ハピネス

2013.09.01 UP

どこまで堕ちるか、女の人生!~絶望の先を見てみたくて~【第4話】

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友達になるための方法

 

1年ぶりに会った彼は、記憶の彼とまったく変わっておらず、相変わらずぎょっとするような恰好をしていました。

 

「でもまあ、これなら男女関係にはならなさそうだから安心だな」などとホッとしたものです。

やっぱ恋愛は怖いもんね。まだ私には早かった……なーんて思いながら。

 

と、思っていたのに。

その様子が変わっていったのは、居酒屋に入ってから。

 

いいですか、皆さん。話のうまい男を、居酒屋なんて連れて行くものではありませんよ。

 

アルコールで考えの回らなくなった頭に、それらしいことを言われると「なんかすごいこといってる! この人すごい!」ってなっちゃう。私もそれ。

 

「○○はこうやって水の表現をつくっているんだよ」「こういうグラは××を使ってつくるんだよ」などといわれると、「ほほ~この人意外とすごいんだなあ」なんて思っちゃう。

特に専門用語なんて出されたら、みなさんわからないでしょ?

それがまったく興味ない話だったら「ふーん」で済まされるけど、ちょっとでも興味のある話だと大変危険。

どんどんどんどんのめりこんでいく。

 

しかし……私のかつてのバカな元カレたちは、こんなとき、いかに君が素敵か、いかに君を愛しているかなんていう話ばかりしていました。

それを聞いてぽ~っとしていた私はもっと大馬鹿者だったのだけれど、そんなことよりも、よほど楽しい話が聞けた気がした私は、大いに満足していました。

考えてみればゲームの話できる人、周りにいなかったんだよね。だから楽しかったのでしょう。所詮オタクといえど、私、ニワカだし……

 

それですっかり油断をしていたら、手を触れられて、これからどこいこうかとかそんな展開になっていました。さすがナンパするほどの男。1年経ってもやることはやりたかったようで。

 

もしも、私がそこで「私、今あなたのこと好きになっちゃったー! 付き合って!!」とかいって、その場で抱きついてブッチューするくらい、素直でぶっとんだキャラであれば、今と違った幸せな未来があったのかもしれないな、なんて思うわけです。今となってはね。

 

でもそのときのわたしは、彼に手を触れられながらも、付き合うなんてとてもとても考えられなかった。

 

男は信用ならん、どうせまた私を傷つけるんだ……。なんて過去のトラウマがよぎりながらも

こんな男とは、現実的には付き合えないだろ……親が見たら泣くわ。なんて、ちゃっかり打算的な考えもしてた。かわいくなさすぎ。

 

だからといって、彼に対してはどうしても、「もう会わないからここでバイバイね」とは言えなかった。

なんとかして、このまま彼と仲良くしていたかった。でもそれは男としてじゃない。友達にしたい人に会えたから、何か恋愛とは違う、ほかのことがしたかった。

 

けれど残念ながら向こうは私のことを、性欲の対象としか見ていなかった。

ただの友達になったら、こんななんのスキルもない女など、会う価値を見出してくれないだろう。「やらせてくれないような女と会う時間はない」と言われても仕方ない。それはさみしい。

 

この感情は、まるで久しぶりに楽しいと思えるオモチャを見つけて、放したくない子どもと同じ気持ちでした。

だから私は、その不純な友情を築くために、ぐっと歯を食いしばり、彼に手をつながれるまま、歌舞伎町の路地裏に歩を進めていったのです。

 

私はこうして、自ら地獄へと進んでいきました。 そう、自分で選んだ道です。

 

今思えば、ほかにも手段はあったのでしょう。でも、頭のネジが外れて以来、ヒトとの関係の結び方がうまく分からなくなってした私は、「とりあえず」体の関係を結んで、恋愛とは別の次のステージに進むしかなかった。

なんて浅はかな考えでしょうか。一般的には、一度体の関係を結んだら、体の関係にしかなれないと言われているのに。

 

どうか皆さんは、人をつなぎとめるためにセックスをするなんて、そんな虚しいことをしないでくださいね。

素直に笑うことができれば、だれでも友達にくらいなれますから。

そういえばそのときの私は、もうずっと何年も心の底から笑っていなかったような気がするんです。それでは友達もできませんね。

 

>>どこまで堕ちるか、女の人生!~絶望の先を見てみたくて~【第5話】

 

Photo BY ♥OhLizz♥

 

メルヘン 可憐子

メルヘン可憐子

(コラムニスト/エッセイスト)

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