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2014.06.23 UP

お金持ちじゃなくても「オーガニック野菜」を気軽に買えるようになるかもしれない【タワリ・エバさん&ジュスティンさんインタビュー・第3回】

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タワリのエバさんとジュスティンさんへのインタビューシリーズ2回目の前回は、社会貢献をビジネスとして成り立たせる方法についてご紹介しました。

3回目の今回は、彼女たちがなぜタワリを立ち上げたのかなど、プロジェクトの裏にある想いについてお話いただきました。

どんなことを考えてプロジェクトに取り組んでいらっしゃるのでしょうか。さっそくみていきましょう。

 

今「当たり前」なことは必ずしも「ベスト」ではない

聞き手Takako(以下T): わたしたちは質の良いものを食べていないのでしょうか?

 

エバさん(以下E): わたしたちが質の良い食品を摂取していないのは、質の良い商品を買っていないからといえます。わたしたちはグローバリゼーションにより、スーパーマーケットに行くと一年中簡単に何でも手に入るようになりました。そしてそういう生活に慣れきっています。

50年前、私たちの祖父母の時代には買うことに対する野望や執着といったものはありませんでした。彼らは市場に行って、その地域で作られたその時入手可能なものを買っていたのです。

50年の間にわたしたちは何を買うか、どうして買うかという意味を見失ってしまったのでしょう。全てが簡単に手に入ればそれが良いということではないのです。なぜかというと、そうやって簡単に手に入るものが必ずしも一番良いものではないですから。

 

だから、わたしたちタワリは少しだけ起源に戻ろうとしています。

わたしたちの祖父母が市場に行ってその地域でとれるものを買っていたということは、当時それしか手に入らなかったのだから、理にかなっていたのです。その地域で生産されたものしか手に入らなかった。

グローバリゼーションがもたらした功績はさまざまですが、食に関して言えば、例えば、スペインでは通常生産できないチョコレートやお茶などが手に入るようになりました。そういった商品は輸入に頼らざるを得ないでしょう。

しかし、輸入に頼らなくても、スペイン内で多くの食べものが手に入るのです。

 

流通の不透明さと生産者の利益

E: もうひとつの大きな問題は現在ディストリビューション(流通)がとても不透明だということです。

つまり、スペイン産でないトマトがスーパーマーケットに2月にあるものの、わたしたちはその不透明なディストリビューションを普通だと思って買っている。タワリを作った理由のひとつは、食べものがどこから来ているかいつでも誰にでも分かるようにしたかったことがあります。

もちろん、わたしたちタワリが教えるのではなく、エコ・エンクエントロに来る生産者が消費者に説明します。

消費者に野菜と果物がつまった箱を渡してサヨナラということはなく、それらの野菜や果物がどうやって作られたか説明するのです。

 

T: スペインの少なくともバルセロナの場合は「市場文化」というものが残っているので、街の市場で質問したりできるとも思うのですが、違いますか?

 

E: 実のところ、市場で働いている人々のほとんどは生産者ではないのです。

 

T: なるほど、ただ販売しているだけなのですね。

 

ジュスティンさん(以下J): Mercabarna(メルカバルナ)というところで買ってきて、市場で販売しているのです。

本当に、生産者は少ないです。

Santa Caterina(サンタ・カテリーナ)市場には少なくともごく一部しか生産者はいませんね。Boquería(ボケリア)市場も同じです。殆どの人がメルカバルナに買いに行きます。

 

T: メルカバルナとは何ですか?

 

J: メルカバルナとはつまり……。

 

E: 小売店にだけ販売している巨大な卸売りの会社です。

もし、例えばあなたが八百屋のオーナーだとしたら、毎日もしくは何日かごとにレタスが必要になります。メルカバルナに行けば大量のレタスを買うことができます。メルカバルナはさまざまな生産者からレタスを購入しています。

 

T: ということは、バルセロナに点在する全ての市場は同じ所から仕入れているということなのでしょうか?

 

J: そういうことです。メルカバルナはスペインのほとんどの大都市近郊にあります。

 

E: もちろんオーガニック商品もありますし、商品はさまざまです。ただ、大きなスケールで販売しています。

 

J: 問題はメルカバルナが生産者から大量購入するときに、値下げを要求するという点です。値段が下がるように生産者にプレッシャーを与えます。

そこで販売されている果物の(生産者の)マージンはとても小さくなります。ただし、そのあと仲介業者がマージンをとりますので最終的な店頭価格は上がります。

これがわたしたちの強みのひとつです。わたしたちが販売している食べものは通常のオーガニック商品と比較すると安いです。

 

T: そうですね、オーガニック野菜のお店に行くととても値段が高いと感じます。オーガニックな野菜を購入しようと思っているのですが、出費もかさみます。

 

E: それはおそらく、あなたと生産者の間に4つくらい仲介業者が入っているからでしょう。

しかも、その商品の購入時に支払った金額の半分か、それ以下しか実際生産者の懐には入らない。もしも、収穫したトマトをどこかの仲介者に運ぶ人がいて、その仲介者がお店に卸して、お店であなたが買ったとします。この時点で既にあなたと生産者の間に3つの仲介業者が入ることになります。

トマトの生産者が小さなマージンしか得られていないということを考えると、理にかなっていません。

 

T: 確かに、そうですね。

 

オーガニック農家になるということ

T: 今も昔も生産者の方々は何層にもわたる仲介業者を通る方法でしか売れないのではないでしょうか?

 

E: そうですね、この方法は「伝統的な方法」ですね。オーガニック農家の場合は、思考方法を変えた人たちなので、この「伝統的な方法」からオーガニックな方法にシフトしています。

つまり、この思考の変化は単に農業のやり方だけに現れているのではなく、販売方法にも当てはまります 。このオーガニックへの変化は精神面における変化なのです。

 

多くのオーガニック農家は数ヘクタールにも及ぶ広大な土地を持っているわけではないので大量生産はできません。彼らは祖父母が伝統的な農業を行っていた土地を受け継ぎ、自分たちの世代でオーガニック農業を始めました。

彼らの多くは消費者に野菜が入った箱を直接持っていったり、市場に行ったりしますし、彼らはオーガニック野菜の生産に手間がかかることや、仲介業者を介する販売を始めると最終的な値段がかなり上がってしまうことをよく知っています。

 

また、多くのオーガニック農家はオーガニック商品を誰でも購入できるようにしたいという信念を持っているのです。お金持ちでなくてもオーガニック野菜を買う選択ができるように、リーズナブルな価格に抑えたいと思っているということです。わずかなマージンを得て、直接消費者に販売しようとしています。

 

今回のインタビューいかがでしたか?

わたしもたまに市場に買い物にいくのですが、市場を裏から支えている生産者の方々の利益率については考えを巡らせたことは正直ありませんでした。

また、「オーガニック」(有機栽培)という言葉は健康志向の人にとっては響きが良いため、販売側が商品の価格を上げるための理由として使われることもあると思います。

そのような中、多くのオーガニック農家の方々がオーガニックな野菜や果物をリーズナブルな価格で販売しようとされていることはとても嬉しく感じました。

オーガニック商品が少しだけ背伸びすれば誰でも購入可能な選択肢のひとつであり続けてほしいと思います。

 

次回は、タワリの今後の拡大プランについてお話を伺います。

どうぞお楽しみに。

 

Eva Pulido

カタラン人。大学でバイオ技術を専攻。複数の研究プロジェクトに取り組んだ結果、視野を広げる必要性を感じ、社会貢献できるプロジェクトに興味を持つようになる。タワリの活動を通して世界を少し良くすることに貢献できていると信じている。

 

Justine Cattacin

フランス人。フランスのビジネススクールEDHECで学ぶ。スタートアップ、NGO、社会貢献に関するプロジェクトで経験を積む。タワリは彼女にとって技術的なプロジェクトと協力・社会貢献・思いやりといった価値を結びつける方法である。

 

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(写真:タワリ提供。右がジュスティンさん、左がエバさん)

Takako
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