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)をお書きになった今野晴貴さんがご出演なさっていたわけですが、お決まりのように「ワタミ」とか「ユニクロ」という言葉が出てきて、とある企業からはこの本の記載内容をめぐって訴えられているとのことでした。

 

ブラック企業の実態や、なぜブラック企業が存在するのか? という、非常に興味深いお話をたくさん聞くことができましたが、そのなかで「どこまで働くとOKなのかというラインが日本にはそもそもない」という言葉が非常に印象的でした。

 

多くのひとがご存知のように、営業職なら、たとえば今月500万円のノルマを達成したら、来月は650万円を目指しましょう! と会社に言われ、650万円が達成できないと残業したり自腹で自社商品を購入したりして……というサイクルが、日本では当たり前にあるということです。

諸外国ではこのようなことはなく、先進国においては日本だけが「青天井的なのんきな倍々ゲーム」をやっているとのことでした。

 

雇われている側から見れば「ここまでやったのだからこれでOKでしょう」と、雇用主に言えない。あるいは「どこまでやればOKなんですか?」と尋ねることすらできない。こういう日本の風習ってどうなのよ? というお話。

 

今野さんは、ブラック企業が跋扈する理由のひとつに「IT化」を挙げていました。パソコンが普及したので、いろんな仕事が簡単になり、代わりのきく「オペレーター的な仕事」が増えた結果、ブラック企業が多数あるという説。

マニュアル社会になりつつあると、いろんなひとが警鐘を鳴らして数十年が経ちますが、マニュアル社会の成れの果てが今日のブラック企業がたくさんある社会だということでしょう。要するに「誰でもできるよね~」、「嫌なら辞めてくれていいよ~」という社会。

 

代わりのきかない仕事。そんな仕事があるのか? 自営業になるか、職人になるか。極端に言えばそういうことだろうと思います。ひとは誰だって「代えのきかない」「かけがえのない」存在なわけですから。

 

1950年代くらいまでは、自営業者のほうが多かった……サラリーマンやOLという働き方は、60年代以降にメジャーになった……という公的なデータもあります。

自営よりサラリーマンになったほうが儲かるからという考え方が60年代以降の世の中を覆っていたということです。

 

ぼくを含め、多くのひとが「どれだけのお金があればよしとするのか」を個々に決めてしまうと、しあわせな働き方をするひとが増えるのかもしれません。自営業や職人さん的な働き方も大変ですが、企業の「倍々ゲーム」はその終わらせ方がないので、もっと大変です。

終わらせ方を模索している企業が、後継者もなく「死ぬまで働いて、死んだら借金がチャラ」という選択肢しか持てていない……という事実もあります。ほとんどの会社が借入金でまわっていますし、無借金経営の会社はごくわずかだということです。

「終わらせ方」から逆算して「働き方」を決めたほうがハッピーに生きてゆけるのかもしれません。

 

※参考 ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』今野晴貴(文春新書)

ひとみ しょう

ひとみしょう

(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)

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