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2014.04.12 UP

子どもが生まれると、離婚のリスクが高まるってホント? 

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赤ちゃんの愛らしいほほえみ、穏やかな寝顔。誰もが見ているだけで幸せな気持ちになります。

でも、赤ちゃんの存在が女史の幸せを脅かすとしたら……? にわかには信じられないと思いますが、実は、子どもが生まれると、離婚のリスクが高まるというデータがあるんです。

 

厚生労働省が全国のシングルマザーを対象に行った調査によると、離婚と子どもの年齢に大きな関係があるそうです。

シングルマザーの3割近くは、下の子どもが0~2歳のときに離婚をしているのです。

 

なぜ、結婚や家庭の幸せの象徴ともいえる赤ちゃんが、離婚につながってしまうのか?

それは、出産後には夫婦の愛情が急激に冷え込んでしまうから。

これを「産後クライシス」といいます。2年前にNHKの番組で取り上げられ、大反響を呼んだ言葉です。

 

では、なぜ出産後に夫婦は冷めちゃうのでしょうか?

 

子どもを授かった瞬間に母になる女 変わらない男

じつは、筆者も産後クライシスに直面したひとり。ごく普通に結婚して、子どもができて、ごく普通に子育てをして家庭ができると思っていました。でも、「普通」な家庭を作るのは、予想を遥かに上回る難しさでした。

子どもが生まれると、その瞬間に女性の生活は劇的に変わります。

ひと言でいうと、何もできなくなります。

その生活の様子は、家庭によってかなり個人差が大きいと思いますが、筆者の経験や一般的にいわれている話だと、こんな感じです。

 

授乳して、おむつを替えて、赤ちゃんを寝かしつけて、の延々繰り返し。

泣いている赤ちゃんをやっとのことで寝かしつけても、ベッドに置くと泣いてしまうからと、1日中赤ちゃんを抱っこして過ごすこともしばしば。そうしているうちに、手首は腱鞘炎になり、指は曲がらなくなり、腰も痛くなり……と身体がボロボロになることもあります。

 

赤ちゃんを抱っこしていると手が空かないので、友だちに「生まれたよ!」と報告したくても、メールすら自由にできない。

赤ちゃんを片手に抱っこして、反対の手でスマホを見るのがやっとです。

自分のご飯を食べる時間も、寝る時間もほとんどとれません。トイレにすら行けないこともよくあります。

 

まさに「赤ちゃん一色」な生活は、体力的にも精神的にもけっこうタフです。

24時間休みなしで育児をする妻。

これに対して、夫は今までとほとんど変わらない生活を続けることができます。

仕事もいつも通りできるし、残業もできる、飲み会も行こうと思えば行ける、帰ってきたら好きなテレビを見て好きな時間に寝られる。

ここで、「産後クライシス」が始まるんです。

 

「イクメンじゃない=産後クライシスになる」ではない

ちまたでイクメンといわれる男性たちは、自分の生活を「赤ちゃんモード」に変えることができます。

子育てをしている妻を気遣ったり、労ったり、一緒に赤ちゃんグッズを買いに行ったり……。

人によっては、残業も控えたり、飲みに行くのもやめたりして、夜はせっせと家に帰って子どもをお風呂に入れたり寝かしつけたりします。

 

夫がこういった「赤ちゃんモード」になると、妻は心身ともにストレスが軽くなったり、夫への感謝や愛情を感じます。

 

ところが、子どもができても夫がそれまでの生活を続けようとすると、赤ちゃんとの共存は難しくなります。それはすなわち、「赤ちゃんモード」な妻との共存も難しくなってしまうこと。

赤ちゃんがすやすや眠っている深夜に帰宅して、赤ちゃんと寝不足な妻を起こしてしまう。

かつては妻と楽しんでいた晩酌をすると、授乳中でお酒が飲めない妻の逆鱗にふれるなど、生活のささいなところに食い違いが生じてしまうからです。

これが夫婦間の不和を生み、「産後クライシス」になるかもしれないのです。

 

残念ながら、今の日本の社会では、男性が育児のために定時で仕事を終えるとか、飲みに行かないといったことはなかなか難しいものです。ですから、男性が育児をできない家庭もたくさんあります。「イクメンじゃない=産後クライシスになる」ではないと思います。

 

問題なのは、そのときの夫の態度や、夫婦でのコミュニケーションです。

子どもが生まれる前と同じ生活を、妻の前で堂々と続ける、育児で疲れている妻をいたわらない、赤ちゃんに興味を持たない、妻の話を聞かないといった態度が、妻のストレスになり、夫婦の愛情を冷めさせてしまうのです。

 

「育児は乳母に任せます」みたいな特殊なケースを除き、ほとんどの女性は、出産をすれば自分の生活も仕事もさておいて、子どもにかかりっきりにならざるを得ません。「ならざるを得ない」とか考える以前に、とにかく目の前の赤ちゃんとの生活にまっしぐらです。

 

女性には、授乳をするため、赤ちゃんとの肉体的なつながりがあります。

また、ホルモンの働きによって、自然と赤ちゃんを愛しく思い、赤ちゃんと精神的なつながりを強く感じるようにできているといわれています。

ですので、女性はわりとスムーズに(というか強制的に)「赤ちゃんモード」になります。

 

その反面、男性は、女性と同じように赤ちゃんとつながることができません。赤ちゃんを授かったときや、生まれて赤ちゃんの顔を見たたときに、「ああ、自分は父親になったんだ」と頭で理解するところから始まります。

しかも、夫は「絶対に自分がいなければ、赤ちゃんは生きていけない」という状況になりにくいので、必ずしも「赤ちゃんモード」にならなくても暮らせます。

ですから、男性は構造的に「赤ちゃんモード」にはなりにくい、というハンデはあります。

 

ただ、だからといって「赤ちゃんモード」をまったく取り入れずに自分の生活を続けようとするのは、やっぱり女性側としては不愉快ですよね?

「産後クライシス」は、個々の夫婦によってその中身はさまざまです。でも、少なくとも「変わる女と変わらない男」の間に生じるギャップが、多くのカップルで不仲の原因になるのは間違いないでしょう。

 

幸せになるための結婚や出産が、悲しい不幸を招かないように……。

これから結婚・出産を考えている方、あなたの彼が「変わらない男」かどうか、今のうちに見極めておくことをオススメします。

 

Photo by Pinterest

加藤 梨里

加藤 梨里

マネーステップオフィス代表(ファイナンシャルプランナー(CFP R))、慶應義塾大学SFC研究所上席所員

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ファイナンシャルプランナー(CFP R)、慶應義塾大学SFC研究所上席所員

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