ハピネス

2013.08.31 UP

どこまで堕ちるか、女の人生!~絶望の先を見てみたくて~【第3話】

LINEで送る
Share on Facebook

lgf01a201307232000

ナンパ師はその日には遊ばず、3日に1度の「おはよう」メール

 

 

新宿で会ったゲームデザイナーの彼。私に「メールしよう」といってきました。

 

普通はナンパって、この後飲もうとか、この後遊ぼうとかいいません?

だから「メールしよう」ってお誘いが、なんだかとても新鮮だったのです。ガッついてない感じがしませんか?

 

彼から教えてもらったメールに私が送ってみると、彼は自分で描いたという絵をつけて返信してくれた。その圧倒的なグラフィックのクオリティに、ただただびっくりしたことは今でも覚えている。

 

人って、自分にはないものを持っている人に、とても弱いんですよね。私に持ち合わせていない才能の前に、無条件で降伏してしまうのです。

私の場合はそれがたまたまそこだったのですが、皆さんもそんな経験ありませんか?

 

「ゲームデザイナーだって! なんかすごい子とお友達になっちゃったかもしれない! いろんな話聞こ~っと! なんならわたしもライターだし、いずれ一緒にゲーム作っちゃったりして! 会社起こしちゃったりして!」

……なーんて妄想を膨らませながら。今思えば、このときの私は随分暢気なものだったと思います。

 

でも、今になって理解できるんだけど、この男の作戦、すっごくうまかったんだよねーー。

だから警戒心を与えることなく、うまく自分のアピールポイントを私に植え付けることができたんだと思います。

 

その日から、彼は3日に1度ほどの頻度で、私に「おはよー」というメールをくれましたが、でも私が返信をしても、それには返信なし。

「へん、気まぐれなやつだな」とか思っていました。 癪だから無視しても、やっぱり「おはよー」は途絶えない。

でも、これも彼の作戦だったのでしょう。

ちょっとメールがこない期間が空くと、「そういえば最近あの子からメールこないなあ」って、気になるから、完全に忘れることができなかった。

 

とはいえ、一度興味が離れてしまうと、わざわざ会うのは面倒くさいと思ってしまう私。

途中、遊ぼうとか会おうという話が無いわけではなかったのですが、どうも気が進まず、それからなんと1年も放置してしまいました。

 

だからそのまま、ずーっと会わなくてよかったのに。

 

今でも友人に、「なんでそのときに彼に会おうと思ったの? 好きでもなんでもなかったのに」なんて聞かれると、正直いって、分からない。

 

たぶん、好奇心、という言葉がとても近い。

かつて大失恋をして以来、恋愛にとことん懲りていた私は、そこから何年も自分を茶化し、男っ気がない人生を選んできました。

つまり、いってみれば誰からも傷つけられることのない殻のような世界にこもっていたも同然だったのです。

 

その安全すぎる世界に、本当は、ちょっとばかり飽きていたのかもしれません。

私は少しだけ、外の世界に出て、恋愛のもつ楽しみや苦しみを味わいたかったのかもしれませんね。

傷つくことは知っているくせに、また味わってみたくなる。そう、まさに私は、恋愛中毒患者だったのです。

 

だから潜在的に刺激が欲しかった私は、ある日彼に「今日あっそぼー」とメールしてみたわけです。

 

>>どこまで堕ちるか、女の人生!~絶望の先を見てみたくて~【第4話】

Photo By javierdevilman

 

 

メルヘン 可憐子

メルヘン可憐子

(コラムニスト/エッセイスト)

≫このライターの記事を読む

LINEで送る
Share on Facebook

アプリで、ANGIEがもっと快適に。

  • お気に入り機能で便利に読める
  • プロライターによる最新情報が充実!
ページの先頭へ