ハピネス

2014.05.10 UP

結果とは「売上」ではなく社会に認めてもらえる事【第1回笛木紀子さん聞く】

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前回の「誰かのために、生きる。 ~はたらくということ~」の特集では、スペインはバルセロナに在住のビアンカさんのインタビューをお届けしました。マサチューセッツ工科大学を辞めて、Apple社も辞めて、ゼロから資金集めをしつつ、独創的なデザインのブランケットをつくっているビアンカさんの一つひとつの言葉がとても印象的でした。

 

今回から全6回で、各研究機関と連携してアトピー患者さんの手助けをしている食養家(スポーツ選手などの統括健康管理や、畑の運営などを行う仕事)の笛木紀子(ふえきのりこ)さんにお話をお聞きします。

ご自身も息子さんもアトピーだったという笛木さんは、1986年に株式会社レノアコーポレーションを設立。現在は独自のメソッド「れのあ式」を確立し、現代医療はもちろんあらゆる民間療法を試しても改善が見られなかった重度のアトピーの方を中心に手当てをしています。

 

お話をお聞きしたのはエッセイストのASAMIさんです。

それではさっそくASAMIさんと笛木さんのお話をご紹介しましょう。(編集部)

 

第1回:わたしが諦めない理由

私、ASAMIが笛木さんと出会ったのは2年前の夏、ある起業家スクールでのことです。

経営者ばかりの集まりの中、私ひとりが会社員ということもあり、笛木さんには特にかわいがっていただきました。

小さくて細くて、若々しい笛木さんは、一見社長には見えませんが、お話を聞くとかなりのやり手。

東京の町田から新宿までのロマンスカーの中でお聞きした笛木さんの半生は、波乱万丈であり、想像を超えたもので、笛木さんのすごさに鳥肌が立ちました。

アトピーの患者さんのためにじぶんの人生をかけて取り組んでいる姿は、まぶしく、周りの人をどんどん巻き込んで、2年の間にさらに進化、成長をされました。女性として憧れと尊敬の存在である笛木さんを、ぜひANGIEの読者の皆様にも知っていただきたく、インタビューさせて頂きました。

 

放っておけない

ASAMI:笛木さんはアトピーに悩む方の相談にのり、独自の手法で、アトピーさんの改善をされていますが、長年、アトピーさん一筋にやって来られた理由はなんでしょうか?

 

笛 木:私は子供の頃、全盲で難聴のおばに預けられました。いまでも彼女の事を思い出すと胸が締め付けられます。全盲という理由で、心ない言葉を何度も聴きました。

彼女といつも一緒にいたことからか、弱い人を守らなければ、困っている人を助けなければという思いがいつもあります。

 

ASAMI:全盲のおばさまと一緒にいたことが、笛木さんが歩く道を作ったと言ってもよいのでしょうかね。

 

笛 木:彼女と私のコミュニケーション法は、触れることだけ。皮膚に触って相手の様子を判断する、その感覚が、皮膚に触れることが好きな今の私を育てたのだと思います。

 

ASAMI:笛木さんはエステシャン時代に重度のアトピーさんをみて、一緒に泣いたとのことですが、ご自分の性分というか性格も、長年アトピーの改善に取り組んでいることに関係しますか?

 

笛 木:お節介なんですかね。困って、悩んで、苦しんでいる人を放っておけない性分なんです。

 

結果を出すしかない

笛 木:それともうひとつ。実は高校生の頃でグレて、ハチャメチャしたので、大学に行けなかったんですね。

で、医者にもならなかったし、管理栄養士にもならなかったし、看護師にもならなかった。でもアトピーさんに出会って、何とかしてあげたいという情熱は湧いてくる。

 

しかし、何の資格もない自分が、アトピーさんを改善する食の世界や治療の世界で生きていってはいけない。私は、生きていくための肩書きを持っていないという思いが強かったんです。

 

でも、アトピーの改善の手伝いを諦められない。だから社会でこれをやり、認めてもらうのは結果を出すしかない。

そこが自分の生き方だ。結果を出すことだけが社会に認めてもらう道だと思っていました。

 

ASAM:経営者の方は、やはり儲けることを考えてしまうと思うのですが、笛木さんは、儲けたいなどという思いではなく、ただただアトピーさんを良くしたい。

それと、自分が生きていくために結果を出したい。

でもその結果とは、売上などの数字ではなく、社会に認めてもらえることをする、ということに繋がっているんですね。

 

笛 木:結果を出すために良いことをしたい。あとはついてくるでしょう。

 

ASAMI:ただ結果を出すのではなく、「良いことをしたい」なんですね。

 

笛 木:そう。だから経営者ですけど、そこに経済は考えていない。通帳はみないですし。事業計画書も作れない(笑)。

 

いかがでしたか?

仕事のうえで結果といえば数字=売上という概念が一般的かと思いますが、笛木さんのように結果とは社会に認められたかどうかだという姿勢は、皆さんにもぜひ知っておいていただきたいと思います。

 

どんな仕事をしたいのか? という話になれば、多くのひとはそれを「どんな職業が私ににあっているのか」と捉えがちだと思いますが、「社会に認められる(社会に貢献している)仕事であれば、どんな仕事も立派な仕事である」と言えるのではないかと思います。

 

次回は「じぶんらしく生きること」について、笛木さんに引き続きお話をお伺いします。ご期待ください。

 

※取材協力

笛木紀子(ふえきのりこ)株式会社レノアコーポレーション 代表取締役

 

東京都町田市にて、「皮膚トラブル専門店」を構える。

エステシャン時代に重度のアトピーさんに出会い、アトピー改善への情熱が膨らむ。自身や長男のアトピーも体験し、皮膚のトラブルは食生活に深く関係すると確信をもち、「体質改善」の大切さを痛感。食に関する研究も重ね、食養家としての顔も持つ。

 

27年間で1万人以上のアトピーさんの相談にのり、独自のメソッド「れのあ式」を確立し、医療では改善が見られなかった重度のアトピーの方の手当てをしている。

2013年12月、ドリームプラン・プレゼンテーション世界大会で「感動大賞」を受賞。受賞以降、各方面からの講演依頼も多く、また難しいとされてきた医療との提携の話もあり多忙な日々。

今一番力を入れているのは、アトピーさん向けスイーツの制作で、生産に向け各方面に提案中。クラウドファンディングサービス「READYFOR」にてアトピーさんに笑顔を届けるプロジェクトを展開中。

 

Photo by れのあ

ASAMI
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