ハピネス

2014.04.06 UP

日本の七不思議に認定「正しい接客をしたのにお客さんが減った」

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先日、ケータイ電話ショップに行った。じぶんのスマホの通話記録を書類で出してほしかったので行ったのだが、書類が出てこない。

わかっていたことだけど「オレだよ、オレ!」では当然通用しないので、まず身分証の提示を求められ、暗証番号をテンキーで入力させられる。ご本人様が、ご本人様のケータイの通話記録を取得しに来たということを、まず確認させられる。

が、書類が出てこない。後日、郵送でないと渡せないとショップの店員は言い張る。

 

ショップの店員さんは、おそらく(というか絶対)「上から言われたことを、言われたとおりにやっている」わけで、たぶん(というか絶対)罪はない。

「上」とは本社の賢い人たちだと思うけど、本社の賢い人たちも、たぶん(たぶんが多くてスミマセン)国の法律や指導に基づいていろんな決まりを作っているのだろうと思う。なにもお客さんを懲らしめてやろうと思って、郵送でないと通話記録を開示できないと言っているわけではないと思う。

 

みんなが「正しいこと」を少しずつ積み重ねた結果が「本人が、じぶんの通話記録を取得するのに、何日もかかり、おまけに送料も取られる」という結果になる。

これって、おかしくない?

 

2000年をさかいに、飛行機にほとんど乗らなくなったが、ビンなんちゃらという人がテロを起こす前は、わりとセキュリティがゆるかったように記憶している。

絶対このおばちゃんはテロではないと、見たらわかる人から、液体物を巻き上げたり、ライターを巻き上げたりというようなことを、昔の空港はやっていなかった。

いま、巻き上げる人たちは、これまた、お客さんを懲らしめようと思って、巻き上げているわけではない。みんなが「安全」という「正しい」目標に向かっていったときに、犠牲なるライターや刃物があるだけのこと(刃物を持ち歩く人の所持理由がいつもわからないのだが……流しの料理人さんなのかな?)。

 

正しい手続きをみんなで積み重ねた結果、誰にも言えないような不快感とか、文句とか、そういうものが気持ちのなかに残る。この感情をみんながどう処理しているのか、非常に気になる。

ときどき、窓口の無垢な青年や女子を罵倒している客を見かけるが、それも違うと言えば違うように思う。

 

こうなれば、正しいことをみんなで積み上げた結果、「ちょっと違うと思われる結果になった」というのは、日本の七不思議のひとつに認定したらどうかと思う。それで誰かの気が晴れるとも思わないけれど。

 

正しい手続きを踏ませる社会は、成熟した社会であると思われるが、その背景には不信がある。要するにみんなふつうにニコニコしながら、腹の中で相手のことをちょっと疑っている社会。

そういう社会にできるだけ参加せずに、いつも、誰に対してもオープンマインドでのんびり暮らそうと思えば、スマホを持たず、飛行機にも乗らなければいいのかもしれない。

便利さが不信を生むのであれば、頑固さがしあわせを生むと言えなくもない。

 

Photo by Pinterest

ひとみ しょう

ひとみしょう

(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)

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