ハピネス

2014.05.20 UP

「株主のため?」池上彰さんに聞かないとわからない「働くこと」

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居酒屋チェーンや牛丼のお店などが、アルバイトが集まらないことを理由に閉店しているというニュースの本質がよくわからない。

雇う側からすれば、時給を上げてアルバイトを募集するくらいなら、お店を閉めたほうが儲かると思っているのだろうと思うけれど、雇われる側は、最低時給が1,500円ほどないと「人間らしい暮らしができないから」時給を上げるべきだと言っていたり……。

 

バブルがはじけてからというもの、企業は業績が悪くなると、まっさきに人員を整理する。つまり解雇して人件費を抑えて、どうにか企業の生き残りをかける。日本において「重たい」のは人件費なので、ひとが犠牲になる。

こういうコラムを書いている業界も、やはり人件費が大変なようで、その昔は、サーバーをレンタルするだけで毎月数百万円かかると言われていたけれど、最近ではどうなっているのか、そういう話は一切聞くことなく、とにかく安い金額で質のいい記事を書く書き手の確保が大変みたいです。

 

個人的な話をすれば、ぼくは雇う側も雇われる側も、両方やってきたけれど、ひとがいないと仕事にならない商売において、人員を整理するという発想じたいがまったくわからない。

人件費が浮いて、多少なりとも会社が黒字になるという理屈はわかるけれど、黒字になったあとでも、会社をやっていこうと思えば、やっぱりひとが必要であり、その「ひと」を切ってしまえば、どうやって会社をやっていくのか?

もっとも大企業は切っても切っても、優秀な人材がたくさんいるから、中小企業と根本的な発想がちがうと言われたらそれまでだけど。

 

大企業であれば、たとえば「株主のために」という言い方をすることがある。アルバイトをしているひとは「正社員になれず生活のためにしかたなく」バイトをしているという言い方をするひとがいる。

どちらも「断腸のおもいで」やっていることだろうと思われるので、第三者としてはご苦労さまとしか言いようがない話だけど、「この仕事が好きだから、やれる範囲で精一杯やる」というシンプルな理屈はすでに通用しない世の中なのだろうか?

 

巨大な飲食チェーンだって、1号店があったはずで、1号店を出したときは、経営者もアルバイトもみんなそれなりに熱意があったはずであり、その熱い思いがいつのまにかお金を稼ぐという巨大な歯車に飲み込まれたのか?

 

こういうここ20~30年くらいの「はたらくこと」の歴史も、池上彰さんに解説をお願いしないと、ぼくにはなぜ店舗を閉めるのかがよくわからない。もっとも「なくても暮らしていけるから」閉めると言われたら、それはそれで納得するけれど。

 

Photo by Pinterest

ひとみ しょう

ひとみしょう

(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)

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