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2016.07.01 UP

「夢」を仕事にするには?女性起業家が教える30歳でつくる生き方【前編】

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30代になると複雑に絡み合う、仕事と恋愛を紐解く特集。いつの間にか消えていた夢、働くってどうゆうことなのかもう分からない……なんて感じるとき、ありませんか? 今から夢をキャリアに繋げること、できますよ!

 

働くことだけが人生じゃない。結婚だってしたいし、子どもがいてもいいかもしれない。仕事にはならないような、ちいさな趣味にも時間をかけたい。好きなことがいっぱい。

それはそれで、素敵な人生になりそうですね。たしかにキャリアだけが、人生の価値を決めるわけではありません。

ところが、生活のために働かざるを得ない人も、多くいると思います。どうせ仕事に時間をついやすなら、夢をもって、楽しく働いたほうがおトクだと思いませんか?

どうしたら自分の仕事に夢をもって、キャリアを輝かせられるのでしょう。たとえ30歳を過ぎてからでも、叶えたい夢を見つけて前に進みはじめた女性たちはたくさんいます。

 

今回は、30歳を転機に自身のキャリアゴールを見つけ、現在、2つの会社を経営されている中村彩織(なかむら さおり)さんに、自分の夢を見つける方法(前編)と、夢のあるキャリアを描く方法(後編)を教えていただきました。

 

私が本当に好きなことって、なんだろう?

中村さんには2つの肩書きがあります。ひとつは、居住空間におけるデザイン・企画、内装プロデュースを担う「株式会社 style F」代表取締役。そして、働く女性のキャリア支援や企業の女性活躍推進コンサルティングを行う「株式会社STORIO」代表取締役。前者は28歳のときに、後者は33歳のときに起業されました。

 

「学生のとき、漠然とした夢として起業したいと思っていたのですが、30歳目前になるまで『起業』という夢をリアルに捉えていませんでした。

高校生の頃には『建築家になりたい』という夢がありましたが、高校2年生の時に文系の科目をとって進学すると決めた時点で、理系進学は諦めていました」

 

昔から夢として持っていたクリエイティブな感性を活かせる建築業界に魅力を感じつつも、中村さんは人材業界のベンチャー企業に就職。求人媒体の営業として3年間働きました。

その後、大手IT業界に転職し、人事として働いたのちに、28歳で独立に至ります。

 

「転職をし、人事に転身したあと、学ぶことが山ほどあり楽しく働いていました。でも、人事よりも前職で得られた営業や新規事業立ち上げの時に感じた高揚感、やりがいの方が好きで、もともと事業創出に興味が強かったことを思い出しました。そして、そもそも『自分が好きなことや、本当にやりたいことは何だろう?』と真剣に考えるようになりました。

その時、高校生の頃は建築家になるという夢があったことを思い出したんです。建築家ってオリジナルな建物を作り、日常を豊かにしているんですよね。あらためて、本当に自分がやりたいことについて考えてみると、クリエイティブな仕事でクライアント様のオリジナリティのある空間(らしさ)や、その体験価値を創ることがしたいのだなと気が付きました」

 

そして、「好きなことを仕事にする」という目的のもと、未経験の業界にもかかわらず、中村さんは勇気をもって空間デザインや内装プロデュースを手がける会社を立ち上げます。

 

好きな仕事をしているはずなのに「夢がない」という現実

「人材業界のあとに人事職にときたら、本当はHR領域で独立するのが自然な流れだったと思いますが……」と苦笑いされながらも、当時はその選択はまったく頭に浮かばなかった、と中村さんは話します。

 

「20代後半は、とにかく好きなことに挑戦したかったんです。当時の自分は、どうすれば世の中に、新しい価値を提供できるかということに傾倒していました。

それまでの社会人経験5年半ほどで、営業職や人事職をやってきて、目に見える形で『クライアント企業×私』の融合だからこそできる物作りという達成感をあまり味わえずにいました。いま振り返ると、まだ人事領域での経験やスキルが足りなかったのだと思います。もっと『クリエイティブな仕事』がしたい! その『企業様らしさ』を私の感性で形にしたいと思いました」

 

インテリアや内装デザインの経験は、ほぼなし。自分にあるのは感性だけ。そんな状態からはじまった、内装業者の「株式会社 style F」。

経験や知見が少ない中、お客様の実現したい「空間づくり」を体現するにはどうしたらいいのか。スタートして、まもなくその問題に直面します。そこで、中村さんは持ち前の営業力と機転を活かし、プロフェッショナルたちと協業・提携をしていきます。

 

「お客様のニーズを解決し、理想の空間づくりを実現する。自分ができないことやないものを持っている人を見つけて、『プロジェクト化させる』ことを始めました。

確かに私はデザインの勉強はしたことがありませんが、これまでの経験からお客様のニーズをくみ取り、その実現に併走することはできる。それなら様々な知見や経験を持っている人を巻き込んで、一緒に仕事をすれば良いと。そうしているうちに、どんどんお客さんが叶えたいものを叶えることができるようになりました」

 

好きな仕事をして、毎日一生懸命はたらく。異業種でも自分らしく、充実した日々を送っているように見えます。

そんな中村さんに、その後の人生を大きく揺るがす転機が訪れたのは、独立をして2年後、30歳を迎えたときでした。30歳という節目を迎えた日、とある方にこんな質問をされたそうです。

 

「サオリは、好きなことを好きなだけやっているよね。だけど、結局のところ将来なにをしたいの?」

 

その時は答えることができなかったのですが、自身の考えが定まったきっかけになったと言います。

 

好きなことじゃない。「得意なこと」に気付いて。

「インテリアも好きだし、内装の仕事もやりたい。これまでやってきた人事や人事紹介の仕事も、ずっとやってきたし、やりがいはありました。だけど、好きな仕事はできているのに将来のビジョンが描けていませんでした。自分には『好き』しかなかったから、何がしたいと問われても即答できなかったんだと思います」 

 

自分のやりたいことにチャレンジしてきた自分にとって、その問いに答えられなかった事実が、中村さんは大きな転機になったと言います。

 

「内装のデザインや空間プロデュースで数年後、果たしてどこまでいけるのか、未来をイメージしてみました。

想像してみると、いまから飛躍して活躍している未来やその領域で『個性』を出せているイメージがわきませんでした。自分が手がけるからこその優位性を、私は出せない。そう思ったときに、私はこの領域でキャリアゴールを描くことをやめました」

 

一方で、これまで長年キャリアを積んできた人材領域や、人事コンサルティング領域であれば、キャリアゴールや未来を描きやすいことに中村さんは気付きます。

 

「結局、『好きなこと』より『得意なこと』を重視したほうが、将来は描きやすいし、成功する確率も高まると思うんです。

私は、いままでのキャリアもHR領域で、事業会社の人事も人材業界でのコンサルタントもやっていて、こらまで何百人と会い、多くの方のキャリア相談を受けてきました。

将来やキャリアゴールを見捉えたとき、やりたいことや「こうありたい!」というアイディアが自然とたくさん生まれてきたんです。いまは、「女性のキャリア支援」や「企業の女性活躍推進」をテーマに事業をやっていますが、その領域におけるまだある余白で、新しい価値やサービスを、作っていきたいと考えています」

 

「得意なこと」に集中して、自分の強みを活かしていく。それこそが将来への道を開き、自分の夢を実現するパワーになってくれる。

そう確信し、中村さんは2社目の起業を決断します。【後編につづく】

 

 【中村 彩織(なかむら さおり)】

株式会社STORIO 代表取締役、株式会社 style F 代表取締役

青山学院大学経済学部卒業後、株式会社キャリアデザインセンターに入社。IT業界、コンサルティングファーム、重機メーカー、飲食業界など、大手上場企業から中小ベンチャーまで200社以上の中途採用に携わる。その後、楽天株式会社に転職。人事として年間数百名規模の人材採用に従事。

2010年7月、株式会社style F設立、代表取締役に就任。人々の暮らしに“彩り”を加えたいという思いから、インテリアデザインや内装プロデュース業を開始。同時に、これまでの人事領域の経験を活かし、企業の採用業務設計、組織開発、人財開発など、人事コンサルティング業にも従事。ITベンチャーから東証一部上場企業まで、幅広い事業フェーズの企業を顧客に持つ。2015年11月、株式会社STORIO設立、代表取締役就任。「女性」×「働く」をテーマに事業を展開。

秋田 英美
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