趣味

2013.10.02 UP

哀しいほどに黙殺され続ける意見と「女性が最高の自由を得る方法」について

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woman

先日お会いした女性は、美容室に行くのが苦痛でしかたないと言っていました。ぼくは、女性はみんな「美容室に行くんだ! ルンルン!」と思っているのだと雑に思い込んでいたので、とても意外でした。

なぜ美容室に行きたくないのか? 美容師さんとの会話がものすごく苦痛だからだそうです。

 

最近雨の日が多いですね(天気のことなんてど~でもよくね?)。今日はこれからお仕事ですか?(イヤ、帰って夕飯のしたくをするだけなんだけど)。そのお洋服、どこで買われたんですか? かわいらしくてお似合いですよね(イヤ、ファッションセンターしまむらなんだよね)。シャンプーのほう何回しますか?(シャンプーの「ほう」ってなんやねん)。

などなど挙げればキリがないくらい、ある種の女性にとってはイヤな会話が延々と続くのだそうです。

 

会話なしで、黙々と髪を切ってくれたり染めてくれたりする美容室があればいいのにと、彼女は言います。で、ぼくが思うに、こういうことを心のなかで感じている女性はおそらく多い。

社交辞令みたいな会話を、長々とされて楽しいですか? 美容師さんの出口のないFMトーク(今日は何回空を見上げましたか? そう! 人生って切ないものなんですよね。 ……締め殺したろか)にいちいち反応するのも、面倒ですよね。

だから、(ぼくの偏見も含め)じつは美容室嫌いな女性は多いと思うのです。

 

嫌いだと思っても、一部の人しかそれを言わないから、その意見はどんどん黙殺されて、美容室は「トークなし」ということをやらない。相変わらずカリスマ美容師がいるとか、料金が安いとか、オーガニックだとか、トークとは全然ちがうところで、各店舗が差別化競争をしている(ようにぼくには見える)。

男は10分1,000円の理髪店に行くと、無口なおっちゃんが、無口に髪をカットしてくれる。10分で終わる。女性は、仕方なく、おしゃべり美容師のもとに行くしかないのかもしれない。あるいはじぶんで髪を切るとか。

 

ぶすっとした顔でイヤな客として美容室に行こう。

「わたしはカットの最中にあなたとなどお話をしたくありません」。こう面と向かって言う勇気がないのであれば(たいていの女性は言う勇気がないと思う。ぼくだってない)最初から相手の期待値を下げてぶすっとして美容室に行こう。

 

最初から相手に期待を持たせないことで得る「自由」。これはなにものにも代え難い最高のものだ。だって期待されていなんだから。こんなに幸せなことはない。

 

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ひとみ しょう

ひとみしょう

(小説家/作詞家/ANGIEシニアライター)

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